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ヨーダの物語 83

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。そしてジェダイ・マスターふたりを殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
 ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星へ到着し、修行が始まった!!



 ジャワたちがサンドクローラーから降りてきた。
 「ジャワさんたち、もう少し待ってね」
 とヨーダは言うと、両手を森にかざして目をつぶった。そしてフォースを使って残骸を『探す』ではなく、森全体を『見渡す』ことを意識した。すると、森に心を開くことができたような気がして、目を開けなくても森の全体像を頭の中に描くことができた。
 森の中で最も大きな木の高いところの枝に、巣で卵を温める鳥を感じた。卵の数は七つ、どれももうすぐで産まれそうだ。その斜め上の枝に、ヨーダの手のひらほどの小さな鉄くずがあるのがわかった。親鳥を怖がらせないように、そっと残骸を浮かせ、巣や枝に当たらないように木の外まで出して、自分の所まで運んだ。それからヨーダの手に乗ると、グラドゥは満足そうにうなずいた。
 「グラドゥ、森全体を見渡しましたが、もう無いようです」

 ジャワは、わちゃわちゃ仲間どうしで言い合いながら、鉄くずを協力して運んでいった。頼まれてはいないが、ヨーダは運ぶのをフォースを使って手伝った。ジャワたちは浮かぶ鉄くず達を見て驚き、拍手をして喜んだ。

 その日の夕飯からヨーダが食事を作るようになった。母に作り方を教わったスープや麺の炒め物などを、限られた材料のなかで毎食作った。グラドゥの口に合うかは疑問だったが、思いのほか美味しいと言ってくれた。特に母譲りの野菜スープを気に入ってくれた。たまに料理を作るのを手伝って良かったと思った。
 ライトセーバーはまだ扱わせてくれなかった。代わりに長い木の棒(ヨーダのライトセーバーと同じくらいの長さ)を使っての訓練が主だった。

 (ヨーダの物語 84に続く)