世耕元大臣が青学の中野教授を訴えた裁判傍聴記
事件番号 民事第25部甲A係 令和2年(ワ)第23444号
損害賠償、謝罪広告請求事件
■原告 世耕弘成
■被告 中野昌宏(青山学院大学教授)
令和2年3月24日 火曜日 東京地裁610号法廷 15:00に開廷しました。
この日は第四目の回口頭弁論です。
■裁判長 谷口安史 ■裁判官 島尻香織 白井宏和 ■書記官 佐藤慎一
【裁判所をコロナウイルスから守れ!傍聴席の人数制限】
東京地裁の610号法廷は五十〜六十人ほどは入れて、そこそこの大きさだと思うのですが、この日は十人ほどしか傍聴できませんでした。なぜなら、傍聴席の所々に「使用禁止」の張り紙が置かれ、傍聴者が距離を取って座るような措置が取られたからです。そう、コロナウイルス感染防止対策です。裁判所の玄関口には複数の消毒剤が置かれており、職員もマスクを常備、傍聴席は区間整理がされて、感染拡大を防ぐとともに、裁判所をウイルスから守ろうと、細心の注意を払って法廷が運営されていました。
私は当日午前十時二十分からの別件の裁判傍聴があり、この裁判は二十分くらい前に傍聴人控え室に早乗りしていたので、幸いなことに先着順で傍聴することができました。被告席には中野昌宏教授も姿を見せました。
この日の裁判に集まった人たちは四〇人を下らないと思います。そのほとんどが被告の支援者たちでした。なぜならその人たちは裁判が終わりまで待機しており、その後の被告側裁判報告会にも立ち会ったからです。
原告側もそのようにしていただければ、主張の正しさを多くの人に伝えられると思いますので、ぜひ裁判報告会を開いていただきたいと思います。公平に傍聴記録を書くために喜んで参加させていただきます。
被告側の代理人弁護士は海渡雄一氏。(東京法律事務所)
原告側の代理人弁護士は追って書き加えます。
以下、原告側代理人弁護士を原告側、被告側代理人弁護士を被告側、と表記します。統一教会を原理研として表記します。
【裁判傍聴記・まとめ】
■原告が「統一教会、原理研究会に属したことがあるかないか」
争われたのは原告・世耕弘成氏が「統一教会、原理研究会に属したことがあるかないかを言及しているか」で被告側が原告側に口頭で返事を求めました。これに対して、原告側代理人は言葉を濁し、被告側が「事実を聞いているのですが」と尋問口調になる一幕も。これに原告側代理人は「準備書面でお答えする」と書面でのやり取りを求めました。
また、裁判長が被告側は「政治家が統一教会、あるいは原理研究会の出身、またはその関係者であるということを摘示することは社会的評価が低下することはない」という事を主張しているので、原告側はそれに対しての意見補充はあるかと問うと、それは必要ない、ということで、どうも原告側の代理人弁護士は歯切れが悪いな、という印象を受けました。
中野教授が「世耕弘成氏は原理研だ」との趣旨の発言をしたので、社会的評価を低下させられた、と提訴したわけですから、そこは朗々と反論して欲しいところです。
原理研って(参加していたと噂されるだけで社会的評価が低下する)そんな恐ろしいところなんですね。
怖い。
しかし、世耕氏は原理研にいたと強く否定できない様子。それはなぜかというと...相手に失礼だ、みたいなことを言い出したようですよ?詳しくはまとめをどうぞ。
最後に、被告側がたくさんの傍聴希望者がいるので大きな法廷にしてほしい、社会的関心度の高い事件であるから、と裁判長に収容人数の大きな法廷に変えるように求めて、この日の裁判は終了しました。
【裁判報告会で反訴する意思表明〜政権の多数派を占める原理研出身者、これでいいの?〜】
裁判報告会では中野教授がこの裁判はスラップ訴訟だとして、反訴の意思を表明しました。海渡弁護士は「世耕さんは自分が原理研出身者でないとはっきり言わない理由」について説明しました。また原理研出身者が自民党に多数存在する、との告知には報告会参加者から大きなどよめきが漏れました。
中野教授は世耕氏が「原理研は反社会的な組織である」として世耕氏が中野教授の「世耕氏は原理研出身である」とのツイッターを社会的評価を下げる名誉毀損行為だと訴え来たのであるのなら、その原理研出身者やその関係者が多数を占める政権で良いのか?と言うことを訴えていきたいようです。
〜まとめおわり〜
次回期日は5月15日午後一時十五分。606号法廷にて開廷予定です。
以下、口頭弁論やり取り〜あくまでも聞き取りできた部分のみです。
双方の提出書類の確認の後〜
海渡:今日、出されたもので7P〜
「原告が原理研・研統一教会所属したことがないことに言明した事実が確認できないことについて」と書かれておりまして、「現職の参議院議員である原告が特定の団体との関わりを強く否定する旨の発言をした場合、国民に対して当該団体に対するの負のイメージを与えることになりかねず、そのような発言を自制するようなことも考えられることからすれば...」
つまり、世耕氏が原理研にいたと強く否定することは原理研に負のイメージを与えることになりかねないから言わない。
みたいなことを言い出したようです。変ですね、怖い団体と言えばいいのに。一緒にされたら社会的評価を傷つけられるので、中野教授を訴えたんでしょ?違うの?
