恋愛関係ってそんなにいいもの?
Layoverのアルバムについて掘り下げる気満々だったのに、もうグクの新曲が出てしまった。何でこんなに流れが早いのか、もうちょっと落ち着けよとキレたくなってきたけど、7人がゆったりペースで1人ずつ6ヶ月とかかけてカムバしたら3年以上かかってしまうので現実的に無理な話なんだろう。頑張って追いついていくしかないのだ……。
Layoverはコンセプト的にもじっくりNoteを書きたいので無理して公開を急ぐこともないかなと思い、先に色々な意味で物議を醸しているグクの新曲を私なりの視点で語っていきたいと思います。
いるよね、こういう男
ひとまず問題の箇所は置いておいて、私のこの曲の第一印象は「すっごい爽やかで流石の歌唱力だけど……Tinderじゃん!!」
アメリカはTinderを始めとしたマッチングアプリ(デーティングアプリ)が割と市民権を得ている気がします。遊び人だけじゃなくて広く一般的に利用されている印象。もはや世界的な現象なのかもしれないけど。
参考資料 ↓
「そろそろ直接会いたいんだけどまだ早いかな?」とか「結局会ってみないと分からないから早く会いたいんだけどさ!!」という切実な声を聞いたりするので、サビ部分に共感する人は今のご時世、かなり多いかもしれないと思いました。
でもって、Jack Harlow氏パートのようなクズ男に遭遇したという愚痴もまぁまぁ聞いたことあるので、これもまた創作小説を読むような感覚だと初見は面白いと思いました(もちろん思うところはあるので、それは後述)。
特になるほどと思ったのは
日本の感覚で言うと、慶應キャンパスに女の子たちを連れて行って慶大生を装って遊びまくってたみたいなことなんでしょうか? ろくでもねぇ。でも現実にそういう奴らいるもんな。
あと、ここもあまり訳すのは気が進まないですが、自分なりの解釈があるので載せます。
最初は1人目、2人目って意味かなと思ったけど、よく見ると複数なので同時並行4股とも考えられる。でもこういう奴がいるのも残念ながら現実なのだ。
日本人同士での婚活とかもそうですけど、基本「あなたに決めました」という宣言さえしなければ浮気じゃないし、お試しで複数並行が許される期間だからなかなか怖いですよね。特に欧米は I love you は連呼しても「付き合ってください」に相当するイベントがないから、そういう文化の違いからトラブルに発展するケースもよく聞きます。
ここらへんもよく多国籍の人たちで飲んでると話題になるネタ。↓
というわけで、私自身はABG(Asian Baby Girl)の表現も込みで「あー、こういうクズ男いるいる」という目線で聴いてました。特に自分の国ではモテない白人男性がアジアに来て初めてチヤホヤされて舞い上がってしまっている感じが非常に赤裸々に表現されていると思いました。梨泰院や六本木あたりにゴロゴロいそう。つまり強烈な自虐ネタ、現代の恋愛事情の象徴だと考えると、なかなか面白い視点だと思います。でもそれを音楽として繰り返し聴きたいかというと、また別の話なのだ…。
対等じゃない関係
話は一旦変わりますが、以前ジミンのソロ活動の時に、恋愛映画が苦手という話を少しさせていただきました。
大人になって認識を改めましたが、私の中で恋愛とは常に上下関係があるものでした。男か女かを問わず、惚れた方が下。自分に好意を持つ人をモノ扱いする人や、惚れた弱みで相手に何を言われても聞き従う人を見ながら、なんて歪で不健全な関係なんだろうと思う気持ちの方が強かったです。元を辿れば、アイドルを毛嫌いしていたのも恋愛商法のイメージが強かったからだと思います。
一方、私にとって友人は対等なので、恋人よりも友人を大切にするスタンスでした(男友達でも彼氏より上)。今思えばそれも特殊だったのではないかと思いますが、ナムさんの英語教材だったというフレンズでも、それぞれの恋愛事情は割と取っ替え引っ替えで雑なんだけど、男女6人の友情は常に最高位で変わらないんですよね。最終的にはグループ内でもカップルができはするけど、6人がそれぞれを男か女かでなく、1人の人間として接している感じがすごく好きでした。こういうのが人気になったってことはやっぱりそういう価値観の人が結構いるってことなんじゃないかと思ったけど実際どうなんだろう。
