自分でやったほうが早い病"後"はスーパー人材

自分でやったほうが早いと思ってアレコレ抱えてしまううちに、パフォーマンスが低下してしまう「自分でやったほうが早い病」。

僕も羅患して久しいのですが、うまい付き合い方ができるようになってきました。
個人主義になりつつある時代背景もあるかもしれません。


この病の特徴をあげてみます。

まず、チームマネジメントにおいては、チームをダメにしがちです。

上司や会社は、やってくれる人に任せる方が楽なので、ドンドン任せます。

この病にかかっている人は、「できる」「やれる」「気合い」が口癖で、人の仕事を無意識に奪ってしまうことに気づかず、抱える仕事量が増えることで心身ともにパフォーマンスが低下します。

そしてボロボロになって孤独感すら感じ始める頃に、「周りは理解してくれない」「上司や組織はフォローしてくれない」と嘆きます。

周りからすると「意識高い系」とか「バリキャリ」とか言われますが、本人に自覚はありません。

その現場や環境で必要とされる仕事の量と質を見誤って、能力の発揮の仕方を間違えてしまうと、こういうことになりがちです。

軽自動車を走らせればいいのに、「いや、エンジンで最強といえばF-1のでしょ!」と言うような物です。

色々アレですよね。


とはいえ、この病は、個人事業主やフリーランスにとっては、一度かかっておくと良いかもしれません。

抗体ができるようなもので。

というのも、チームにおいては役割分担を正しく行って、「適正なサイズの歯車を適切な速度で回すこと」が成果につながりますが、個人事業主やフリーランスは、「全体の仕組みを把握し、歯車を作り、全体のバランスを調整する」ことを繰り返しできる力が必要なのです。

フリーランスで特化したことをやろうとするとき、まず「誰かがやってくれること」があるからこそできるのだ、ということを痛感することになります。

それが何なのか、なぜ必要なのか、どんな能力と成果が必要なのか、把握する必要があります。

あるチームの仕事の一部で成果を出せる人材だからといって、その部分だけ抜き出してフリーランスで成功するかというと、そうではないということです。


「自分がやったほうが早い病」の人の場合は、そもそも人に任せることが苦手です。

「そのくらいできるっしょ」「やれば何でもできるっしょ」「自分のセンスの方がいいっしょ」なマインドに侵されていますから、とにかく何でもやりたがり、知りたがります。

これはプロジェクトを進める上で実は好都合なことで、全体像が見えて、管理ができて、責任も持てる人材は貴重なのです。

しかも、一度痛い目を見ている場合、危機察知能力と「これは誰かに任せた方が良い」センサーも搭載していますから、適度に外注やパートナーを駆使する能力もあります。

しかも、自らがプレーヤーであるわけですから、ワンストップで仕事を頼む相手としては重宝されます。


そもそも独立して活動するということは、「固定給をもらって当然」という考えではなく「いくらの利益を出すのだから、いくらもらう」という勘定で動くことが、ベースです。

「固定給が当然=甘い」とは思いませんが、自分の一挙手一投足すべてが収入に直撃する感覚を実感することは、この時代を生きていく上で必要なことだと思います。

個人事業やフリーランスの人は今、劇的に増えています。

当事者だけでなく、組織人にもぜひその感覚を持ってもらえたらと思います。


そんなわけで、一度地獄を味わった「自分でやったほうが早い病」の人は、フリーランスではいい人材になるのでは、というお話でした。

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