機能完璧の北九州市“最狭”公園! かわいいは正義
タコ公園の記事を作成しているときに、「妙に狭い公園だな」と思って気になっていた東篠崎3号公園。それもそのはずで、北九州市にある街区公園で最も狭い公園だった。
30坪のちいさな公園
モノレール片野駅から少し入った住宅地にある東篠崎3号公園。周りを建物に囲まれた狭い公園(写真上)だが、ちゃんと公園としての機能は整っている。すなわち、子どもが遊べる遊具があり、大人たちがくつろげるベンチがある。
遊具は写真の通りで、すべり台を矩形の敷地を生かして北東端に設置し、ヒツジとカバの動物遊具も脇に置いている。普通の公園にある遊具と何ら遜色ない充実ぶり(?)だ。(その奥にはなぜか信楽焼のタヌキや陶器の西洋風人形が置かれているが、これは住民が持って来たものだろう)
ベンチもちゃんとしたものが置かれていて、掃除道具も置かれている。公園の愛護団体が設定されているようで、写真ではベンチに空き缶が捨てられているものの、公園全体は落ち葉が散乱していることもなく綺麗だ。
オープンデータになっている公園台帳によると、敷地面積は125平方メートル。地理院地図で測ると長辺約14メートル、短辺約8メートルの112平方メートルであった。約30坪で平均的な一軒家と同じくらい。公園としては少し窮屈な感じは否めないが、逆にそれがかわいらしくて、心地よい。(Googleマップの航空写真はこちら)
あるべきものがちゃんとある
北九州市の街区公園といえばタコ公園の多さが特徴的で、一部のオカルト界隈では火星とのつながりも指摘されているのだが、それはともかく、街区公園というのは身近な公園のこと。憩いやレクリエーション、一時的な避難場所などの複数の機能を持たせた近隣住民向けの小規模公園で、広場を取り囲むように遊具やベンチなどが置かれている。遊具ではすべり台が圧倒的に多い。下の写真は昭和町公園(小倉北区昭和町)でタコ公園の一つ。
その観点から東篠崎3号公園を見ると、北九州市にある公園の標準装備と言えるすべり台があり、憩えるベンチもある。小さいながらも完璧な街区公園だ。
125平米で3公園が競う!?
ところが、データを詳しく調べると公称125平方メートルの公園は東篠崎3号公園だけではなかった。小倉北区下富野の十字ケ丘2号公園と門司区清見の清見東公園も同じ広さ。北九州市が発行している『北九州市公園の本』(下図)では、これら3カ所を「ちっちゃい公園」のナンバーワンとしている。
ライバル登場か!といったところだが、東篠崎3号公園の地位は変わらなそうである。十字ケ丘2号公園は公園の本にあるように遊具がなく、花壇とベンチだけ。遊具がないのは街区公園としては物足りない。同じ面積であっても、機能面で東篠崎3号公園に軍配が上がる。
清見東公園は西鉄バス「清見四丁目」のバス停からつづら折りの坂道を上がっていくと見えてくる小さな公園だ。ここにはパンダのようなパンダではないような不思議な顔の動物遊具があり、ベンチもある。すべり台がないのは物足りないが、街区公園らしい機能は備えている。
東篠崎3号公園の好敵手のように見えるが、実は敷地面積は300平方メートルくらいある。坂道の途中にあるために遊具がある上段とベンチだけの下段に分かれているのだ。斜面部分を省くと有効面積は多少狭くなるが、それでも125平方メートルまでは狭くならない。
これらの比較から、北九州市で最も狭い街区公園が東篠崎3号公園だと断言していいだろう。
ミニ公園の奥は深い
ちなみに市が5位としている松ケ江東公園はすべり台とベンチがある公園で、確かに狭い。そして4位の野面(のぶ)公園は訪れたことがないが、入口に公民館、奥に古墳(野面古墳)の石室があるという一風変わった公園らしい。興味深い。
かわいらしいミニミニ公園の世界も、奥は深そうだ。公園沼にはまると大変だ。
DATA:<東篠崎3号公園>北九州モノレール「片野駅」下車、徒歩3分。駐車場なし。周りは住宅地のため静かに鑑賞を(全ての公園に共通)。<清見東公園>西鉄バス[75][95][175]「清見四丁目」下車。<十字ケ丘2号公園>西鉄バス[9][93]「小文字一丁目」下車。<野面公園>西鉄バス[急行 黒崎-直方][特急 小倉-直方]「緑ケ丘」下車。<松ケ江東公園>西鉄バス[40][47][60]「東部農協前」下車。
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