サンプリングソース100選 ◯ ブレイクビーツ A to Z
17年前に出会ったこの本によって、音楽への価値観が180度変わりました。
人生を変えた「レア・グルーブ」との最初の出会い
この本を購入したのはMURO、DJ Masterkey、DJ MISSIEのインタビューを読みたかったのがきっかけでした。
当時、自分好みのトラックは(ほぼ)サンプリングだったのですが、もちろん概念など知る由もなくスルーしていました。
掘るようになり、このディスクガイドを片手に数年かけて9割くらいはコレクションしました。残念ながら今は手元にありませんが・・・
1人でも多くの人にサンプリング・ミュージックの素晴らしさ、楽曲としての素晴らしさを体感して欲しい!そんな想いを込めて100枚をまとめます。
dazzlin'でこの100曲をセレクト&コメントした方に感謝を言いたいですが、作者の情報がないので残念。編集部の方なのかな。絶版のため入手困難な1冊です。
それでは、いってみましょ!
ネタを求めて、西から東。ある者はカジキマグロを釣りに南太平洋上へ。また、ある者は燕の巣を求め険しい崖へ。危険を冒してでも、あの極上ネタを得たい・・・
だって、1度あの味を知ったらやめられる訳ねーよ!「DJ GEAR GUIDE」がお薦めするネタ100枚。是非御賞味あれ!
ボリュームが多いため、分割リリースします。更新情報は@ucrcdsでキャッチアップして頂けると嬉しいです。
アーティスト:James Brown(ジェームス・ブラウン)
タイトル:In The Jungle Groove
レーベル:Polydor
年代:1986
最初は究極の定番アイテムから。ダンクの帝王ジェームス・ブラウンが残した70年代初頭の音源を中心にコンパイルした本作。86年にリリースされた作品が、現在でも重宝がられている理由は、選曲の良さをさることながらオリジナルに施されたリミックス&ロングエディットの素晴らしさ。オリジナル以上に使える1枚。
アーティスト:V.A
タイトル:ULTIMATE BREAKS & BEATS Vol 1〜25
レーベル:Street Beat
リリース:1986(Vol 1)
ヒップホップ好きなら、DJでもトラックメイカーでもこのシリーズだけは揃えておきたい名作。ネタとなるブレイクビーツや上モノがソウルやファンクからだけではなくてジャズやロック、カントリーやワールドミュージック(!)まで、幅広いジャンルからチョイスされている事に驚く一枚。正にアルティメイト(究極)なシリーズ
アーティスト:The Meters(ミーターズ)
タイトル:Struttin
レーベル:Josie
プロデューサー:Allen R. Toussaint、Marshall E. Sehorn
リリース:1970
ニューオリンズ・ファンク雄、ミーターズの初期音源(特にジョージレーベルからリリースされた3作品)は、必須アイテム。アラントゥーサンプロデュースの元、ゴツゴツしたビート、ぶっといベースライン、ファンキーなヴォーカルの掛け合いやハンドクラップが、騒然一体となって生み出す黒いグルーヴは正に圧巻。
アーティスト:Kool & The Gang(クール・アンド・ザ・ギャング)
タイトル:Live at P.J.'s
レーベル:De-Lite
プロデューサー:Gene Redd Jr.
リリース:1971
初期クール&ザ・ギャング作品は、どのアルバムにもとびっきりのファンキーソウルが収録されているので、ネタ的重要作品。中でも本ライブアルバムのみに収録されている『N T(No Title)』は、オールドスクール期から愛されるブレイク入りのブレイク入りのパーカッションチューン。ギャングスターネタで有名な『Dujil』のライヴヴージョンも良し。
アーティスト:The Fatback Band(ファット・バック・バンド)
タイトル:People Music
レーベル:Perception
リリース:1973
クール&ザ・ギャングと同じく70年代初頭のストリート・ファンク・バンドの中で、一歩抜きん出たブラックネスを醸し出していたのが彼等のパーセプション期3部作。本作は、ロード・フィネスが使用した『Kiba』収録のセカンドアルバム。『Nija Talk』や『To Be With You』を始めたとするレア・グルーヴ系パーティチューンも要チェック。
アーティスト:Incredible Bongo Band(インクレディブル・ボンゴ・バンド)
タイトル:Bongo Rock
レーベル:Pride
リリース:1973
ブレイクダンサーにもお馴染みのパーティーブレイクス『Apache』を収録したオールドスクールクラシックス。カヴァー曲が多く、ロックテイストも強い本作だが、ここまで多彩なパターンのパーカッションブレイクが入っているのはちょっと他に無いかも。続くセカンドアルバムもブレイク満載なのでお見逃し無きそうに。
アーティスト:Herman Kelly & Life(ハーマン・ケリー・アンド・ライフ)
タイトル:Percussion Explosion!
