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心動かされ、癒してくれた映像⑤選 〈映像解説付〉

僕は映像を創って人に喜んでもらうことが生きがいです。

その生きがいである映像創りを活かして人を癒すことをライフワークにしたいと考えています。

というのも僕自身が映像作品に癒され、救われてきた人間だからです。

そんな僕が癒され、心動かされた映像作品を今回5つシェアしてみようと思います。
癒された理由、心動かされた理由も含めて映像解説します!
※今回は映画作品でなく"映像作品"です。

① 真夏の通り雨 - 宇多田ヒカル

実際はデータとかyoutubeで観るので擦り切れることは今や有り得ないのですが、この映像は昔のVHSで表現するとテープが擦り切れるほど観たと言える作品です。
2018年の国内最優秀MVにも選ばれた作品。

おそらくこの歌の歌詞から想像するに宇多田ヒカルさんの亡きお母さんのことを想った歌だと思うのですが、宇多田さんの子ども時代の体験がベースだからか、映像に表現されるアングルは子どもが親を見上げるような下から見上げる映像や親子で手を繋いで歩くカットが多いのが印象的です。

あとは家族で花火を楽しむシーンや風鈴のシーンなど随所に「夏」が表現されていて、それに加えて花や飛行機や電車の車窓からなどインサートを挿入するタイミングが絶妙に上手過ぎます。

人それぞれ一度はどこかで体験した、見たことのある風景や景色にどこか懐かしく、そして気持ちのいいセンチメンタルさを感じさせてくれます。

3:36からは曲調が変わり、映像のカットリズムがまたまた心地よい。
なぜ心地よいのか?なぜ何度も観てしまうのか?その理由を見つけたくて3:36からの映像の流れはほんとに何度も何度も何度も観ました。

そして一連の映像が終わったあとに感じる、「人生って美しいな」と思えるポジティブな残存感がまた明日からも頑張って生きてみようと思えるお手本となる最高の映像作品です。


② 美濃 Mino Aug 1 , 2012


100年先にも残したい美しい日本の夏。
画も音楽も全てが繊細で人の機微を捉えた映像作品といえます。
使われているカメラはCanon EOS 5D markⅡ。Canon独特の温かみのある画が印象的です。


前半0:24からの雨の画も夏独特の通り雨を絶妙に切り取っていて印象的。

さらに1:15からのインサートカットではそれまで水の音など「音」があったのに、
ここで急に「音」が無くなり音楽だけになるところで視聴者はグッと惹きつけられます。

とにかく夏の「音」と音楽有、音楽無のバランス配分が素晴らしい。
まさに視覚と聴覚と嗅覚までをも掻き立てる芸術の塊みたいな映像作品です。

最後は夏祭りに打ち上がる花火に、誰もが体験した夏休みが終わってしまう一抹の寂しさ、切なさが絶妙に表現されていて、小さな女の子の後ろ姿のカットで終わるのもそれを増長させますね。
日本に生まれてよかったと思える映像作品です。


③ MAISHA

この世界は美しいと思える壮大な映像作品がこのMAISHAです。
アフリカで暮らす人々の表情。そしてサバンナで生きる動物たちの躍動感。
それを見事に融合させている音楽の力。

よくぞこんな迫力があるそして美しい映像が撮れて、それにマッチした音楽が作曲されたもんだなと同じ映像を創る者としてひたすらに感心させたれてしまいます。

この映像を制作するまでにはえげつない量の映像素材が撮られていることと推測します。

どこに生きようと、どこで暮らそうと、そこには文化があり、営みがあり、希望がある。その全てを地球という星は受け入れている。母なる地球というワードがピッタリ。まさにこの映像のタイトルにもあるMAISHAマイシャ)はスワヒリ語で生活・暮らしの意味だという。

