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ヨーダの物語 98

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。その後ジェダイ・マスターふたりを殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
 ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星へ到着し、フォースとは何かを学んでいく。そして修行は大詰めへ・・!

 
 『あんたにも見えるようになったようだね。ライトセーバーの持ち主たちが』
 グラドゥの声が直接頭に響いた。
 『これは・・かつてのジェダイたちと、若い頃のあなたですね』
 紫と青のライトセーバーの持ち主は、間髪入れずに攻撃してきた。ヨーダはダブルブレイドでそれを受け、かわし、反撃をした。ふたりはほかの四本のライトセーバーとは比べ物にならないほどのパワーとスピードだった。
 (かつてのジェダイたちとぼくは戦っている・・!)
 ヨーダは全身の疲労を覚えて必死に攻守しながらも感動していた。
 紫のジェダイの光刃を受け流し、相手のライトセーバー本体を両断できるという直前に、光刃の動きが止められた。相手は手をかざし、フォースを使っていた。ヨーダは驚きを隠せなかった。(まさか実体が無いのにフォースが使えるなんて・・)ヨーダは後ろに跳躍し、相手のフォースを逃れた。すぐさま青のジェダイが攻撃してきた。すばやい突きをしてきたのを袖を切りながらかわし、相手の光刃に自分の光刃を滑らせてそのままライトセーバー本体を破壊した。相手の青の光刃が消えるのと同時に、トグルータの少年の姿も消滅した。
 紫のジェダイを振り返ろうとしたが相手のフォースによって身体の動きを止められてしまった。相手はゆっくりと近づいてくる。フォースを解かなければならないが、相手はヨーダの身体の重心をしっかり捉えていた。ヨーダは考えた。(どうすればフォースを解くことができる?どうすれば・・?)
 ヨーダはフォースを使い自らのダブルブレイドをおさめ、手から放し高速回転させ相手に飛ばした。相手の身体に当たる直前でダブルブレイドを起動させ、相手は光刃で反射的に弾き飛ばした。そのとき、ヨーダの重心を捉えていたフォースに一瞬『ズレ』が生じた。ヨーダは一気に飛び上がり、フォースから解き放たれた。空中で高速回転するダブルブレイドをキャッチし、そのまま振り下ろして相手のライトセーバー本体を両断した。
 ヨーダは着地したが、完全に息が上がって片膝をついていた。そこへ黄色い光刃の、若いグラドゥがゆっくりと近づいてきた。
 ブーン、というライトセーバー特有の音が辺りの静けさを一層引き立てる。ヨーダにはもう体力も、フォースを操る気力も残されてはいなかった。
 「グラドゥ、ぼくは・・」
 ヨーダは前に倒れ、そのまま気を失った。

(ヨーダの物語 99へつづく)