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遺言書の種類とそれぞれの利点、短所について

 遺言書の種類は沢山ありますが、FPの教科書には主に自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言が掲載されています。

私は秘密証書遺言を書いたと言う話に出会っていないので割愛しますが、
大半を占めるのは自筆証書遺言と公正証書遺言です。


自筆証書遺言は何しろ費用が殆どかからないのが利点です。ただし紛失や廃棄、また書き方が間違えていて、検認をした際に無効となる可能性がある事は否めません。そのデメリットを補うため、2020年より法務局にて自筆証書遺言の保管制度が始まりました。

上記のポータルサイトは分かりやすく、いつも参考にさせていただいてます。

 また遺言書の書き方に不安がある方は公証役場に出向いて、公証人と相談し公正証書遺言を作成すると法律文書として間違えが無く、とても安心です。費用は遺言者の財産や家族構成、文章の長さによって前後しますが、平均的な方であれば10万円前後の方が多い様です。(作成前に公証役場が事前に見積もりを出してくれます。お問い合わせしてみてください。)

 ここまでの部分は数多の案内サイト等が詳細に記述していますが、筆者がここで強調したいのは、あまり従来触れられていない「執行面をどうするか」なのです。
 遺言は作って終わりで無く、遺言者が亡くなった後に、その財産の名義変更や解約手続き等遺言書の内容を実現するものが「執行」なのです。言わば遺言書は絵に描いた餅で、それを相続人や受遺者がおいしく頂く(相続人の名義に換えるなどの手続き)作業が遺言執行なのです。

この部分が意外とクローズアップされていなくて、また遺言者自身も作成した時は気づかず見落としがちな観点です。遺言執行者は自筆証書の場合は記載していないケースも見受けられ、また公正証書の場合、ご家族が指定されていることが多い。そう自筆証書遺言を保管する法務局や公正証書を作成してくれた公証人は、「執行」はしないのです。

昨今はどの金融機関も人員削減等によりスタッフが少なく、ここの相続手続きが本部などのコールセンター、事務部門に集中されているようです。金融機関の営業店に行き、即日解約というのはなかなか難しいようです。

遺言者亡き後、多忙なお子さんや高齢の配偶者が法務局(相続財産に不動産がある場合)、金融機関ごとにこういった手続きを依頼にまわるのはとても骨が折れます。何しろ戸籍取得をする市役所や銀行は平日の日中に限られていますので、
その点からして時間のない方は、遺言作成と執行も行ってもらえる弁護士さんや司法書士さん、税理士さん等を探すのが良いかもしれません。法人として大きなご商売をされている事務所の方が良いと思います。


意外と様々な場所で相談できます。


そして数から言えば圧倒的に相談する場所が多いのは、信託業務を行なっている金融機関です。金融機関が扱う「遺言信託」と言う商品があり、こちらは遺言作成のサポートに加え、執行の大半を金融機関が行います。手数料はかかりますが、ご家族の執行時の負担軽減を考えればそれに十分見合うという評判も聞きます。

https://www.shintaku-kyoukai.or.jp

遺言を作成するときに何を重視するか(コストあるいは負担軽減)によって、相談する場所を検討比較するのも一考です。


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