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演劇が好き

昨年末から急にバタバタと忙しくなって自由時間が減ったのだけど、忙しい中でも舞台は観に行ったりしています。
大学のときに心理学の教授が毎時間おすすめの演劇のチラシを置いていく人でした。舞台に妙に惹かれて、置かれたチラシをもらって小劇場に観に行ったりしていくうちに演劇が好きになりました。子供の時は小学生の6年間ミュージカルのお稽古に通っていて、舞台に立って歌って踊ってお芝居したりもしていました。自分から通いたいと言ったらしいです。全く覚えてないけど・・・。昔からなんとなく舞台芸術に対して憧れがあったんだと思います。

なんでこんなに舞台に惹かれるのかわからないけど、絵をみる元気がないときでも舞台は心が躍ります。
最近は特に歌舞伎が好きで、これもなんでこんなに惹かれてしまうのかわかりません。正直演目によっては何言ってるか全然わからないこともあります。それでもあの豪華絢爛な舞台美術、すぐそばで演奏される和楽器や長唄、幾年もの度重なる稽古でしか得られない歌舞伎を行うための役者の身体を堪能できるの時間は代替がききません。

その中でも特に好きなのが黒衣です。黒装束で役者の衣装の介錯をしたりセットの転換や小道具の出はけをし、舞台上に現れはしますが完全に裏方。
黒衣は明らかにそこにいるのにいないものとして扱われます。観客である私たちも黒衣をいないものとして舞台を観ています。ここに私が舞台に惹かれるものが詰まっていると思いました。
「いるのにいない」黒衣の対極にある演出技法にパントマイムがあります。パントマイムは「ないのにある」ように演技し、観客の想像力を持って完成します。以前見たコメディ作品でパントマイムのシーンがあり、始まった時は何かわからなかったですが役者の意図しているものを理解した瞬間客席がどっと沸いたのでした。大勢の人が各々の想像力によって見えないものを見ることができた瞬間でした。

舞台上では嘘が本当になります。
大人が子供になり、若者が老人になり、ないものが現れあるものが無くなる。劇場だって路地裏だってどこだって舞台になってしまう。
すべてが嘘。目の前で行われているということだけが本当。
その自由さと確かさに惹かれ、救われているのかもしれない、、なんて思ったりしています。

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