大阪市をウォッチしよう!! 02 陳情書提出と市議会委員会傍聴
前回は「なぜ大阪市議会の傍聴を続けるのか」と題し、5月18日・19日14時から開催された本会議について紹介した。それに続いて30日13時からの都市経済委員会を傍聴した。陳情書の審査が行われるからだ。陳情は市民の声を議会に届ける手段だ。
大阪市議会には6つの常任委員会が設置され、その担当分野は次のようである。
・財政総務―副首都化、ICT、人事、選挙、広聴・広報、予算、市税、契約など
・教育こども―教育、子育てなど
・民生保健―福祉、医療、保健など
・都市経済―観光、文化、スポーツ、交通、産業、起業支援、IR誘致、都市計画など
・市政改革―市政改革、防災、市民生活、消防、雇用・就労、住宅施策など
・建設港湾―環境、ごみ、道路、河川、下水道、公園、港湾、水道など
選挙後初めての委員会であり、委員の挨拶があったが、大阪維新の会の若い議員らがずらりと。3月までの委員会とは違った雰囲気であった。委員会は付託案件の審査後、陳情書の審査に移った。陳情第29号、大阪IRカジノの「双方向の対話の場」と速やかな情報公開を求める陳情書は、私が15日に議会事務局に持参して提出したものだ。坂本IR推進局長が陳情書に対して、市民理解に努めてきたなどと理解に苦しむ見解を表明したあと、4人の委員による質疑に移った。
なかでも自民・市民クラブの前田委員の質疑は、私の陳情書の内容にも即したものであった。国の審査委員会の大阪IR認定にあたっての7つの条件のなかで、地域との双方向の対話を求めているが、どのような対応を考えているか。反対意見も含めて、一方向ではなく、双方向の意見交換の場が必要であると。これに対し、IR推進局の谷岡参事は、IR理解のためのセミナーなどを開催していくと回答。一方的なセミナーなどで、双方向の対話ができるとは考えられない。
質疑のあと採決に移り、維新と公明の委員は「引き続き審査」、自民など2人の委員は「賛成」であった。「引き続き審査」といっても、事実上「反対」に等しいもので、腹が立ち声を上げそうになった。維新と公明は、大阪IRカジノ誘致について、市民が要望する双方向の対話まで反対したのである。
市役所から足早に大阪地裁に向かった。15時から大法廷で「夢洲IRカジノ差し止め住民訴訟」の公判が行われるからだ。原告席と傍聴席は、これまでと違って満席だった。今回から裁判所の意向で、「カジノ用地賃貸契約差し止め訴訟」と合同訴訟になったことによる。4月3日提訴の後行訴訟の意見陳述が、原告と弁護士から行われた。
公判に続いて、弁護士会館で「報告集会」があった。大きな会場に大勢の人が集まり、弁護士らの説明に耳を傾けた。思い切って私も発言した。裁判の前に大阪市議会を傍聴して、IRカジノ誘致に対する陳情書審査、事実上の否決について報告した。
夢洲IR差し止め住民訴訟についても、またお話ししたい。