ビジネス・アーティストのススメ

 僕は営業、企画、エージェント、デザイン、司会など色々やりますが、それは「ビジネス・アーティストとしての日々の業務のうちの1つ」と捉えています。

※「ビジネス・アーティスト」とは、ビジネスのことをしっかりできるアーティストのこととして書いています。


 そうしている理由はいくつかあって、僕の性格も大きく関係しています。

 まず、僕は飽きっぽくて、一つのことをずっとやり続けることが苦手です。

あちこちに顔を出していると「あれ、あっちのこともやらなきゃいけないな」と自然と焦りが出て、用事はしっかりとこなしながらも、早く帰宅するようになりました。

もちろん、それぞれに興味があるから顔を出すわけで、そこで得た発見や学びは、自分の作品作りに影響を与え、結果として「同じものを作っている」のに「違う感性が常に取り込まれる」モノ作りができているような気がします。

 次に、僕は好きなことばかりやっていると自堕落な生活になりがち(実際の経験上そうなった)です。

アーティストは音楽や絵を創作するのに数ヶ月かかるんですね。
その数ヶ月は、一昔前に比べると恐ろしいほどのスピードで変化していきます。

焦ります。

そして、ストレスでよく分からないものを作ってしまったり、逃げの欲が勝ってしまって、突然遠くの方へ出かけたり、豪華な料理を食べてしまったり、よくわからないモードになった挙句、何も解決しないまま戻ってきてシクシク作業を再開することになります。

ヨクナイヨネ。

ということで、自分に合った活動スタイルとして現在のようなビジネス・アーティストをやっているわけです。

 最後に、仕事をなめていた反省があります。

アーティストは特殊能力的にあっさりと世間の常識を超えた仕事ができることがあります。

社長さんや外国の方とも普通にお仕事をしますし、いただいた役割に職名をつけると「プランナー」「営業」「司会」など、肩書きも立派に見えるようにできます。

そうして「お互い困った時は助け合いましょう」「何かあったら声かけてください」なんて言っていました。

それがどれほどの思い上がりだったかを、会社を作ってから猛省しました。

優しい経営者の方々から「紙切れ一つで会社なんてできる」「個人事業主も社長」とか言われてその気になっていたのが恥ずかしいくらい、組織マネジメントと仕事の安定した収益化は難しいし、何より、覚悟がまったく違う世界で生きています。

自分もそこに足を踏み入れて2年ちょっとですが、なるほど、そういうことかと思うことの連続で、自分と組織の成長にワクワクし始めています。


 ビジネス・アーティストを標榜する僕の理念として、基本的なアーティストとしての稼働量は、いわゆる一般的なアーティストと同じレベルでやった上で「他の仕事」もやることを心がけています。

歌にはコンセプトに合ったタイアップを付けにいきますし、ライブも月に1本以上はやっています。

もちろん、クラブイベントやライブイベントも良いですが、僕の音楽は「ライフ・ミュージック」つまり人生や日常を歌う音楽なので、基本的には公共の場で報酬をいただいて行うライブや、企業や社会プロジェクトのための作品提供がほとんどです。

「報酬」には文字通りの「お金」もあれば「仕事のご縁」もあり、波はありますが年間平均にすると、毎月食っていくにはなんとか足りるくらいはいただけています。

ただ、こういった活動をするよりも、クラブやライブハウスやストリートで活動する姿のほうが「音楽活動っぽい」と思われるようで、一般の方をはじめ、同業者にも最近はセミリタイアのような目で見られているので、そこは強く否定させていただきます。

わたくし、音楽で食ってますよ。


 とはいえ、日本アーティスト協会という会社を立ち上げて、今までのスタイル+会社経営という活動をすることになってからは、生活のバランスがガッツリ崩れました。

冗談抜きで、久しぶりに派遣でお仕事をして生活を立て直さないと破産する寸前。
それくらい攻めて今に至っているので、会社への愛着もひとしおです。

でも、それくらいクレイジーに攻める気持ちがなければ、何もなし得ないことは自分が一番よく知っているので、「まあ今回はギリセーフっしょ」くらいに思っていますし、何より精神的に追い詰められたことで、会社の仲間にも自分の人間っぽい部分を垣間見てもらえてよかったような気もしています。

数年後はもっとドシっと構えていられるように頑張ります。


 さて、「日々の業務」で出会った方の中には、僕がアーティストであることを知らない方もいらっしゃいますが、僕にとって「どの顔でつながっているか」よりも「良い仕事相手として関係を築くこと」が重要なので、こだわりはありません。

「良い仕事相手」であれば、プライベートや、その他の仕事のことにかならず話が及ぶので、自然と僕の「アーティストとしての良さ」を伝える機会もあるし、その理解度も高いです。

 まれに、その現場に来ておきながら、共演者や主催者のことを調べていない人に遭遇し、最後まで会話もないまま終わることがあります。

SNSの情報はこまめにアップできていても、そういうことをできない人は、はたから見るととても残念に見えます。

営業マンは、HPやSNSなどで訪問先や市場の情報を把握し、何が刺さるかを分析して、事前に資料などの武器を準備をして、商談に挑みます。

利益のためでもあり、騙されたり、判断ミスをしないためにも必要なことだと思います。

だから、僕は「僕が何者であるかはどうでもいい」としておきながらも、ビジネスにおいてはそこがマナーや信頼のボーダーでもあると捉えていて、「僕が何者であるか、その価値を分かっている人としか、きちんとした仕事はしない」というスタンスを取っています。

ボランティアは別です。

矢沢永吉さんの言葉に「オレはいいけど、YAZAWAがなんて言うかな?」というのがありますが、そんな感じです。

 「日々の業務」と「良い仕事相手」。

これを持つビジネス・アーティストは、これからもっと活躍の場が増えていくと思っています。(期待を込めて)


最後に参考に有名な記事をどうぞ。

矢沢永吉「音楽を書きながら経営者になるアーティストがいないんなら、オレが最初になってやるよ。」http://lrandcom.com/the_beatles_strategy

★ガリバー宇田川HP★

https://udagulliver.themedia.jp/

★レッスン生募集中★

「ガリバー宇田川のボーカルコーチング」を個別で行っています。

詳細はこちらを御覧ください。

遠方の方も、SkypeやLINEビデオ通話などで対応可能です。

https://udagulliver.themedia.jp/pages/833524/menu

投げ銭を頂けると一層活動のモチベーションが上がります! 音楽や文筆の創作資金としてご支援をお願いいたします★