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ヨーダの物語 60

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ツキシマとの戦いへ再び向かう。
 一方、ギークへの説得に失敗し完敗したヨーダは、家になんとか辿りつく・・


  *

 気分は沈んでいたが、腹は減っていた。ロザリータと無言で夕食を摂っていたが、ロザリータが話を切り出してきた。
 「あなたがここに帰ってきたとたん気を失って倒れたから、アカデミーで何かあったのかと思ってアカデミーに電話したら、今日は休んだらしいじゃない?
 あとギークのお姉さんが亡くなって、ギークはアカデミーに全然かよって なくて、行方不明らしいわ。家が燃えてその近くでジェダイがふたり殺されてたって。あなた何か知ってるんじゃないの?」
 ヨーダは、これ以上隠してもしょうがないし、母をこれ以上騙すこともしたくなかったので、すべてを打ち明けた。ロザリータは驚きを隠せなかった。
 「あいつはダークサイドに堕ちてしまった。白いローブの老人は、たぶんシスだと思う。おれはもう一度ギークに会って説得しようと思うんだ。あいつはまだ・・」「ぜったいダメよ。次に会ったら殺されるわ。ギークはふたりのジェダイ・マスターを殺したのよ。まだアカデミーに通ってる人間の子どもがよ。ぜったいに会っちゃダメ。昨日から考えてたんだけど、あなたにはアカデミーを辞めてもらいます」「でも・・」「この話は終わりよ」少し外の空気を吸ってくる、と言い残し、母は今にも泣き出しそうな顔で外へ出ていった。ヨーダは呼び止めることも、追いかけることもできなかった。

(ヨーダの物語 61につづく)