ヨーダの物語 4

 ホバーボードに乗った少年ヨーダがアカデミーに着き飛び降りると、ボードのお尻を踏んで跳ね上がったところをかかえて走って教室に駆けこんだ。
 ジェダイ・アカデミーは、ジャクーの北半球の、人口密集地から遠くはなれた砂漠に囲まれた場所にある。
 ジャクーにはもともとジェダイ・アカデミーはおろか、学校そのものが無かった。
 ヨーダが貨物船とともにやってきた約50年前から、この辺境の星の出生率が上がり、銀河の中でもごく稀にあらわれるフォースの感受性の高い子供がジャクーに集中した。
 本来、フォースの素質のある子供は、ジェダイの総本山であるコルサントのジェダイ・テンプルに銀河中から集められるが、その時期ジャクーにジェダイ候補の子供が集中したため、ジェダイ評議会はジャクーにもジェダイ・アカデミーを作ることを決定した。そうすることで、自宅からアカデミーに通える候補生が増え、親にも喜ばれた。
 銀河の永い歴史の中でも、ある星にフォースへの高い感受性をもった子が集中して生まれたのはこの時期のみだと、ジェダイ・テンプルの年代記には記されている。
 後に歴史学者が、「それはヨーダというフォースにとって巨大な存在が求心力となって引き起こされたものではないか」と仮説を立てたが、それを証明できる者はいない。とはいえ、ヨーダが成長し本物のジェダイになるべく、育ちの星ジャクーを出てからこの星出身のジェダイが劇的に減ったことは事実である。

(ヨーダの物語 5につづく)