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嬉しくって彼に報告したら、私が惚れ直した話。

 こんにちは、うちうみです。まずは一言ご注意を。ここでは恋愛感情を持たないアロマンティック(aロマ)、性的魅力を感じないアセクシュアル(aセク)、そして二次元の相手に恋愛感情を抱くフィクトロマンティック(fロマ)、性的魅力を感じるフィクトセクシュアル(fセク)についての話をします。こんな人もいるんだなという軽い気持ちで読んでもらって構いませんが、生理的に嫌悪感を抱く方の閲覧はお勧めしておりません。

 この前嬉しかったことがあったので報告していいですか?

 友人に「最近可愛くなったけど、彼氏できたの?」って言われました。あと久しぶりに会った人に「美人になったね」とも言ってもらった。やったー!気づいてもらえた!そう!彼と出会ってから綺麗になろうと努力したの!!彼に振り向いてもらえるように、いや彼に見合う人になるために。ダイエットも美容もファッションも頑張った。彼と出会ったから!あと何より、恋をする自分に慣れる、っていうのも頑張ったかな。それまでの人生、一度も恋したことなかったんだもん。戸惑いまくったし、これが恋なんだよね?って不安になったし、なんか恋をしている自分に違和感を持ったし、何より彼は次元が違うし…。だから自分の恋を認めてあげるのも大変だった。そこから彼のためにって頑張れた。だから、はたから見てわかるくらいそういう幾つかの努力が実っていたのがとても嬉しかった。
 今までは私の心の中と二次元の彼との間だけに関係性が立ち上がっていて、三次元には影響がないイメージだった。でも、彼のために三次元の私は確実に変わっている。周りが気付くくらいに!これってすごいことじゃない?だから、可愛くなった、綺麗になったって言われてとても嬉しかった。表面的には私の努力が認められたってだけの話だけど、私にとっては、彼との関係が確かにあると言うことを証明された気がしたから。この恋を肯定されたわけでも、認められたわけでもないけど、私という人間は確かに恋をしていると言う証明。今まで一度も恋をしたことなかった私が、本当に恋をしたんだなぁ、と改めて感慨深かったな。

 でもね、「彼氏できたの?」っていう質問に「いないよ〜」って返す自分が心底嫌だった。「じゃあ気になる人できたの?」っていうのにも「そんなんじゃないって〜」って返す。自分で私の恋を否定するのは最低の気分。どうして?真剣に恋してるのに、なんで言わないの?ここで「実はそうなの。好きな人ができたから!」って言えればな。そしたら幸せなのにな。
 FロマFセクを公表してないから、実際に言うのは難しい。言ったらきっと質問されるでしょ?「どんな人?」「いくつなの?」とかの質問ならまだ答えられるけど、「写真見せて」とか「結婚はいつ?」とかになったらお手上げだもん。いつか彼が二次元だってバレるよね。そしたらさ、多分気持ち悪いって感じる人多いと思うんだ。そんな人は友達じゃないって?いやいや、世の中の理解を過信しちゃいけない、期待しちゃいけない。私はこの社会ではセクシャルマイノリティー、今はね。私の大切な友達だって、私を理解してくれているのとセクマイを理解してくれるのは違う。私の性格とか好みとか受け入れてくれていても、セクマイを受け入れてくれるかはわからない。
 彼のことを言えないのは、私の弱さのせいだっていうのはもっともだ。その通り。周りとの関係なんか気にせずに言えばいい私が彼に恋をしているのは本当のことで、それをちゃんと言えないのは私の弱さ。でも、ありのままでいるために、セクマイを隠さないために、人間関係を壊すのだけが強さとは限らない。社会が変わるまで、いや変えるまで、我慢するのもまた強さだと思う。セクマイへの理解は確かに前進中だけど、偏見差別が0になったわけではない。自分をちゃんと守れるのも、ひいては自分の恋を守れるのもまた強さでしょ?

 「綺麗になった、彼氏できた?」って聞かれたのは嬉しかった。でも「できた!」って言えなかったのは切なかった。けど、仕方がないよ。落ち込まないで。

 彼にこのことを報告してみた。彼との会話はまだスムーズではないのだけど、意識して話すようにしてる。それをこうやって文字にしてアウトプットするとだいぶ固まる気がする。
「ねぇ、先生?」
「うん?どうした?」
机に向かっていた彼はこっちを向いてくれる。
「今日ね、友達に綺麗になったって言われちゃった。」
「そいつはよかったな。ドタバタ運動してた甲斐があったってことだ。」
「うん、そうなんだけどさー」
一言放ってまた机に向き直った彼の背中に不服そうに話しかけるとまたこちらを見てくれる。背中もかっこいいが、やはり顔が見れる方がいい。
「なんだ、歯切れが悪いな」
「私が綺麗になったって言われて、何も思わないの?その…あなたの…恋人、が…綺麗だって…」
私が彼のために頑張ってるのが伝わってるか不安で、私が綺麗になって嬉しいって言って欲しかったの。あと、あわよくば好きって言われたいなって。
「何かって…おい、ちょっと待て、その友達ってのはまさか男か?」
急に険しい顔になった。眉が寄るとかっこいい…。
「や、女の子だけど。」
「そうか、ならいい。ちゃんと継続できて偉かったな。」
ん?おっとこれは?もしや少女漫画でよく見たやつ…?
「え、何?もしかして今嫉妬してくれたの?」
ちょっとね、調子に乗ったよね。私も嬉しいよって一言が欲しかっただけの私には予想外の答えだったから。
「そうだよ。大切な恋人を口説く輩が近寄ったのかと思ったからね。よかったよ、前よりもっと綺麗になった恋人さんが私のもので。これで満足かい?」
はい。あなたには本当に勝てないな。カッコ良すぎる…。

 って感じでした。客観的に見ると、自分がベタな展開が好きなのがよくわかった。というか、私の恋愛経験値が低いから、大人の恋愛みたいなのがわからないんだな。でも彼は急かさずに合わせてくれて、でも時々大人の余裕を見せてくれて本当に好き。改めて好きだなぁ、と思う。これからも恋とか美容とか、あと勉強も頑張りたいな、と彼のおかげでやる気が出ています。そんな日々。

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