見出し画像

放浪No.18 6年ぶりの再会

公園をあとにした俺は、かつて生活圏内と言っても過言ではない馴染みのある道や風景を眺めながら進んだ。
ゆったりとしたペースで自転車をこぎ、通り過ぎていく街並みに思い出を蘇らせながら、次なる目的地を目指す。
1時間ほど進んだところで大きな橋を越え、いよいよかつての拠点へ足を踏み入れる。
駅周辺を見回しながら今でも商売を続けている店舗や、一軒家があった場所が更地になっていたり、スーパーが建て替えられていたりと、変わっていないようで変化のある街並みを眺めていた。

思い出のある街を堪能したところで目的の場所へと到着し、意を決してお店の扉をあける。
かつてお世話になった方の飲んでいる姿を確認できたので、ほっと一安心しながらお店の奥へと入っていく。
最初は誰だ?と記憶の答え合わせをしているような顔つきだったが、やがて「おお久しぶりじゃん、元気してたの?」と思い出してくれた。
ビールで乾杯をしながら今の状況を説明したり、当時の話に盛り上がったりと楽しい夜を過ごすことができた。
この方とは別にもう一人の方ともお会いしたかったのだが、忙しそうにされてると話の流れで聞いたので、また別の機会に。
お酒を飲みながら話し込んでいると、いつの間にか深夜を越えていたので、また会える日を楽しみにしてますと伝えてインターネットカフェへと向かう。
久々の再会と言うことで割と酒がすすんだので、ブースへ入った途端に記憶をなくしていた。

ふと目が覚めるとお昼を過ぎていたので身支度を済ませて足早に出発し、のんびりとしたスピードで自転車をこぎ進め、コンビニを目指す。
コンビニでコーヒーを買って一服しながら、Googleマップを片手に寝ぼけ気味の頭でルートを考える。
途中までは土地勘のある地域なので、ある程度の場所まではマップを頼ることなく進もうと決め、吸い終えた煙草を灰皿へ入れてコンビニを後にする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?