そして圧巻は3:54からのラストに向かっていき、4:45の転調で鳥肌が立つ。
もうお手上げ状態だ。

こんな映像が創れたらと映像制作を志す者はきっと憧れを抱く作品だろう。

最後の閉じ方も最高すぎる。


④ SHIBUYA 80th ANNIVERSARY Ceremony Opening Movie

渋谷区という街が歩んだ歴史の変遷とカルチャーの素晴らしさを体感する7分30秒。

その時々の歴史を映像や写真で振り返り、渋谷区の関係者や縁のある著名人の祝辞が描かれる。そしてセンターにはその時々の年数がシンクロし刻まれる。

まずこの演出に「あっぱれ」を捧げたい。

2:50からは時を現代に移し、80年の次の歴史を映像は紡いでいく。

祭りや行事などその街の歴史文化を、今そこで暮らす人々の想いが受け継いでいく。

4:51に楽曲の曲調が変わり一つ目のグッとくるポイントがくる。
やはり音楽の力は偉大だ。

そして僕がこの映像の中で一番繰り返し繰り返し何度も観たシーンは5:40からの映像シーン。

刻みよいテンポから映し出されるその街で生きる人々の姿は、何度観ても心揺さぶられるし、ウルっとくるしグッとくる。

技術的なことをいうと6:05から6:09の柵〜女性達の映るシーンは手持ち撮影でありながらなんと心地よい手ブレなのだろうか。このシーンは何度も観て研究した。

でもこのナチュラルで音楽とマッチした撮影はなかなかできるものではない。どうやって撮影したのだろう?

もう一つ技術的なことを言うと、6:28の木漏れ日のシーンと6:37の赤いブーツを挟むところが天才的だ。時間にして0.5秒か?
でもその0.5秒が今作の映像のアクセントを生んでいる絶妙な編集テクニック。

最後映像を観終わった時には「人間っていいなぁ」って感じられる7分30秒があっという間に感じる素晴らしい映像です。


⑤ True North, Akita. #1

最後は秋田を舞台にしたほっこりする映像作品です。
この作品は#1とあるように#4までシリーズとして存在するのですが、その中でも圧倒的に好きな映像が「True North, Akita. #1 」です。

歌手の青谷明日香さんという方の歌との相性も最高に良すぎるんだけど、そこに登場する子ども達や家族の姿がとってもナチュラルにドキュメンタリーとして映されている。

ここまで自然な表情を撮れるのは、このカメラマンのセンスもさることながら出演する家族や子どもたちとの信頼関係が築かれてこそだとおもいます。短時間ではこんな表情を撮るのは不可能。1:42の男の子が潜水から顔を上げてカメラに驚くシーンや、1:54のトマトを食べて笑うシーンなどここまで被写体と近づいても避けられないからすごい。

そして1:45のカエルを見つけて家族が集まる引きのシーンはよく抑えているなと思う。

あと3:44からドローン空撮映像が挿入されるのですが、男の子がずっとドローンの方を見ているのがちょっと面白い。「ねぇねぇお母さん、なんかへんなのがずっと付いてくるよ」と言う男の子の声が聞こえてきそう。

そしてこのドローンカメラワークは当時11年前の機体性能からするとかなり高度なテクニックが必要でその点空撮も今作に大きなアクセントをもたらしている。

最後、田舎のおばあちゃん達と作るきりたんぽ。親戚一同が集まって食卓を囲むシーン。
どんな日本になっても未来永劫続いて欲しい風景がそこにはありました。


今回5つの作品を紹介させていただきましたが、一つネタバラシをするとこの作品の共通することとして、augument5という映像チームが制作しているのです。
ウエダはそのなかのディレクター柘植泰人さんの感性に共感していて何度も何度も映像作品を貪るように観ているのです。

僕の心を動かし、癒しを与えてくれた映像作品はまだまだ存在します。

そして肝心なのはその映像達からなぜ癒されるのか?なぜ感動するのか?を分析すること。
これまでウエダなりにたくさんの映像を徹底的に分析してきたのでまた機会を設けて作品紹介と映像解説をしてみたいと思います♪


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