レーベル:ELECTRIC CAT
リリース:1978
ボンゴ・バンド同様、パーカッションブレイク物で外せないのが本作。リリース当初からディスコヒットナンバーを狙った作品なので、全曲がゴキゲンなダンスナンバー!クラシックスとして名高い『Dance To The Drummer's Beat』の尋常じゃないテンションの高さは、異様とも思えてくる壮絶な熱演。
アーティスト:The Soul Searchers(ソウル・サーチャーズ)
タイトル:Salt Of The Earth
レーベル:Sussex
リリース:1974
ストリートビーツにも収録されているブレイクビーツクラシックス『Ashely's Roachclip』を収録した本作。本作がリリースされているサセックスレーベルからは、デニス・コーフィーやウィリー・ボボのラテンファンク作品等のネタ盤が数多く残されているので要チェック。本作はレア・グルーヴとしてもイケる一枚。
アーティスト:The JB'S
タイトル:Food For Thought
レーベル:People
リリース:1972
ジェームス・ブラウンのバックバンドと簡単に片付けてしまうなかれ!彼らのリーダー作品は、JBのバックに徹して演奏している時は以上にタイト&ソリッドなファンクビートを刻んでいて文句なしにカッコ良いっす。本作はJBが設立したピープルレーベルからリリースされたファーストアルバム。『The Grunt』を聴くべし。
アーティスト:The JB'S
タイトル:Doing It Death
レーベル:People
リリース:1973
彼らのセカンドアルバム。ファーストアルバムと同じく、タイトで正確無比のクールなグルーヴを刻むリズムセッションと、メイシオを筆頭とするファンキーなホーンセクションが混然一体となって作り出すグルーヴに舌を巻く本作。御体JBもラップみたいなヴォーカルスタイルで参加していて、作品に彩りを添えている。
アーティスト:Fred Wesley & The JB'S(フレッド・ウェズリー & ジェービーズ)
タイトル:Damn Right I Am
レーベル:People
リリース:1974
彼らのサードアルバム。ジェームス・ブラウンが2枚組でリリースした大作『The Payback』(これもネタ盤)と同セッションで制作された本作には、古典的ナンバー『Blow Your Head』が収録されている。
ここまで紹介したJB'Sの初期3作品は、ヒップホップファンにとって踏み絵の様な絶対ハズせない基本アイテム。
アーティスト:Tyrone Thomas & The Whole Darn Family(タイロン・トーマス・アンド・ザ・ホール・ダーン・ファミリー)
タイトル:Has Arrived
レーベル:Soul International Records
リリース:1976
オールドスクール期から頻繁にDJプレイ&サンプリングされている傑作ファンクナンバー『Seven Minutes Of Funk』を収録した彼らのファーストアルバム。エフェクト処理されたスペイシーなパーカッションの音色と、ファットなベースラインが最高に気持ち良くて、トリップしてしまう様な幻想的ファンクチューン。
アーティスト:The 9th Creation(ナインス・クリエイション)
タイトル:Bubble Gum
レーベル:Ritetrack
リリース:1975
アーティファクツ『Wrong Side Of The Track』ネタとして知られるブレイクビーツナンバー『Bubble Gum』がヒップホップヘッズにお馴染みのメロウチューンまでクォリティー高い一枚。アルバム未収録のシングル音源もカッコ良いので要チェキ。
アーティスト:HeadHunters(ヘッド・ハンターズ)
タイトル:God Made Me Funky
レーベル:Arista
リリース:1975
ジャズの世界では有名なピアニスト、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)が70年代に推し進めたエレクトリックジャズの世界で、一躍有名になったヘッドハンターズ。ビートがそのままヒップホップしている『God Made Me Funky』他、収録されている6曲全てがネタになっている程のトラックメーカーには有名な定番。