(後ろの人が雑音をしきりに出して聞き取れず。振り向くとバックから大きな飴を取り出して食べようとしてしていました。十五分くらいの傍聴で我慢できないでしょうか?例え飴としても、開廷中に法廷でものを食べようと雑音出してる人を初めてみました。)
海渡:まず一点確認は原告が原理研に所属したことはないということを、ここで確認したい。
海渡:口頭で答えてください。
原告:そのようなご指摘あるのであれば...準備書面等で必要とするのであれば反論するようにします。
海渡:事実を聞いているのですが。 確認できないとしてもとしても原告が確認できる事実ですから。
原告:そもそも政治家がこれを公に否定した事実が確認できないとか、そいう言ったことを持って被告がいうような(原理研にいたと)推認等ができるのか、これはできないのかということを申し上げています。
海渡:ただ、何も噂もないところではなくて、否定しなかったのではなくて、噂をネット上でそういうことが指摘されてる状況の中でずーっと長い間10年間否定することがなかったのが、突然こういう一人へのTwitter訴訟というやり方があまりにも異常というか、事実があるかないかということは、そこは事実を認否していただきたいと思います。
海渡:本件において確認したかどうか 次回準備書面の形で釈明を求めることも含めて、反論も書いてみたいと思いますので。
裁判長:甲18から22〜 被告が乙の6から24まで〜乙13号証証拠説明書を追加したい。
裁判長:被告の主張として、政治家が統一教会、あるいは原理研究会の出身、あるいは関係者であるということを摘示することが社会的評価が低下することはないという主張されていますが、これについて原告は何か補充する意見は...
原告:現段階では特段必要ないと考えていますが、被告側の準備書面が出されていますからそれも検討します。
海渡:実はですね、この状態で傍聴席満杯ですが、外にも同じくらいの人が待っているんです。入れなかったんです。もしも可能であればもう少し広い法廷でできないでしょうか。原告団があると何人かで傍聴するとかそういう事件もあったんですが、ネットで人数がうまくコントロールできないんです。社会的にも注目されてる事件です。自助努力で傍聴を自粛するしかないんですが難しいですか?
裁判長:今日ところは次回期日この法廷で...
海渡:早くこのコロナが治れば...
裁判長:早く治ればね...
海渡:何が起きるか分からないので、首都閉鎖とか、(依頼人と)きちんと打ち合わせできるかどうか
裁判長:(首都閉鎖になったら)期日を維持すること自体が難しくなるので...連休明けくらいで
次回期日:第五回口頭弁論 5月15日午後一時十五分。606号法廷にて。(コロナウイルス感染防止のために、内閣総理大臣より緊急事態宣言が発令されました。人々の密集行動を防ぐための一環として裁判期日は取り消しになる可能性がございます。ご注意ください。)
あまり似てないですが被告席の中野教授。寡黙な雰囲気ですが、黙って座ってるだけで、こんなオーラが出ていました。
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