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ヨーダの物語 112

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。その後ジェダイ・マスターふたりを殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
 ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星でフォースとは何かを学び、ついにギークのいる稲妻の星、ザンダーへ到着し、ギークとの戦いが始まった!

 ギークがライトセーバーを起動させる音が聞こえた。(このままではやられる・・!)ヨーダは倒れたまま考えを巡らせた。ギークは赤い光刃をヨーダに向けたままゆっくりと歩いてくる。
 あたりからゴゴゴ・・と音がして、ヨーダの近くの大きな岩が浮き始めた。それはヨーダの上に来て通り過ぎ、猛スピードでギークへとんでいった。ヨーダがフォースによって動かしたのだ。
 ギークは左手をかざすと、岩は宙で止まった。両者のフォースが押し合い、巨大な岩はビキビキと音をたてて平になっていき、さいごは粉砕された。あたりに砂煙が漂った。ギークはフォースで風を起こし砂煙をはらうと、ヨーダの姿はそこには無かった。
 「ギーク!」
 ヨーダの叫び声が聞こえて見上げると、ヨーダが上方からダブルブレイドを振るってきた。赤い光刃でそれを受け、ギークは攻撃に転じた。
 ヨーダはギークをダークサイドから救いたい、という思いがあったが、ギークのフォース・ライトニングをまともに食らい、ギークの殺意を骨の髄まで感じた。もはやかつての友であることは忘れかけていた。友を傷つケズに救いたかったが、それは不可能であると痛感し、絶望した。
 こんな気持ちで戦っていては自分は必ず負ける。負けると同時にダークサイドに堕ちてしまう。もし負けたらギークはコルサントやジャクー、他のジェダイアカデミーのある星やジェダイテンプルなど、ジェダイに関係する星はすべて滅ボスだろう。それは絶対にさせてはならない。
 ヨーダは覚悟を決めた。

 (ヨーダの物語 113へ続く)