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大人になりかけてやめてしまった

 2023年10月13日に岩井俊二監督作品、キリエのうたが公開されるにあたって、YouTubeで岩井俊二監督の作品、10作ほどが公開される!!やったね!!!
 もちろんうづきの1番の目当てはリリイ・シュシュのすべて!ただリリイ・シュシュのすべてがYouTube上にアップされるのは9月後半。観る気満々だったうづきはそれまで待てる訳もなく、最後の砦としていたU-NEXTの無料トライアルでリリイ・シュシュのすべてを観たのでした。3回目くらいだけどな!
 今まで、映画も本も漫画もレビューというものを書いたことがなかったのだけど、初めてそれっぽいものを書くことに決めた。ネタバレがっつりありだからよろしくな!!

予告編↓↓

 リリイ・シュシュのすべては、鬱映画と評されることが多い。それはそう。中学生たちが、いじめ万引き援交リンチレイプ自殺。後半に関しては相当キツい。キャストも豪華。市原隼人、忍成修吾、蒼井優、高橋一生。主人公の市原隼人は当時14歳で、とにかく可愛い。色白で、睫毛が長くて、くりくりのおめめ。それだけで観る価値あるんじゃないか?ってくらい、儚くて美しくて、可愛い。いじめの一環として市原隼人(蓮見)が自慰行為を強制されるシーンがある。まだ細くて、頼りない少年の体。ここが一番キツかったかもしれない。あくまでうづきはね。
 タイトルのリリイ・シュシュというのは、作中に出てくる架空のアーティストの名前。作中ではこのリリイ・シュシュの曲が頻繁に流れる。その曲がまたかなり良い。すごく良い。サブスクで聞けるから聞いてみてほしい。
  リリイ・シュシュのファンの蓮見、そして忍成修吾(星野)。蓮見はリリイ・シュシュのファンサイト(リリフィリア)の管理人、フィリア。そこに書き込みをする星野、青猫。忍成修吾がいいよな。
 星野は中学入学当初は好青年。入学式では答辞を読み、成績もいい。お金持ちで、美人な母親がいる。蓮見が星野の家に泊まりに行った時に、蓮見は美人ママのシャンプーを使用。いいね!かわいいね!星野に向かって、あの人から産まれてきたの?って。かわいいね。蓮見くんかわいすぎゆ。
  楽しい夏休み、蓮見、星野、その他何人かは盗んだお金で沖縄に行く。みんながはしゃぐ中、星野はどこかぼんやりしているというか、暗い。ボートの上で盗んだお金を海にばらまき、笑う。星野は島で2度死にかける。島のガイドのおじさん?に、人間の魂は7つ、お前は2つ失ったからあと5つだ。島に悪いものを持ってきたんじゃないのか。と言われる。なのに、ちょこちょこ図々しいおじさんとして出て来ていた大沢たかおが死ぬ。あっさり。さわやかな星野も死んだのかもね。この夏休みを区切りに、世界はばら色から灰色に。
  夏休みが終わると星野はグレる。親の会社が倒産、家族離散。ここら辺は詳しい描写はないけど、多分そんな感じ。煙草をくゆらせ、同級生に星野さんと呼ばれる存在に。星野に逆らえないみんな。蒼井優(津田)は援交させられて搾取され、蓮見が恋していた久野さんは複数人にレイプされる。津田は援交中、寝てしまったおじさんの財布を盗んできてレストランで豪遊。向かいにちょこんと座った蓮見に向かって、デブになったらさ、仕事(援交)しなくていいかな、とか言う。つらい。久野さんのシーンでは、蓮見は堪えきれず泣いちゃう。久野さんいじめの首謀者のおんなのこが、レイプされる久野さんを見ながら、痛いよ痛いよぉっ、やっば〜。とはしゃぐ。バックで流れるリリイ・シュシュ。このシーンもかなりキツいと思うよ。津田は、久野さん事件の後、蓮見を久野さんは大丈夫、強いひとだからと慰めるけど、津田は強くなかったのかな。鉄塔から飛び降り。くるしい。久野さんはほんとに強かった。搾取されるくらいならと、自ら頭を坊主にして登校。キツい。けど、久野さんのピアノは変わらず美しくドビュッシーを奏でる。
 こんなクソみたいな世界。リリフィリア(蓮見の管理するリリイ・シュシュのファンサイト)で、フィリア(蓮見)は、リリイだけが僕のリアル。と書き込む。そうだよね、現実から逃げたいね。リリイのエーテル。エーテルってなんやねん。エーテルって単語はすげ〜出てくる。よくわかんないけど、まぁなんとなくはわかるかな。そういうもんなんだと思う。そのフィリアの書き込みに応答するように、青猫(星野)も書き込む。フィリアに対して、私も貴方と同じ痛みの中にいるからと。もちろんふたりはお互いのことに気づくわけもない。田園で狂ったように叫ぶ星野。ここもかなりいいシーン。あ゛ーーーーー!!!!って絶叫する星野。どこまでも広がる、田園と空。うづきも叫びたくなる。
 2人はリリイのライブで会う約束をする。目印は青猫の青林檎🍏。いそいそとリリイのライブに訪れる蓮見。列の中で誰かの手の中で弄ばれる青林檎が目に入る。勿論星野。星野も蓮見に気付くが、フィリアだとは勿論思っていない。蓮見の席の方がいいからとチケットを交換するように言い、蓮見にコーラをパシらせる。その時に青林檎を押しつけて誰か話しかけてきたら渡すように言う。青林檎には青猫のメールアドレス。誰かとはフィリア。
 コーラを買った蓮見は列の中の星野を探す。手を挙げる星野🙋。ほっとしたように手を挙げ返す蓮見。だが星野は見せつけるように蓮見のチケットをぐちゃぐちゃに丸め投げ捨てて、会場の中に消えていく。
 ライブが終わっても会場の外に立ちすくむ蓮見。星野が気付き、蓮見が持ったままの青林檎を見て、誰も話しかけてこなかったのかと尋ねる。あたりまえだろ。
 リリイだ!!!リリイがいるぞ!!!!嘘を叫ぶ蓮見の声に反応して押し寄せる人、人。押されながらもいる訳でもないリリイを探す星野。人々に逆行して星野の元に進む蓮見。そして、たぶん、蓮見は星野を。


