オーガニック歯磨き粉のメリットとデメリット

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

近ごろは地球環境(エコ)ブームで、オーガニック製品がたくさん販売されています。ハワイのショップに行くと、日本とは比較にならないほど多くのオーガニック製品が置いてあったので、近い将来日本もそうなるでしょうね。

ところで、私が驚いたのは、楽天市場で「オーガニック歯磨き粉」と検索した時の事です。見ると、「オーガニック」「ナチュラル」「天然」「無添加」などと書かれている歯磨き粉が、あるわ、あるわ。

日本にも、「こんなに多くのオーガニックの歯磨き粉があったんだ。」と思って、全ての成分表示を見ると、ほとんどの商品に自然由来ではない「化学成分」が含まれていたのです。(正確にいうと、一定量の無添加成分が含まれている製品ということになる。)

日本では、まだ「オーガニック」に対する認識が薄いことと「オーガニック歯磨き粉」に対する規定がないことから、販売者も悪きがなく、広告に「オーガニック」や「ナチュラル」と表示しているのが現状です。

100%自然のものだと、信じて商品を購入するお客の側からすれば、裏切られたような気になりますよね。

ということで、、今回は、「オーガニック歯磨き粉」についてご説明しますので、ご参考にしてくだされば幸いです。

オーガニックとは

オーガニック歯磨き粉の定義を理解するためには、まず「オーガニック」について知る必要があります。

先ず、(成分)無添加の歯磨き粉とオーガニックの歯磨き粉は違います。
ネット通販などで「無添加」と表示されていても、一部の成分だけ無添加だと思ったほうがいいです。(※「無添加」と表示する場合は、購入者が誤解しないよう、「〇〇が無添加」と表示する義務がある。)

当然、化学成分からなる「フッ素歯磨き粉」は、オーガニックではありませんので間違わないようにしましょう。

日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会によると、「オーガニック」は「有機」と同じ意味になります。

※有機栽培(有機農業)とは、「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと、並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」と定義されています。
引用:ジブン農業 意外と知らない有機栽培と無農薬栽培の違い

簡単に言うと、、オーガニック(有機栽培)とは、農薬や化学肥料(化学物質)を使用しない、自然環境に優しい農林水産業や加工方法のことを指します。

厳密に言うと、、、含まれる成分が「ヨモギ」や「バラ」であっても、栽培時に農薬が使われていれば、それは自然農法によるものではないため、本当の意味の「オーガニック」ではありません。

※現在、日本において有機基準(有機JAS規格)が制定されているのは、「有機農産物」「有機加工食品」「有機畜産物」「有機飼料」の4品目のみです。このほかの水産物、コスメティクスなどは国の基準がありません。
引用: 特定非営利活動法人日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会

たとえ自然農法の植物や自然由来の食品が含まれていても、少しでも化学物質が含まれていれば、それは「オーガニック」ではないので間違わないようにしましょう。

オーガニックは体に安全?

大抵の人がオーガニック歯磨き粉に求める目的は、「体に安全だから」とか「健康に良いから」と考えるからではないでしょうか。自然食品であれば、これらに加えて「自然の食べ物は美味しい」と思うかもしれませんよね。

しかし、誤解しないように言うと、、自然のオーガニックだからと言って安全だとは言い切れません。

と言っても、合成添加物の多い市販の製品と、無農薬のオーガニック製品を比較すれば、オーガニックの方が健康害のリスクが低いので、「安全性が高い」と言えるでしょう。

だからと言って、オーガニック歯磨き粉に対して過剰に期待を持つのはよくありません。

歯磨き粉の成分を知っていますか?

ドラッグストアなどには、未だ「オーガニック歯磨き粉」を置いているお店は少ないです。(オーガニック歯磨き粉は、通販によるものがほとんど。)その理由は、日本人の99%以上が、市販の歯磨き粉に満足しているからです。

あえて誤解を避けると、、市販の歯磨き粉の評価が高いのは、価格が安いから、CMによるブランド認知度が高いから、みんなが使っているから、という安心感であって、オーガニックのような環境や健康への安心(安全)ではありません。

薬機法(旧薬事法)では、歯磨き粉は、医薬品、医薬部外品、化粧品の3つに分類されています。厚労省より医療以外に使用した場合に効果が認められている薬効成分が含まれるものが「医薬部外品歯磨き」と呼ばれます。
(※薬用シュミテクトは医薬品。サンスターのガムやオーラツーミーは医薬部外品。)

薬機法では、医薬品でもなく、医薬部外品でもないものが、歯磨き粉であっても「化粧品」に分類されています。歯磨き粉なのに化粧品ってややこしいですよね。これって、私たちは化粧品で歯磨きをしているってこと?

