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ITサービス・マネージャー(心得)として知っておく必要のある規格と法律

ITサービス・マネージャーの大切な役割として、顧客への説明&報告がある。特に故障報告時に「UL規格に準拠している」文言を使用したことがある。その他も知っておくべきIT機器、サービス品質に関連する規格と法律が下記の通りである。(外資系メーカーを経験していることが知る大きな要因)特にFDA承認されている医療機器(SW含む)の報告は、慎重に丁寧を心掛けている。

UL規格(Underwriters Laboratories Standards)

UL規格は、アメリカの非営利団体であるアンダーライターズ・ラボラトリーズ(Underwriters Laboratories、略してUL)によって設定された安全基準です。1903年に創設されたULは、電気製品、消防機器、プラスチック材料など幅広い製品に対する安全性評価と認証を行っています。ULマークは、製品がULの安全基準に適合していることを示すもので、主にアメリカ市場を対象としていますが、世界中で広く認知されています。
UL規格の特徴と目的

  • 安全性の確保:製品が火災や感電などのリスクを最小限に抑えるための設計基準を満たしていることを確認します。

  • 検査と認証:製品テスト、工場の監査、製品サンプルの検証を通じて、製品が安全基準を継続的に満たしていることを監視します。

  • 広範囲にわたる製品カテゴリー:電気製品、照明装置、建築材料、情報技術機器など、多岐にわたる製品カテゴリーに対応しています。

PL法(製品責任法)

PL法は、製品の欠陥によって消費者が被った損害を補償するための法律で、正式名称は「製品責任法」(Product Liability Law)です。日本では1995年に施行されました。この法律は、製造業者や販売業者が製品の安全性に責任を持つことを義務付け、消費者が製品の使用から生じた損害について補償を求めることができるようにしています。
PL法の主なポイント

  • 製品の欠陥:設計上の欠陥、製造上の欠陥、警告の欠陥(不十分な使用説明や警告表示)によって生じる損害が対象です。

  • 製造業者の責任:製品を製造した業者はもちろん、製品を輸入する業者も製造業者とみなされ、損害に対する責任があります。

  • 消費者の保護:消費者が製品の使用によって受けた身体的、財産的損害について、製造業者や販売業者に対して損害賠償を請求できます。

UL規格とPL法は、ともに製品の安全性と消費者保護を目的としていますが、アプローチの方法が異なります。UL規格は製品の設計段階から安全基準に適合していることを確認し、認証を通じて消費者にその安全性を保証するものです。一方、PL法は製品によって生じた損害が発生した場合に、消費者の権利を保護し、製造業者や販売業者がその責任を果たすことを規定しています。これらは製品の安全管理と消費者保護のための重要な法的・規範的枠組みであり、製造業者と消費者双方にとって重要な意味を持ちます。

国際規格

  • ISO規格:国際標準化機構(ISO)によって策定される規格で、品質管理(ISO 9001)、環境管理(ISO 14001)、情報セキュリティ管理(ISO/IEC 27001)など、多岐にわたる分野での基準を提供します。

  • IEC規格:国際電気標準会議(IEC)によって策定される規格で、電気技術に関する国際規格を定めています。電気製品の安全性や性能に関する基準が含まれます。

地域・国別の法律・規格

  • CEマーキング:ヨーロッパ連合(EU)市場に製品を出荷するために必要な規制適合マーク。製品がEUの安全性、健康、環境保護の要求事項を満たしていることを示します。

  • RoHS指令:特定有害物質の使用制限を定めるEUの指令。電子・電気機器に含まれる鉛、水銀、カドミウムなどの使用を制限します。

  • REACH規則:化学物質の登録、評価、認可及び制限に関するEUの規則。化学物質の人への健康影響や環境への影響を管理します。

  • FCC規格:アメリカ合衆国の連邦通信委員会(FCC)が定める規格。無線機器や電子機器が電磁干渉(EMI)に関する特定の基準を満たしていることを確認します。

特定分野の法律・規格

  • 食品安全管理システム(HACCP):食品の安全性を確保するためのシステム。食品製造過程の各段階で危害を分析し、重要管理点(CCP)を特定して監視します。

  • 医療機器規格:医療機器の安全性と有効性を保証するための規格。国や地域によって異なり、例えば米国ではFDA(食品医薬品局)による承認が必要です。

知的財産法

  • 著作権法:ソフトウェア、書籍、音楽、アート作品などの創造的作品の保護に関する法律。

  • 特許法:新しい発明を保護するための法律。発明者に一定期間の独占的使用権を与えます。

これらの規格や法律は、製品の安全性、品質、環境への配慮、消費者保護など、さまざまな側面から製品を規制し、高い水準を維持することを目的としています。特にグローバルに製品を展開する場合には、対象となる各国・地域の法律や規格を綿密に調査し、遵守することが重要です。


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