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ヨーダの物語 63

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ツキシマと再び戦うことになる・・!


  ギークは跳んでツキシマに一気につめ寄り、上段から斬りかかった。ツキシマはよける余裕もなくライトセーバーで受け止めて、赤い光刃どうしが擦れる独特のバチバチ音が谷に響きわたった。
 ツキシマはとっさに右手をギークにかざしてフォースで吹っ飛ばそうとしたが、ギークは左手でそれを受け止めた。ツキシマの右手の指は妙な踊り方をし、赤い炎が上がり焼けて蒸発していった。「ううわぁぁぁ〜!!」ツキシマの絶叫が谷にこだました。
 ギークは赤い光刃を右手で押し込むとツキシマの光刃を斬り裂き、肩から斜めに腰に抜けて身体を両断した。ツキシマは絶命し、上半身はどすんと音を立てて仰向けになった。眼は大きく開かれ、遠くの空を反射していた。その大きな瞳に黒い影が映り大きくなっていった。スピーダーに乗ったレイゴウが渓谷を降りてきたのだ。二人乗りで、運転しているのは人型ドロイド、レイゴウは助手席に乗っていた。

 ギークは赤い光刃を収め、絶命したツキシマを見下ろしていた。レイゴウとドロイドがスピーダーから降りてゆっくりとギークに近づいてきた。
 「ギーク、見事じゃ。いまやツキシマはおぬしの敵ではなかったろう。こいつは何か言い残したか?」
 「こいつは・・、いえ、何も言わずに戦って死にました」

 (ヨーダの物語 64につづく)