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放浪No.26 違いを吸収していく

市街地を抜け、山道に差し掛かる国道をひたすらに進み続ける。
見渡す限り、草木の生い茂る山々と轟音を唸らせながら走り抜けていく大型トラックや乗用車。
信号のない山間の国道だけあって車のスピードは速く、その車道を走る自転車にとっては恐怖を覚える。
あたりも暗くなってきたことだし、車1台分は優にある歩道を使って北上することにした。
緩やかな上り坂を終え、少し下ったかと思うと…激しい勾配の上り坂に変わるという、読めないリズムに体力を消耗させていくが、広い歩道を走れたおかげで精神的には少し余裕を持てた気がする。
チラホラと建物の明かりが見えてきて、ようやくコンビニが顔を出したところで一旦休憩を取ることにした。

煙草に火をつけ、ナビを見ながら残りの経路を確認する。
立ち寄りをせずに向かえば、20時頃には繁華街手前のインターネットカフェに到着できそうな感覚とナビが示す距離。
煙草を吸い終え、ぬるくなった麦茶を飲み干し、疲れた足を奮い立たせて自転車に跨った。

国道をこぎ進めていくうちに、大きな商業施設、大きな病院等、広い間隔で点在していることに今までの景色とはまた違う印象を受ける。
景色の変化とともに、繁華街へと近づいてることを感じながら目的地まで進み続けていった。
インターネットカフェまでの間にどれだけのスーパーやコンビニ、ドラッグストア等があるかを見ながら走ることも習慣付いている。
要所を確認しながらインターネットカフェに辿り着き、手続きを済ませてブースへ荷物を置いて一息つく。

先ほど確認したスーパーへ夕食の買い出しに向かいながら、軽く周辺の景色を楽しんでみようと、残りの体力を振り絞ってインターネットカフェを出て自転車に飛び乗る。

このラーメン屋さん、こっちに来てからよく見かけるな。
あのお店って、こっちにもチェーン展開してるんだ。
このドラッグストアは名前だけあって、地域密着の店舗なのかな?

なんてことを考えながら、大型商業施設のスーパーへ到着。
タイミング良くお弁当やお惣菜が半額のオンパレードになっていたおかげでビールが美味しく飲めそうだ。
あれこれと目移りしながらも、無意識にバランスを考えながら夕食とおつまみを買い、インターネットカフェへと戻る。

パソコンで周辺の情報収集、これからの経路や天気を調べながら、お惣菜をつまみビールを堪能する。
お惣菜をたいらげ、ビールを飲み終えたあたりで急激な睡魔に飲み込まれて泥のように眠った。

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