毎朝5分の自分語り 2024/07/13
自動車メーカーの認証不正問題で国側の判定に疑問符を付けている意見を目にする。
具体的には 衝突試験の速度や重量が基準値よりも大きかったことについて
大は小を兼ねる
的なことが言われている。
だが、実際には大は小を兼ねる兼ねないこともある。
車の硬さは変えられない。
例えば衝突事件だが、硬いキャビンを作って生存空間を作るという部分に関しては基本的には硬ければ硬いほうが良い。
だが、潰れて衝突時の衝撃(加速度)を減らす部分は大は小を兼ねないところだ。
車の潰れしろは距離に物理的限界がある。
その中で潰れしろ目一杯の距離でつぶれると理想的だが、速度が高くなるほどエネルギーが大きくなるのでその分硬くしなければならず、速度が低い場合では潰れしろを有効に使うことが出来ない。
結果的には低い速度でのダメージが大きくなってしまう。
基準が地域ごとに違うのがいけないというのもまた本来は難しい。
国ごとに交通状況が異なり、そのせいで事故の傾向も違うからだ。
国としてはより多くの国民の被害を減らしたいから、その国ごとで多くの事故をカバーできる領域に基準を設けたい。
そうなると国ごとに衝突事件をしなおさなければならない。
メーカーも苦慮していて、国ごとに衝撃吸収用の部材の硬さを変えられるように設計がしていたりする。
そうやって異なる硬さを実現していたりはするのだが、それでも設計や生産にかかるコストが大きくなるのは言うまでもないだろう。
物事はそんなに単純な話ではないのだ。
国の言うことに一方的な正論があるわけでもなく、何かしらのロビー活動の成果なのかもしれないが、メーカー側の言い分が全て肯定されるわけでもない。
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