あだち充 タッチについて

タッチは三角関係ものだって言われているけれど、初めから二人+一人の話なんだよな…………
南はタッちゃんのお嫁さんにしてもらうことと、カッちゃんに甲子園につれていってもらうことが夢だったのだから 最初から達也と和也は恋愛では同じ土俵にいないんですよ 
お嫁さんにしてもらうという一つの夢を叶えられるのが達也だから、せめてもう一つの甲子園に行くという夢は和也に という話だったのに和也が死んでしまって 達也の独壇場になったっていう話なので…………
達也が本当は和也よりも出来るのに野球をやることを渋っていたのは、和也に南の夢を叶えさせてあげたかったからなんですよね

たしかほぼ時期が被っていた二つのヒット作 『タッチ』『めぞん一刻』ライバルが故人なの、かなり斬新だし攻めていると思う…………

達也、すべてを手に入れることが出来る力を持っているのに、人に譲ってしまう優しすぎるタチの男であった なので和也が死なずにいれば、きっと全部和也に譲ったのだろうな……そういう意味でも、タッチは和也の死によって動き出した物語だといえよう

ヒロインを求めて競い合い奪い合う三角関係ではないんですよ タッチのすごいところは……

あらゆる三角関係もののなかでおれがもっとも好きなあだち充の『タッチ』、ライバルの死を起承転結の 起 に持ってくるのすごくないですか???普通ならどう考えても転でやることじゃないですか……?

タッチが明確には野球漫画ではない、と私が主張するのは、野球はあくまで和也と南の夢を叶えるための手段としてのモチーフだからだ、というところにあります 達也、野球そのものへの執着があまりないように思うんだよね 肝心の甲子園いってからの野球描写はすっぽり省かれて、最後の方の一コマに入っているトロフィーくらいしかもう野球のことは出ないもん それがいいんです…………
甲子園優勝!!!ってシーンを入れるのではなく、盾だけですべてを語る感じが……

そして何より素晴らしいのは、『南を甲子園へつれていく』というのは和也と南の夢であって達也の夢では
ないのですが、甲子園に進んでから優勝するまで は明確に達也の意思である、というところです ここがすごい……

そして、この甲子園に進んでから優勝するまで の描写が極端に、もしかしたら敢えて意図的に 薄い のがまた、達也のキャラクターをよく表しているんですよ………達也、主人公とは思えないくらい自分の意思の弱い性格で、目立とうとしないんです そんな達也の 過程をほぼ描写しなかったのが凄い

達也なら、自分の話をくどくどやらないと思うんですよね 絶対に
和也と南の夢をのせて入った甲子園、そこから先は達也の話だからあえてかいてないんだろうな あだち充すごいな~~~~~~~~~~~~

終わり。
タッチは 超名作なので 皆さん読みましょう。
最後にわたしが中学生のときに作っていたタッチノートを添えて


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