アーティスト:The Jimmy Castor Bunch(ジミー・キャスター・バンチ)
タイトル:It's Just Begun
レーベル:RCA
リリース:1972
本作もオールドスクールの頃から頻繁にプレイされている定番。ブレイクダンサーにも人気の高いタイトル曲『It's Just Begun』は、一聴しただけでファンク好きなら血が騒いで踊らずにはいらればいテンション高いファンクチューン。勿論、ネタとしてもジャングル・ブラザーズ(Jungle Brothers)他、古くからのヘビーローテーション作品。
アーティスト:The Beginning OF The End(ビギニング・オブ・ジ・エンド)
タイトル:Funky Nassau
レーベル:Alston
リリース:1971
バハマ出身のワン・ヒット・ワンダー(要は一発屋ってコト)グループ、ビギンニング・オブ・ジ・エンドのファーストアルバムは、ブレイクビーツ収録の『Funky Nassau Pt 2』、ピート・ロック & CL スムース『T.R.O.Y』ネタの『When She Made Me Promise』を収録。続くセカンドは、よりメロウなプロダクションでこれも人気。
アーティスト:The Watts 103rd Street Rhythm Band(チャールズ・ライト&ワッツ・103rd・ストリート・リズム・バンド)
タイトル:Express Yourself
レーベル:Wanner
リリース:1969
レア・グルーヴシーンで有名になった『Express Yourself』を始め、彼等の楽曲はどれも西海岸出身らいしい乾いたリズムセクションと、ヴォーカルのチャールズ・ライトのハスキーな歌声がかわいくて大人気。トラックメーカー的には、彼等の作品でドラムを叩くジェームス・ギャドソンの妙技も要チェック。
アーティスト:Donald Byrd(ドナルド・バード)
タイトル:Palces And Sapces
レーベル:Blue Note
リリース:1975
彼の70年代にリリースされたブルーノート作品は、ほとんどのアルバムにネタが使われていると言っても過言ではない程、みなに愛されている作品。中でも、最高傑作は本作で異論ないでしょう。ジャケ素晴らしいが、中身は更にクォリテ高い一枚。本作の様な作品こそ、捨て曲なしと断言するに相応しい一枚。
アーティスト:Bobbi Humphrey(ボビー・ハンフリー)
タイトル:Blacks And Blues
レーベル:Bule Note
リリース:1973
前述のDonald Byrd(ドナルド・バード)同様、70年代リリースされたBlue Note(ブルーノート)作品の傑作。これら2作品はともにLarry Mizell & Fonce Mizell(ラリー&フォンス・ミゼル)という伝説的なプロデュースチーム(Sky High Productions)が手掛けた作品で、アーティストこそ違えど、彼等が手掛けたサウンドプロダクション物は、総じて素晴らしい。このプロデューサー名は覚えておくように。
アーティスト:FoSter Sylvers(フォスター・シルバーズ)
タイトル:FoSter Sylvers
レーベル:Pride
プロデューサー:Jerry Peters、Keg Johnson
リリース:1973
ネタにも頻繁に使われているのが、本作収録の『Misdemeanor』だが、この曲がヒップホップファンにとってお馴染みの曲になったのはビズ・マーキー(Biz Markie)がミックステープでこの曲をトリックプレイしていた頃から。ジャクソン・ファイブ(The Jackson 5)の対抗馬として世に出たキッズソウル作品の中でも極上の出来映え。他作品も必聴。
◯最終更新日:2019/1/17 、残り82枚アップ準備中・・・・
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