ですから、薬剤が無配合の「化粧品歯磨き粉」だからと言っても、たくさんの添加物が配合されていることなので、安心してはいけません。

ほとんどの市販の歯磨き粉には、「研磨剤」や「合成界面活性剤」などの成分が入っているからです。

【歯磨き粉成分の危険ランキング】

1位:合成界面活性剤・発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウム)…味覚障害、口臭原因、口腔乾燥
2位:香料(サッカリンナトリウム)…発がん性リスク
3位:顆粒入り歯磨き粉…顆粒が歯周ポケットに入り取れなくなる
4位:研磨剤(炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなど)…歯面が削れ傷つく、知覚過敏を悪化させる
5位:高濃度フッ素配合歯磨き粉…大人用(1000ppmフッ素配合)は、子どもには健康によくない

引用:買ってはいけない歯磨き粉!成分とその理由

オーガニック歯磨き粉の定義とは

現状では、「オーガニック歯磨き粉」の明確な定義はありません。仮に定義するとすれば、「オーガニックコスメ」と同じ基準になるはずです。

オーガニック化粧品は自然由来の成分を中心に配合し、化学的な成分を全く使用せず、またはごく少量のみ使用して作られ、「人間の肌が本来持つ自然治癒力を助長、回復させることに着目したスキンケア用品」と自主的にうたっている化粧品である。化学成分を含むものに比べ低刺激だとうたっており、アトピーなどの皮膚病患者や敏感肌の人にとって副作用が少ない場合もあるという利点がある。
引用:ウイキペディア

「オーガニック歯磨き粉」の定義は、有機JAS規格の「有機農産物」「有機加工食品」「有機畜産物」「有機飼料」の4品目に適合しているか、自然の水産物を100%原料としているものだけです。

しかし、これはあくまでも理想であって、(歯磨き効果など)現実問題としては難しいといえます。

オーガニック歯磨き粉の実態

結論から申しますと、本当の意味での「オーガニック歯磨き粉」は、ほとんど存在しないと思ったほうがいいです。

歯磨きの目的は、①プラークを除去する ②虫歯や歯周病を防ぐ ③口臭を防ぐ ④歯を白くする、ことにあります。

市販の歯磨き剤には、これらの目的を達成するために、研磨剤など様々な成分が含有されているのですが、自然由来の成分だけで、果たして歯磨き効果を得ることが出来るのでしょうか?

ということで、楽天市場に掲載の「オーガニック歯磨き粉」の成分を調べて見ると、やっぱり。その多くは、市販の歯磨き粉と同じ成分が一部配合されていました。

購入時には、歯磨き粉に表示されている「全成分」を見ることが大事です。中には、こんな歯磨き粉もあったのでご参考のためご紹介します。

■商品名:メイドオブオーガニクスホワイトニングトゥースペストシルクパウダー
■全成分:※アロエベラ液汁(湿潤剤)、※エタノール(溶剤)、シルク(清掃剤)、※ヤシ脂肪酸K(保護剤)、※オリーブ脂肪酸K(保護剤)、炭酸水素Na(ph調整剤)、炭酸Ca(増量剤)、キサンタンガム(増粘剤)、水(溶剤)、バンブサアルンジナセア茎(清掃剤)、海塩(湿潤剤)、※スペアミント油(着香剤)、※セイヨウハッカ油(着香剤)、サボンソウ葉/根エキス(着香剤)、※ティーツリー葉エキス(着香剤)、※オリーブ葉エキス(湿潤剤)、パセリ葉エキス(着香剤)、セイヨウハッカ葉エキス(着香剤)、※ローズマリー葉エキス(着香剤)、セージ葉エキス(着香剤)、タチジャコウソウ葉エキス(着香剤)、※ステビアエキス(香味剤)、香料
※はオーガニック成分です。エタノールはさとうきび由来です。香料は天然由来です(保存料)。
■原産国:オーストラリア
■製造販売元:株式会社たかくら新産業

オーガニック歯磨き粉のメリットとデメリット

オーガニック歯磨き粉と言っても、オーガニック成分の配合率などによって製品ごとに違いがあります。ここでは一般的なオーガニック歯磨き粉のメリットとデメリットをお伝えします。

・メリット
①歯磨き後の汚れを流しても地球環境に優しい。(エコになる)
②化学物質が無添加のため、体への安全性が高い。
③刺激成分が入っていないため、歯磨きした後のピリピリ感がない。

・デメリット
①研磨剤が含まれていないため汚れを落としにくい。(プラークが残る、歯の黄ばみの原因になる)そのため、歯磨きをより丁寧にしないといけない。
④発泡剤が無添加のため泡立ちがない。そのため、磨けている感じがしないことも。
⑤香料が含まれていないため、歯磨き後のスッキリ感を得にくい。
⑥一般的な歯磨き粉よりも価格が少々高めに設定されている。

おすすめのオーガニック歯磨き粉

私からおすすめするオーガニック歯磨き粉は、ホタテ貝殻焼成パウダーを主成分とする口臭予防歯磨き粉の「美息美人(びいきびじん)」です。

成分は、貝殻焼成粉(青森県産ホタテ)とクエン酸(鹿児島県産さつま芋を原料)だけですので、健康に安心して使用できます。

美息美人はオーガニックでありながら、Ph10.5程度のアルカリイオン水になるので、タンパク質から成るプラークを溶かす作用があります。そのため、研磨剤無添加の歯磨き粉でありながら歯が良く磨けます。

>>口臭ケアブランド『美息美人(びいきびじん)』が舌苔を溶かして取る仕組み

それどころか、ホタテ貝殻のカルシウムとリンがイオン化して歯の石灰化を促すため、歯を強くする効果が期待できます。丁寧にブラッシングすることで、歯をツルツルにして白くすることができます。(ブラッシングによるホワイトニング効果が期待できる。)

また、アルカリイオン水で洗口すると、酸性化した口内を中和させる効果があり、口臭予防にもなります。
このような理由から、口臭予防歯磨き粉「美息美人」は、お試しする価値があると思います。

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