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ヨーダの物語 59

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ツキシマとの戦いへ再び向かう。
 一方、ヨーダは・・


  *

 ヨーダの母、ロザリータは夕飯を作っていたが、ヨーダの帰りがいつもより遅いため心配していた。無線にも出ない。ジェダイ・アカデミーに問い合わせようか迷っていると玄関が開き、ヨーダがよろめきながら入ってきて玄関で倒れた。 
 「ヨーダ!」ロザリータはヨーダの頭を抱えた。顔にかすり傷はあったが、大きなケガは無いようだ。
 「大丈夫?いったい何があったの!?」
 ヨーダはうっすらと目を開けて微笑み、
 「・・アカデミーの訓練がキツくってね。なにせもうすぐパダワンになるんだから・・」
 と言って再び気を失ってしまった。
 ロザリータは、ヨーダをジェダイ・アカデミーに通わせたことを後悔した。そこまでして強くなることにいったい何の意味があるのか、ロザリータには全く理解できなかった。
 ヨーダが仲良くさせてもらっているシューマ博士に電話してヨーダの状態を話し、病院に連れて行った方がいいか相談した。大きな傷がないようであれば、明日まで様子を見て、それでも起きないようならまた連絡するように言われた。
 ヨーダにはアカデミーに行くのも、ジェダイになるのもやめさせようと決心するロザリータだった。  

 翌日、ヨーダは昼過ぎまで寝つづけた。目を覚ました時には太陽は真上にあって大地や家を激しく照らし、部屋の中は暑かった。ロザリータが部屋に入ってきて、
 「やっと目を覚ました。ずっと眠り続けるかと心配したわ・・。どこか痛いところはある?」
 ヨーダはベッドの上で手足を動かしてみた。全身が悲鳴をあげて顔を歪めた。「いたたたた・・」
 「まだ休んだ方がよさそうね。病院は行かなくて大丈夫?」
 「・・寝てれば治るよ。フォースを使って自分で傷を治すことも少しだけど学んでるんだ。いてて・・」
 「だったらまだ寝ていなさい。水を飲んでからね」
 ヨーダは言われたとおり水をコップ一杯飲み、再び眠りについた。次に起きたのは夕方だった。全身の痛みはだいぶ良くなった。
 天井を見ながら昨日起きたことを思い出そうとした。遠くからギークの家を見ていたらふたりのジェダイ・マスターがギークの家にやってきて、ギークに吹っ飛ばされてふたりともギークに殺されてしまった・・。あわてて駆けつけてギークを説得したが、ヨーダの知っているかつてのギークではなく、フォースで地面に押しつけられ、ギークと白いローブの老人はその場を去っていった・・。しばらく起き上がれずにいると・・。その後が思い出せない。誰かに助けられたのか?いや違う。自力でなんとかホバーボートに乗って帰ってきたんだ。そうだ、日が沈んだくらいに、数名の(おそらくジェダイ・アカデミーの)応援が来たが、自分がそこにいては話がややこしくなると思って、遠くからスピーダーのライトが近づいて来たのが見えた時点で、体じゅうの痛みを我慢して無理矢理ホバーボートに乗ったんだ。

 (ヨーダの物語 60へつづく)