とにかく、恋愛ってそんな良いもんじゃないでしょうとずっと思ってて。それなのに世の中に「恋愛って最高だよね!」っていう歌や映画やドラマが溢れてることにずっとモヤモヤしていました。音楽は基本洋楽が好きなんだけど、よくよく歌詞を聞いてみたら「今夜私が欲しいならもっと良い服着てきたら」とか「君のダンスがセクシーすぎてもう君しか目に入らないよ〜」的な内容だったりする。こんなのもう聴きたくないと思うほど毛嫌いもしないけど「底が浅ぇ……」ってしょんぼりすることがよくありました。
でもバンタンの曲を聴くようになってから、一見ラブソングに聞こえたとしても色々な解釈ができるんだということを知りました。愛の詩でも性愛とは限らないんだ、と。LOVE MYSELFのメッセージも心に響いたし、Apple Music のラジオでナムさんが「『Boy in luv』は愛に溺れている (in) 男の歌でした。でも『Boy with luv』は成長して既に愛を持っている状態 (with) 。だから人に何かを求めすぎて苦しんだり苦しめたりするのでなく、与えて幸せにすることができる」というような話をしていたのに心を打たれました。やっぱり私がバンタンを好きな1番の理由はそこにあるんだと思います。
だからまぁ……必要以上に回りくどくなりましたが、ぶっちゃけると Seven と 3D は他の洋楽と同程度に楽しめるけど、私のツボには入らないです。この2つは清々しいほど恋愛(しかも性愛)以外の解釈できないもん…。でもそれに対して怒りが湧いてくる立場でもないです。世の中に多様に実在する恋愛観の一例を切り取っているに過ぎないと思うので。私の好みではない、と言うだけ。
裾野を広げる役目?
先日、もう米コロンビアレコードに行かれた「チームBTS」出身のニコル・キムさんのインタビュー記事で気になる記述を見かけました(全インタビューは下記ポストからご確認ください)。
やっぱりしっかりこういうイメージ戦略があったんだなぁと。結果は大成功でしたよね。小さな子どもたちを含めて全年齢に愛される曲になった。恋愛曲に偏見があった私としてもその判断はすごく有り難い。でも一方で、そこまでメンバーたちに制約を課していいのかという気持ちも起きてきます。
今回の個性豊かなソロ活動を眺めていると「私が好きなバンタンのこの部分はこの人発信だったんだなあ」という発見と共に、それぞれが今までやりたくてもグループに遠慮してできなかった部分も見えてきて興味深い。グクの場合で言えば、ずっとこういうガッツリ大人なものをやってみたかったんだろうな、と。考えてみたら My Timeの時から片鱗は見えてたな。あの程度で物議醸してたあの頃が遠い昔のようだよ…。
これは私の予想だけど、今回のグクのソロ2曲は、ファンダムじゃない人たちにも広く歌声を認知させることを重視してるのかもしれないと思いました。Sevenも3Dも特にこれまでバンタンを毛嫌いしていた系統の人たちの耳に届くような気がする。「今までBTSは良い子ちゃんでいけ好かないと思ってたが、あのジョングクってやつはなかなか歌が上手いな…」ってなる層は出てくるんじゃないかな。それが元からのファンにとって吉と出るか凶と出るかは分からないけど。まぁでも、そこに引っかかった人たちが、最終的にバンタンに好意的になるのであれば、それもありなのかもしれません。
最後に
そういえば、今回の3Dはグクが好んで聞いていた2000年代の音楽がイメージされているという情報を見かけました。だからなんだか懐かしい感じがしたんですね。2000年代といえば私、がっつり大学生をしておりました。……あっ、なんだか余計にJack Harlow氏のパートが合コン三昧で超調子乗ってるチャラい同級生野郎どもを彷彿とさせてイライラしてきたぞ。これも一種のノスタルジー(嫌すぎる)。
私の場合、そういう過去の刷り込みもあって自然にこの曲を「あるあるネタ」として受け入れてしまった気がするけど、23年経ってジェンダーの認識も変わってきてるはずなんだから、やっぱり歌詞の内容まで2000年代のジェンダー観に沿わなくてもよかったんじゃないかなって気がしてきました。
ってか調べたらジョングクって26歳で、ジャックは25歳なの??? えぇぇ〜2000年代の曲が流行ってた時はあなたたち2歳と3歳なの?え〜〜〜〜!!!大人びた発言をするからすっかり忘れてたけど、やっぱりまだまだ若者なんだなぁ。これからどんどん試行錯誤して、真の大人の魅力が見つかっていくと良いですね!
何だかオチがよく分からないことになりましたが、もうここで終わっておきます。
【追加】後日公開されたこの動画でやけに年齢強調してるのが可愛かったので貼っておく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?