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[HipHop] in-dとTHE OTOGIBANASHI'S

読書記録のつもりで始めたnote。読書の記事を毎週がんばって書いているけど、一番読まれているのは実は日本のHIP HOPシリーズだったりします。

さて、今回は In-d。インディーと読むらしいです。
In-dは2010年代前半に話題になった THE OTOGIBANASHI'S(ジ・オトギバナシズ)のメンバー(他のメンバーはBim、PalBedStock)。
彼が具体的にどんな環境で育ったか分からないけど、どこか良い意味で「普通さ」を持った人たちだ。
これまで紹介してきた BAD HOP、唾奇、ZORNがそうだったように、HIP HOPは治安の良くない、子供が育つには過酷な環境の地元を代表する音楽という側面がある(FEBBはアメリカの治安の悪い感じの人たちに憧れていた)、KANDYTOWNは世田谷の高級住宅地という土地柄か浮世離れした雰囲気があり「普通さ」という感じはなかった。
THE OTOGIBANASHI'Sのメンバーはおそらく普通の家庭に育ち、普通にオシャレも好きな青年たちだったのだろう。彼らの歌詞には悲惨さは無い。だからと言って彼らにリアルが無いわけではない。当然のことだけど、普通なりの悩みや生き方がある。

THE OTOGIBANASHI'Sのメンバーで一番目立って、人気も高いのはBimだろう。THE OTOGIBANASHI'SのDisney & Rap という不思議な世界観も、感度の高いセンスもBimのものだ。

THE OTOGIBANASHI'Sの出世作「Pool」。

この後、人気レーベルSUMMITに所属する。
個人的に特に好きな「大脱出」。
[https://youtu.be/01BiiVoc3XQ]

話題になったSUMMIT の Theme Song にもBimと一緒に参加している。


2017年ごろまではグループで活動していたが、その後はソロ活動が活発になる。

BIMのBonitaはYoutube再生回数260万回するヒットとなった。

さて、In-d 。正直なところ、これまで紹介してきた 唾奇、ZORN、FEBB、KANDYTOWNのような評価や人気があるとは言い難い。Rapも一本調子といえば否定できない。でも、彼の持つ普通の感覚。誰もがもつ不安定な感情や憤りを言葉にできる能力は魅力的だ。
ソロでのヒット 「On My Way」はYouTubeで94万回再生。
「一人が好きだけど寂しい時もある」という感情は共感できる人も多いのではないだろうか?


I‘m on my way to you いつもの道
理由はわからないが良い気分
I’m on my way to you
Can you feel that yeah yeah you know?

I‘m on my way to you いつもの道
理由は無いけれど言い切る
I’m on my way to you
Make you feel good yeah yeah you know?

On my way to you また君を思う 午後6時
左手にはプリンス 日比谷通りでwalk
悩みの種 皆同じだね 今日は地元へgo
昨日よりも今日 要は気の持ちよう
なんか気分いいし二駅分歩こう
夜のアルコールで洗い流したくはない
一人が好きだけど誰かにcall そんな夜
誰とも共有出来ない思いもある
今日は慣れた場所で新しいこと
また思い出す あの夏の日の午後
明日また忘れなきゃいいけど
忙しないし忘れがち 家族 友達
自分はどう? 自分に問う
“大丈夫”は人じゃない 自分の為
これも君の為思う俺の為 damn...

On my way to you 久しぶりに浴びる東からの陽
午前9時 何かを始めるには丁度いい
夢見心地 やはり夜より朝昼
理屈ばかりだから理由ないものに心奪われる
気持ちも晴れる 好きな街へ向かおう
意外と長くない一日 折り返す頃
夕暮れ時までに1日を決めよう
You better know 夜になり君も街も違う顔
いつものように3号車の端 好きなVOD checkする
この時間 上りは空いてる
行きよりも帰り道にfeelin good
一日の終わり 何か始まる
冷たすぎる風浴びても冷めないはず
悪くないこんな夜も

歌詞 In-d

「On My Way」が収録されているミニアルバム「indoor」の「You」。
自分勝手と言えばそれまでだけど、寂しいさを埋める男女の姿を描いている。
70年代の歌詞の表現が多彩だったころの歌謡曲のようだ。

You 上手く交わらない2人
You この夜も俺のせい I know
You また別のYou
身体重ねても隙間埋まらない Me&You

今夜もフリー 横に誰がいてもいい
嫌われたくないが好きになれない
PM9 どうしようもない夜
内容が全くない会話 互いに怠惰
エゴ ありのまま
お前が言う “最低だし本当どうしようも無い”
また思う “心既にここにない”
365の中の1 night 会うのはMidnight
よくわからないのに言う “わかる”
また孤独を避ける為のどうでもいい夜
お前が思うほどのGoodな男じゃないよ
俺のmind お前のmind 徒然なるまま
何回目のFriday night?

You 上手く交わらない2人
You この夜も俺のせい I know
You また別のYou
身体重ねても隙間埋まらない Me&You

後略
歌詞 In-d

新曲 「Breath」 正直なところあんまり再生回数は伸びていない。悪くないと思うんだけどな。


Rap自体はKANDYTOWNのRyofu(メジャーデビューおめでとう)、名古屋のCampanellaとの 「Where the Hood at 」が好きかな。この曲は3人の個性が際立っていて素晴らしい。

In-dが幅広い人気を得るかどうかは分からない。
KANDYTOWNのKEIJU(Young JUJU)もそうだけど、孤独や不安定な感情というリアルさはなかなか広く受け入れられていない。
しかし、いつか多くの人たちの心を掴むときがくるのではないか?
と思う。

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