ウチマサラ元年、だったんじゃん?

2021 明けましておめでとうございます

昨日、年末の営業を終えて、ホッとしたら何か緊張の糸が切れたかのようにボーッとしてしまったちゅなどんです。
一夜明け、目が覚めたと同時に「あぁ、昨日までウチマサラ元年だったんだ」と明朝体がボールドで枕もとに降ってきた途端、昨日のうちに「まとめ」をやらなかったことを悔やみました。(基本的に「まとめ」るのが好き)

そんな新年の幕開けですが、昨夜、年越しカウントダウンを待たずに眠りの縁に落ち、目覚ましをかけずに寝たいだけ眠って明けた朝は青空が眩しく清々しい。ただの昨日と今日だし、昨日までをやりきるのにイッパイで、この朝のために準備したものは何もなかったけれど、今年は今日が新しい一年の始まりなんだ、という事実だけで十分とします。

で、ウチマサラ的まとめというのは「やってみなきゃわかんないことを、やってみた」これに尽きます。
過去、アルバイトですら飲食業で働いた経験がまるでないのにウチマサラを始めてしまった。これは例えるならば「This is a pen.」を覚えるや否や、なんの伝手もないのに「ちょっとアメリカに引っ越してくるわ」みたいなノリに等しい感覚で、無茶無謀もいいところ…歳をとって怖いものが減るというのは、冷静に考えると恐ろしいもんだなぁ、と思うところです。他人事っぽいけどチャレンジってそういう感覚でやれるといいですね。気負うものがなくてストレスフリーだ。笑い飛ばしていこうぜ、みたいな。

2019年夏の終わり、アダチアサカ 浅香氏と共催した「間借りカレー」が全ての始まりでした。てんやわんやの一日を終え、ちっとも楽しかったという顔をできず、頭の芯から体の芯からただただ疲れた…前里町のデニーズで売上の精算をやりながら2人で「もうしばらくはやりたくないね」って言ったのに。
後からじわじわと湧いてくる、楽しかった、に負けたわたしは、その後ポップアップやイベント出展を幾度か重ねて「慣れないこと」だった一つ一つに慣れていき、あの日感じたほどの疲れを感じることは減って、楽しいがそれを上回り、またあの場所…シコーバイシクルサービスの佐々木氏の厚意に甘えて…再び週末だけの常設店舗となったウチマサラでした。

2020年は新型コロナウィルスを避けては何も語ることができない年でした。8月に始まったウチマサラはBeforeコロナの世界を知らずに産声を上げたことだけが幸いだったのかもしれません。比較の対象がないおかげでコロナの存在を無視して、ただやれることをやる、というピュアさを保てたことが世間的な悲観を遠ざけ、なんだかんだ健全な気持ちで取り組めた理由の一つだろうと。

お店は空間が豊かで広々とした中に7席だけという、欲張らない設定もコロナむき(満席でも密にならない)だったし、わたしもワンオペでやるのにこれがギリギリだし。井土ヶ谷ってそんなに外食するカルチャーなさそうなローカルな場所だし。大きくヒットする、というより、こじんまり、のんびりやるのにも丁度いい、と、いいところを見つけるのには事欠かないロケーションを預からせていただいています。

また、長年の趣味のすえにお仕事としても多々関わってきたサイクリング、スポーツ自転車の世界に対しても、自分自身がライドをすることからは少し離れてしまったけれども、ウチマサラがシコーバイシクルサービスという自転車店の中に併設されていることで、ごく自然な形で自転車界隈とのご縁が連綿と続いていくことを何より嬉しく思っています。わたしの心は今でもいつもサドルの上にありますよ。これは本当に。通勤ライドは毎日とっても楽しんでいるし、ライドを楽しんでいるサイクリストがウチマサラを訪れてくださると、サドルトークのつもりでうっかり軽はずみに話しかけてしまうもの。
仕事として自転車及び自転車店に関わっていた頃よりも、情報量は増えているかもしれない。立ち位置が変わるだけで、その辺は結構変わるものですね。わざわざ意識しなくてもフラットになるというか。バイクの種類ブランドを問わない世界へ一歩進んだ気がします。

肝心のカレーの方は、5ヶ月前より上手になってきてるのは間違いない思うんだけど、今でもときどき「やらかす」こともありまして。そこにヒットしちゃったお客さまには大変申し訳ない思いはありつつ…「伸びしろはまだあるな」と心あらため取り組んでいます。懲りずにしばらく空けて再訪していただけるとありがたいのですが…
ビリヤニは自分で言うのもナン(あ、うちはナンは作ってないですw)ですけど、上手になりましたね。失敗らしい失敗はしてない気がしますし、毎週末繰り返し作ってきた分のブラッシュアップがちゃんとある手応えを得ています。ぜひお試しください。

自分でも意外に感じたのが、仕込みで玉ねぎを炒めている時間がとても楽しいということで、これはいつも昼間の仕事を終えた後にやっているのですが、ぐったりと疲れた状態だったはずなのに、炒め始めると気がついたら超ハイ!でノリノリになっています。そんな自分に気づくとき、あぁこのカレーは食べたら元気になるだろうなぁ、と素直に思えるので、これは一つ、わたしがやるべきことなのだろうと肯定する理由です。

まだ1年にも満たず、「やってみている」真っ最中で「まとめ」るには材料が足りないなーと思うウチマサラです。今のところ、今週の売り上げで、来週の仕入れができている、ただそれだけで続けさせていただけている感じですが、それも上出来なのだと思うし、5ヶ月でこんな感じであるならば、今後もわたしと一緒にウチマサラは育っていけそうな、そんな気持ちでいます。

ウチマサラにお運びいただいたすべての皆さま、軒を貸していただいているシコーバイシクルサービス佐々木氏に、心から感謝申し上げます。
2021年、それ以降も、カレー食べて笑って元気に過ごして参りましょう。

ウチマサラ ちゅなどん(石井美穂)

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