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キンドル化の魔法がほしい

実家で大量の『こち亀』を発見した。200巻のうち120巻。完全に忘れていた。私は全こち亀の60%を保有していたのだ。自然とテンションがあがる。読んでみると懐かしくて面白い。両津勘吉が暴れ倒していた。ほかにも高校の頃に集めていたマンガが大量に見つかった。ひとりで盛り上がり、再読祭りがはじまって、どんどん時間がすぎてゆく。気づけば部屋じゅうに散らばるマンガ。ありがち。

その後、部屋を見まわして考えた。こいつらまとめて、キンドルのデバイスにぶちこんでしまいたい。そんな魔法があればいい。私はずいぶん前からマンガの購入を電子に移行していて、キンドルに充実したライブラリを構築している。そこに120冊のこち亀を中心とした新メンバーが加わる。これは、わくわくする。実家で見つけた大量のマンガを、杖のひとふりで電子化することはできないか。

いや、電子で買い直せよって話なのだが、それだと結構な金額になるし、一度は紙で購入してたのだと思うと、キンドル化の魔法を願ってしまう。

呪文を詠唱すると目の前の単行本がピカッと光り、けむりのようなエフェクトとともに消滅する。そしてデバイスに電子版が登録されている。これがキンドル化の魔法の全貌である。紙のほうが消滅するのは当然である。私だってそんなむちゃは言わない。電子版を入手した上で紙まで手元に残したいとか、そこまでエゴまるだしではない。魔法にはコストの概念だってある。強い魔法を使い放題のゲームはダメである。それじゃあゲームデザインがなってない。私だってバカではない。杖をふるだけのノーコストがまずいなら、相応の何かを設定していただいてもかまわない。たとえば、スクワットを50回やるたびに1冊がデバイスに入るとか。

まあ、それだとやってることが魔法使いというより武闘家だが、私の身体のどこにもマジックポイントという概念は見当らないので仕方ない。そのように設定していただければ、私は汗だくでスクワットをする。50回するたびに魔法が発動し、ピカッと光ってけむりになって、こち亀がキンドルに入ってゆく。そして120冊が入る頃、私は両津勘吉みたいな体型になっている。


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