見出し画像

これから自殺をしようと思っている君へ

 こんな場末の文章を見つけ出した君は、もしかしたら今、とても追い詰められているのかもしれない。辛いだろう。苦しいだろう。悲しいだろう。そんな状態の君に頼むのは申し訳ないのだが、少しだけ君の貴重な時間をこの文章に分けて欲しいと思う。大して時間はかからない。だからどうかよろしく頼む。

どんな自殺方法も苦しい

 君がどんな方法を考えているかは知らないが、そのまま実行すればほぼ確実に、君はその方法によってとてもとても苦しむことになる。楽には死なせてくれない。楽に死ねると巷で噂の方法も所詮は机上の空論だ。そう話す人が実際に死に至った訳じゃない。君が今やろうとしていることは人一人の命を絶つ行為だ。想像して欲しい。他人の命ですら簡単に絶つことは難しい。ましてや自分の命をだ。恐怖が伴う。躊躇が伴う。しかも必ず成功するとも限らない。心とは裏腹、体は生きようとしているのだから。だから私はおすすめしない。本当に苦しいことを私は知っているし、本当に悔いることになることを知っている。

もう一度考え直す機会を

 君を追い詰めているもののことを私は知らない。だが、そこから逃げ出すことは出来るんじゃないかと思う。逃げ出した後どうするか。そんな難しいことは逃げ出した後に考えればいい。少なくとも君は今、すごく視野が狭くなっている。考えもうまくまとまらず良いアイデアも浮かばないと思う。君が今、正しいと思っていることは案外見当違いかもしれない。もちろん正しいかもしれないが、もっと落ち着けば考えを見直すことも出来る。ここで命を絶ってしまえば一時の気の迷いのために間違ったままかもしれない。私の場合は、あの時の判断は間違っていたとはっきり言えるから。

意外と君を支えてくれるものが世の中にはある

 君は知らないかもしれないけれど、世の中には君を支えてくれるものは案外沢山ある。家族親戚にそのことは話したかい? 家族親戚が頼りにならないなら昔の友人はどうだ? 医者や役所に頼るのもいい。君を助けてくれるかもしれない。君がまだ彼らの助けを借りていないのなら是非おすすめする。だからまだ希望は残されている。絶望するのは早いと思う。

 自殺はするな、
と言うのは簡単なことだと思う。だけど敢えて言う。
 自殺はするな。

ありがとう。

 この文章を読んでくれて、そして時間をありがとう。
 この文章を読んでくれたのだから君は立派な私の読者。君と私は繋がった。そんな読者が命を絶つのは、例え顔も素性も何もかも知らなくても、本当に身勝手だと思うけれど、私はとても悲しく思う。
 君が少しでも思い直してくれたら嬉しく思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?