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【易】易は立てるもの、なんですが…

先日、ご依頼主様とメールのやり取りをしていて「易って『立てる』のだと思っていたのですが、『取る』ものなんですね」と言われまして。

いえいえいえ、普通は「立てる」だと思います。私がつい「取る」と言って/書いてしまうのは一時期通っていた易教室の先生が「取る」と言う人だったからなんですね。

「さっ、じゃあ、易を取ってみましょうか!」という言葉を今も覚えています。

易はちょっと難しいと言うか、コツがあって独学できる人もいらっしゃるとは思いますが、私にはちょっと難しかったんです。で、とある先生の一日講座を受けた後に、通い易いターミナル駅近くにあった別の先生の教室に確か2年くらい通いました。先生の他はアシスタント的な方と生徒さんが4、5人いらっしゃったと思います。

で、本田易(本田先生の書いた易経の解説書)と筆記用具、色違いの8面体のサイコロ2個(赤と黒を持って行きました)と普通のサイコロを持って来なさいということで通い始めたのですが。

初回の時にとあるテーマで易を立ててみましょうという話になって、私がサイコロを振ったんです。何の卦だか忘れてしまいましたが、それで私が「(上)(下)の卦です」と言った瞬間、一人の生徒さんが「違います!(下)(上)です!」とおっしゃったんですね。

口調の強さにびっくりしてると、赤のサイコロが下卦、黒が上卦とのこと。私はそれまでどっち(どの色のサイコロ)がどっち(上卦か下卦)かを自分で決めてサイコロを振るものだと思っていて、赤が上、黒が下にしていました。いきなり否定されて驚きましたが同時に「あ、これ、同調圧力だ」と感じたのを覚えています。

その教室では前半は事例検討をして、後半は本田易で順に先生が卦や爻の解説をしてくれていました。後半の解説が一巡して64卦384爻全ての解説を聞くまで教室を続けたいと思ったので、この際、徹底的に同調することにしました。

易限定ですが、その先生のおっしゃるように振る舞い、進めるようにしたんです。(易以外の話、例えば政治活動の話も出たりしましたが、そちらは全く同調しませんでした。)

結果、私は易を『立てる』人から『取る』人になっちゃったんですね。

同調圧力と書きましたが、勿論、先生は「私の言う通りにしなさい!」という方ではありませんでした。昔からの生徒さんが先生を凄く慕っていらしたようでした。

私が入った後に生徒さんは増えたり減ったりして最終的に私だけになり、お教室がなくなってしまいました。まだ64卦384爻一巡してなかったので先生のご自宅で数回個人指導を受けて、残すは「旅(りょ)」のみというところで先生が遠方に引越してしまったのでまぁそのままになったのですが。

なので私の本田易は旅のみ書き込みがありません。

易を『立てる』、『取る』というちょっとした言葉の違いから懐かしいことをいろいろ思い出しました。

皆様が幸せでありますように。


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