ローマ教皇のメッセージ「広島県知事へ核兵器捨てる必要ある」の記事について。NHKは大事なコメントを抜いている。

NHKが配信した「ローマ教皇 広島へメッセージ送る「核兵器捨て去る必要ある」」というタイトルが誤解を招いているようです。


この記事のタイトルだけ読んで「なんでローマ教皇が被爆した広島に核兵器を捨てよ、とメッセージを送るのだ」という非難の書き込みがSNSに沸き起こっているようです。それに対して、疑問を投げかける金井義家(税理士・公認会計士)先生のツィートを見て、検証しました。


すると、バチカン市国が正式に発表したメッセージは次のようなものでした。日本語版をご覧ください。「教皇フランシスコは、75回目を迎えた広島・長崎の原爆忌に、メッセージを寄せられた。」

広島に核兵器捨てる必要があるとは書いていません。

「平和を花開かせるには、すべての人々が兵器を、特に最も強力で破壊的な核兵器を捨て去る必要があることが、これほど明白なことはありません」

全ての人々が核兵器を捨て去る必要があると広島県知事に向けてメッセージを送っています。


原爆投下17年を迎えた広島、広島県知事に向け、「平和を花開かせるには、すべての人々が兵器を、特に最も強力で破壊的な核兵器を捨て去る必要があることが、これほど明白なことはありません。」との(2019年11月24日、広島平和記念公園でのメッセージ)を再掲してるに過ぎません。

NHKが配信したニュースタイトルに「全ての人々」が抜けているのです。わざとなのか、それともたまたま抜いてしまったのか、とにかくNHKの配慮不足でローマ教皇が広島に無神経なメッセーシを送ったと勘違いした人が出てきたらこれはとても失礼な事です。

NHKの配慮ない配信で起きたローマ教皇の報道被害でしょう。

NHKのバチカン特設サイトでもローマ教皇のメッセージが紹介されています。


「そして「核兵器のない世界は可能で、必要だ」と述べ、核抑止力に頼らない平和な世界を築くよう世界の指導者に呼びかけました。」とあり、広島に向けて「核兵器を捨てる必要がある」とは呼びかけていません。

ローマ教皇は「核抑止力に頼らない平和な世界を築くよう」「世界の指導者に呼びかけた」のです。

私もうっかりニュースタイトルだけ見て記事を判断するところでした。これはさすがに、さすがの金井先生の慧眼に敬服するところです。


金井先生のこの言葉、もしNHKの関係者がこのブログを見ていたら、報道関係者として厳に襟を正す諫言として、しっかりと胸に刻んでいただきたい。



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