見出し画像

Adobe Expressで生成AIと和解せよ

最初に言うと、私はAIに対してあまり良い思いを持っていない。

これは、お題企画 #画像生成AIチャレンジ による私と生成AIの和解の話である。


生成AIに対するお気持ち表明

・生成AIとクリエイターの確執

画像生成AIが出てきたことにより、SNS上では
・自分の絵が学習対象にされるのではないか?
・『絵を描く』という仕事がAIに奪われるのではないか?
・他人が成りすまして悪用できるのではないか?

といったような声が上がっている。

現に、自分のイラストを学習された例や、イラスト投稿サイトPixivでは著作権侵害で削除になったものもある。
特に、悪用の部分では、最近、岸田総理の偽動画が話題になった。

また、国外においては、アメリカでは脚本家たちがAI導入に対しストライキを起こしたことも記憶に新しい。

「小説はまだ難しいのでは?」と言われたこともあったが、『Canva』『AIのべりすと』等、小説に特化したものも既に出てきている

・AI技術と私

私は映像編集中心のクリエイターなので、自動で映像編集してくれるAIが出てくるまでは仕事を奪われずに生きられるが、最近自動字幕機能に釣られてDaVinci Resolve Studioを購入した。利便性に負けた。

ただ、それでAI礼賛してはいけない理由が私にはある。

なぜなら、私の卒業制作※の短編映画が「AI技術の高度な発達により、人間がAIの奴隷となる未来社会の話」だからだ。何だそれは。
そんな作品を発表しておいて、自分が真っ先にAIの軍門に下るわけにはいかないのだ。
※今年3月まで社会人学生をしていた。

Adobe Expressを使ってみた

とはいえ、もう既に便利に使わせてもらっているので、あまりAIを目の敵にするのもどうかと思っているところで、noteにAdobe Expressが出張していることを知った。
しかもお題企画まである。

ということで、試しに私も見出し画像を画像生成AIに作ってもらうことにした。

・完成

おしゃれ~~~!

正直、便利でした。
所要時間10分で見出しの画像が作れました。
完敗です、ありがとうございました。
Adobe万歳!今年もAdobe税納めさせていただきました!

何なら、この間Photoshopの画像生成AIで植物のキメラを生みだして「これだからよォ~~~!!!」とか言っていた私にこの画像を見せつけたい。前から生成AIを使っているじゃないか。

絵が描けない私でもいい感じのカメラのイラストが短時間でできるなんて最強ツールだ。
けれど、細かいディティールまで再現できているかと言うと、そうでもない。変なわっかあるし、パン棒ないし。植物キメラを生み出したし。
なので、現時点では『完璧』は作れなさそうである。

そこが、クリエイターとの共存の道ではないだろうか。

・生成AIを "使いこなせ"

こんな便利な生成AIを「完全禁止!」と言うのも、どうしたって限界はある。
いくらストを起こしたって生成AI技術が進化したら「聞き分けの悪い脚本家なんてもういらないです」ということだってあり得ない話ではない。

今回は見出し画像を作ってもらったわけだが、見出しを作ることに時間がかかったり、見出しを設定していない人には、短時間で見栄えのするものを用意してくれるので本当に助かるし、本来画像を作成するのにかかるはずだった時間を、文章を書くことに割くことができる。
つまりは、余暇の創出に一役買ってくれる存在になりえるはずだ。

しかし生成AIは万能ではない
この記事だってchatGPTに書いてもらってもいいわけだが、chatGPTは私の卒業制作の中身を一切知らないから、いちいち軌道修正するよりは自分で一から構築する方が楽だと判断して自分で書いている。
言うなれば、自分が自ら創造したい部分を自分で選んでいる。

noteにはAIアシスタントの機能もあるが、あれも、こちらからお願いすることで仕事をしてくれる。すべてを完全に仕上げてくれるわけではない。

小説や脚本だって、一番大事なシーンやセリフを丸々AIに託す制作陣だっていないはずだ。なぜなら、他の誰でもない、"自分" が表現したい部分だから。
だからこそ、クリエイターの仕事は完全には失われないし、クリエイターからすべてを奪い取ることもないのではないだろうか。

・自分の武器を磨く

ここまでは、まだ選択肢のあるクリエイターの話であって、仕事を受ける側のクリエイターが持つ「仕事がなくなるかも…」という危機感はどうしたって拭えないと思う。

ただこれは、自分への戒めでもあるが、「あなたと仕事がしたい」と思ってもらえる自分になるしかないと思っている。

ジブリの宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』は、事前に内容を公開していなかったにも関わらず、初動で観客動員135万人、興行収入21.4億円を記録している。
「内容が隠されているから逆に気になる」という人もいただろうが、多くは「スタジオジブリだから観たい」「宮崎駿監督がつくる作品だから観たい」と思って劇場に行かれたはずだ。

スタジオジブリや宮崎監督だと世界規模になってしまって想像がつかないかもしれないが、友達関係でいえば「あの子と遊びに行きたいな」の「あの子」になれるかどうか、である。

それがスキルなのか、得意ジャンルなのか、はたまた人柄なのかは分からないが、自分の武器は必ずあるので、それを磨き続けていくしかないと思う。

完全に余談だが、絵を描く仕事に本当に大打撃を与えたのはいらすとやさんではないかという声もある。かわいいし、汎用性高いし、種類も多いし、基本は無料だし。
ただこれも、作者のみふねさんの努力の成果なので、安易に「仕事を奪っている」と言うのはどうかと思っている。「無償イラスト素材」という世界が実はブルーオーシャンだったとしか言いようがない。

・一番は「AIとの付き合い方」

いつかの未来に、「脳内のイメージを読み取って作品を作り出すAI」が出てきたら、その時こそ、AIに仕事を奪われる日になるかもしれない。

けれど、私が卒業制作で「AIの奴隷になる未来」なんて映画を作ったのは、実は単純なAI批判ではない。

「AI任せで、自分で考えることを放棄した人間の末路」を描いただけであり、真、批判したのは「考えることをやめた人間」だったりする。

クリエイターが "自ら" 創造することをやめない限り、生成AIは創作の手助けをし続けてくれると、私は思う。



……ということで、AIの話なら卒業制作の話ができるなと思って、見出し画像にカメラの絵を作ってもらったのである。
何となく、実際に撮影に使ったカメラとディティールが似ているのもよかった。
ありがとうAdobe Expressさん。

しかし卒業制作の話を絡めると必ず真面目になってしまうのが難点。こんなに参照URLを持ってきたり、ここまで長くて真面目な話をするつもりはなかったのに……。


・(追記)生成AIの著作権侵害問題とAdobe Express

とはいえ、生成AIと著作権の侵害の部分は現在進行形の大問題である。

この話題だけで一記事書けてしまうので今回は割愛するが、現在AIに無断で学習させない方法というものがいろいろ出始めているので、そういったものの活用も考えていきたい。

Adobeに関して言えば、著作権的に問題のないものだけで生成AIを作ったとのこと。そういう意味でもAdobe Expressは大変使いやすい。

↓参照


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