見出し画像

だから恋はしたくない

※ 今回の記事は、BTS JIMINのソロ曲 Like Crazyの元になったという同名の映画の核心的ネタバレが含まれています。見る予定がある方は、映画を見てから先にお進みください。視聴済または見ないけど内容が気になるよって方はどうぞ。


↓↓↓↓


アルバムは脳内旅行

 ついにジミンちゃんのアルバム出ましたね。そう来たかーー!!!!
……って皆の新曲出るたびにいつもそう言ってる気がするけど。毎回期待を上回ってくるからすごい。

 私はこれまであまり特定のアーティストを好きになることがなかったので、いつもお気に入りの曲をシャッフルや適当なプレイリストで聴いてましたが、バンタンがソロ活動に移行してから、改めてアルバムで聴く楽しさを知った気がします。

 シングルやコラボ曲は一旦置いておいて、JITB, indigo, FACE はそれぞれこの数年間彼らが表に出す機会がなかった様々な感情が詰められているので、彼ら自身が案内人となって彼らの精神世界に連れて行ってくれるような感覚に陥ります。ディズニーランドのアトラクションのような感じ。
 JITBの「パンドラの箱」の伝説を語り出す女性とか、Yunのインタビュー素材、今回のface-off冒頭の怪しげな「ネコ踏んじゃった」もアトラクションに乗った直後の真っ暗な回廊を行くワクワク感を想起させる。

 そしてInterlude: Dive。曲ですらないけど、音だけでジミンの辛い記憶や楽しかった思い出がドロドロとウィスキーに溶けていって、それを彼が飲み干す映像が浮かんでくるのよ。で、そこからカメラを引くと、like crazyでバーにいるジミンに繋がるんだ。映像のない映画。かっこよすぎだろ。

 こんな具合でユンギ、テテ、グクも脳内旅行へ誘ってくれるんでしょうかね。で、我が最推しジンくんは多分兵役明けにアルバムが来るでしょ? その期間に考えてたことも出してくるつもりなんだろうか。彼に関しては思い入れが強すぎるからか、頭の中を知りたいような知りたくないような、変な拗らせ方をしています…。

恋愛映画アレルギー

 さて、今回のアルバム公開直前、ジミンからEmailが届きました。そこにメイントラックは好きな映画にインスパイアされたと記されていた。

 何の映画か当ててねって話かと思ったら、どうやら曲名そのまんまらしいという情報が。さっそく邦題をググってあらすじを読む。

 びっくりするほど魅かれない。

 私は恋愛映画が苦手だ。アクションとかサスペンスとか他に本筋のストーリーがあって、協力し合ううちに2人は……みたいなのは好きだし、リアルに友人の恋バナを聞くのは好きだけど、恋愛映画に関しては、そもそもなぜ主人公の2人がお互いのことをそんなに好きなのか理解できないことが多い。
 私の恋愛観にも関係しているのかもしれない。これについてもいつか記事にしてみたいけど、私はどうやらデミロマンティックというものらしい。私は一目惚れとかする方が少数派だと思ってたんだけど、これ本当なんですか??

 これを深掘りすると全然結論に辿り着けなくなるので話を戻すと、あまりに魅かれない内容だけど、Like Crazyはクセになるスルメ曲だし、映画のセリフまで入ってるからジミンが込めた思いを知るために観ることにした。

 のっけから苦手なタイプのストーリーが続いた。見事に私の地雷を踏み抜いていく。まず留学中の一目惚れから始まるし、離れたくないという一時的な感情で後先考えず不法滞在したから、その後入国も入籍もできなくなるし。どちらも遠恋の寂しさに耐えられなくて浮気するくせに自分のことは棚に上げて嫉妬するし、浮気相手を散々振り回しておいて、やっぱりあの人が忘れられないって元サヤに戻るし。1時間超えても「私もこんな風に誰かを強く好きになってみたい💕」ではなく「こんな恋愛したくないわ」という感想しか湧いてこなかった。

 この2人、結婚してハッピーエンドになれたとしても絶対その後上手くいかんやろ。いや〜、ジミンちゃんとは恋愛観合わないわー。まぁ、別に付き合うこともないから合ってる必要なんかないよね、なんて思いながら見続けていたら、1時間半後のラストシーンで評価が覆った。

 どうやら私がそう思うことも想定内だったらしい。2人は最後全ての障害を乗り越えて再会する。もう2人を阻むものは何もない。一緒にシャワーを浴びながら抱き合うけど、もう表情は死んでいた。おそらく彼らは留学時代の眩しかった思い出にしがみついていただけだったんだと思う。まさに「恋に恋していた」状態で、最後の最後で夢から醒めてしまったように見えた。この後、別れても結ばれても地獄が待ってそうだなってところで暗転。

…………こっわ!!!!どんなホラー映画よりも恐ろしいんですけど?!!

 「君に読む物語」とか好きなジミンちゃんだからこれもどうせ甘々なんでしょって思うじゃん?? 全 然 そ ん な こ と な か っ た !
 これをどういう意味で好きな映画って言ってるのか、彼にちゃんと聞いてみたい。でも確かに、私が持つ恋への恐怖を上手く描いている作品だと思った。

恋ってものはいつ突然冷めるか分からない怖さがあると思う。大好きな時は盲目でも、冷めた後は「なんであんなに好きだったんだろう?」「今見たら全然カッコよくないのに」「冷静になって思い返すと虫唾が走る」ってなってたりする。友人たちから元恋人の愚痴を聞く度に、なんて恐ろしい病なんだろうと思っていた。

 そういえば、記事を書いてるうちに恋と愛の違いが気になって検索してたら、ゼクシィのサイトに辿り着いたよww

不安そのものを歌に

 映画の結末が分かると、どうしてジミンがこの映画を題材にしたのか激しく気になってきますよね。この男女の関係をアミと置き換えても、メンバー同士で置き換えてもあまりに不穏じゃないですか?