 なんかあらすじ書いたみたいになっちゃった。とにかくこの映画はキッツイんだけど、そこがいい。たまんね〜ぜ。蒼井優がかわいい。携帯にこれでもかってくらいストラップつけてて、かわいいのだ。蒼井優が呟く、空飛びたい、が刺さる。ほんとに飛んでしまったわけだが。忍成修吾の演技がすごい。新学期の星野の目つきやべえよ。あんな目、普通できないよ。この映画見ると、俳優さんも女優さんもすげ〜ってなる。いや、他の作品もそうだけどさ。観終わった後はぐったりした。このぐったりを求めに行ってんだよな自ら。叫びたいような、泣きたいような、川に飛び込みたいような、空飛びたいような、きもちになる。かなり揺さぶられるので、メンタルに余裕があるとき観るのがいいかもね。うづきみたいに自分を追い込みたいならそれもいい。ドマゾさんたちどうぞ。みんなに観てほしー!そしてうづきに感想教えて!9月後半まで待てない人は、アマプラで400円出してレンタルするか、U-NEXTで観てくだちゃいな。リリイ・シュシュのすべてを観て、うづきは自分の中の破壊衝動みたいなもんになんとなく気付いた。みんなも観たら、きっと気付く。みんなあるでしょ?そして苦しくなる。声が枯れるまで叫びたくなる。ここまでの一連の流れがリリイ・シュシュのすべての楽しみ方なのです。
 でもうづきは14歳じゃないし、大人だから。世界が広いことも知っている。リアルを生きていける。でもきっと、蓮見のように現実から目を逸らし続けるんだろうな。そしてたまに現実に打ちのめされる。
そういう映画です、はい。みーてーねー!!!

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