 コロナや兵役などの理由で長い間一緒になれなくて、それでも頑張ってお互いを唯一無二だと言い続けてきたのに、いざ再会したら「やっぱり私が好きだったのは過去の貴方だったわ」とか「やっぱり昔のように愛することはできないよ」って自覚するってことでしょ? 怖すぎる!!

 それで映画を観た後に改めて歌詞を見返してみたのですが、「きっとそうなるはずだ」というより、そういう残酷な結末までも想像して不安だった状態をそのまま歌にしているのかなと感じました。あくまで個人の解釈ですが。

 冒頭に使われている映画のセリフは以下。

I think we can last forever
「私たちの関係は永遠に続くと思う」
I'm afraid everything will disappear
「全てが消えてなくなってしまうんじゃないかと不安なんだ」
Just trust me
「私を信じて」

 私が歌詞の中で特に印象に残ったのはこの部分。

I'd rather be lost in the lights
(むしろ光の中で迷い続けてたい)
No don’t you wake me
(ダメだ、僕を起こさないで)
I wanna stay in this dream, don’t save me
(まだこの夢の中にいたい、僕を救い出そうとしないで)
Don’t you try to save me
(救おうと頑張ってくれなくていい)
I need a way we can dream on
(僕にはまだ夢を見続ける道が必要だ)

 そして相互のCalicoさんがシェアされてる投稿を見て、なんか腑に落ちた。

 そう考えると、もっとグループで続けたかったのに休止せざるを得なかったのを嘆いているようにも取れるし、この間にファンの心が離れていく恐怖を歌っているようにも取れる。肉体的に若いままでいられない悔しさも含まれているかもしれない。ずっと今のBTSではいられないのは百も承知だけど、どうしても望んでしまう。この現実から逃げだしてしまいたいという心の叫びなのかもなぁ。

 会食動画でもやっぱり一番グループでいることへの未練が強いように見えたジミン。グループでいたいという思いをソロ曲で出すとか、あまりにも切ないけど、なんて美しいんだろう。

 で、最後にまたちょっと映画のセリフが入る。

Alone again…What's the point?
「また1人か…一体これに何の意味があるんだ?」

 結局こんなことをぐちゃぐちゃ考えてても、一時的に現実逃避しても意味ないのに…というセリフツッコミまでも曲に盛り込んだのかもしれないなぁと思ったりしました。

 一般人ならここで夜遊びなり火遊びなりして鬱憤ばらしできるのかもしれないけど、立場上そういうわけにもいかないし、真面目だからそうすべきでないのも分かっている。だから1人で酒を煽るしかないという。うぅぅ心が痛いよ。でもまぁ、コロナもあったし、この閉塞感は多くの人が共感できますよね……。

厨二病万歳

 こうして長々とlike Crazyについて語ってきましたが、私自身はSet me free Pt.2 が一番好きです。

 ごちゃごちゃ考えるのはやめだ、やってやるぜ、オラーーー!! 周りに何言われようともう知るかーーー!

 FACEは顔という意味に他に「向き合う」という意味もあるから名付けたとインタビューでも語っていました。立ち向かうことに決めたんですね。

 ぶっちゃけこの曲を初回で聴いた時はビジュアルのインパクトが強すぎて、私の頭の中のナムさん(私の頭の中のナムさん?)が「やっぱりジミンは脱ぐために服を着ていますよね?ね??」ってやたら話しかけてくるので「ほんと、そうですよね」って相槌打ってたらいつの間にか曲が終わってました。

 つまりは全然曲が頭に入らなかったんですが、一夜明けて見直したらON大好きっ子の私は好きになって当然の曲だった!グレゴリオ聖歌風イントロに、リルケの詩のタトゥーとか、ゲームや漫画好きにはたまらん世界観じゃないですかー。進撃の巨人とかスクエニ系ゲーム音楽とか。厨二病刺激されちゃう。ヨーロッパ文学はよく分からないから、どうしてもこんな浅い感想になっちゃうよ。リルケ解説は他の考察班にお任せです。

 ちなみにドイツ語と厨二病の関係が気になって検索してみたら、またおかしなものを見つけてしまいました。こうして無駄な雑学が増えていくんだよね…

 前回の記事から来ていただいている方はリアクション動画も気になっていると思うので、私が好きだった反応も貼っておきます。この人は毎曲を番組並の熱量で語るから好き。

 ジミンちゃんのアルバムはこれまでのメンバーのソロ活の中で一番MOTS7の流れに近い感じがする。ONは言わずもがなですが、shadowとlike crazyも何か似たものを感じる。メッセージも曲調も違うけど抱えている閉塞感が。

シュチムと言えば、次回のシュチタが楽しみすぎるんだが。

ユンギはサノクの応援にも行ってたね。メンバーがメンバーの応援に駆けつける姿がまた胸熱なのですよ。リレーのように誰かが誰かをサポートするの…。

……と思ってたら、記事公開前にこんなストーリーがあがった!ユンギヤ、ありがとう!!書いてる間にもどんどん供給が来るなぁ。
ジンくん、貴重な初めての休暇にメンバーに会いに行くなんて…うっうっ(言葉にならない)

テヒョンとジミンも一緒にいた
(10分先に行った)

結局どのテーマから話し始めても「7人は最高だ」という結論に行き着くんですよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?