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19. クライアントにとってのコーチという存在

【世界旅行記】
森の中に入ると、小さな小屋があった。
小屋に入ると、今正に卵からヒヨコが生まれてきている。こんなシーン、初めて見た。
こうして鶏が育てられ、そして大きくなった鶏がまた卵を産む。そして、その卵を大切に食べる。
少ないものと美しく丁寧に関わる生き方が、そこにはあった。
この田舎町にあるB&Bでの1ヶ月間の住み込み仕事は、まだ始まったばかり。
@デンマーク、トルネ



国際コーチング連盟(ICF)では、コーチングをこう定義している。

コーチングとは、思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くことである。

コーチングとは、問いかけを主とする“行為”を指すのではないか?
そんな風に僕は捉えていた。

だけど、コーチとクライアントの関係性が、コーチングの成否を左右する。そう言ってもいいかもしれない、と最近は思い始めている。


僕はコーチとして活動してるけど、同時に経験豊富なプロコーチからのコーチングを定期的に受けている。
コーチングを学ぶという目的もあるけど、何よりも自分自身がコーチングのインパクトを体感したい。そう思って始めたのだ。

ところで、“20年後くらいにはコーチングの9割はAIができるようになる。“
そんな発表をする人も中にはいるらしい。
確かにコーチングを通して叶えたいのは、自分をよく理解すること。そして、変化していくことだと思う。

優れた内省は、もしかしたらパーソナライズされた質問リストに真剣に取り組むことでも、ある程度は実現できてしまうかもしれない。
またその気付きから、少しずつ変わっていくこともできるかもしれない。


だけど、コーチという存在の価値はそれ以上のものがある。
コーチは、クライアントのことを全力で理解し、深い内省を促し、そこで出会った本来的な部分を認知し、そして力強く応援してくれる。
そういう存在を、僕は一クライアントとして、信頼している。
「この人が言うんだからやろう。」
「この人と約束したんだから、必ず“やりました”と報告したい。」
そんな風に自然と思わされる。

そんな存在がいるという感覚は、紙ペラには与えることができない。
自分だけで覚悟を決めるのとは違う、精神的な支えを持つ感覚がある。

コーチは、クライアントが必ずやり遂げられると100%信じ、応援する。
決して指示を出す訳ではなく、ただ信じて見守る。

これは、親から子への理想的な教育と同じ構造だと思う。
「ああしなさい。これはやっちゃダメ。」
そんな風に親の思い通りに育ってしまった“良い子”は、大きくなった時に自分が何をやりたいかわからなくなってしまうことがある。
そうではなくて、その子のありのままを認め、愛し、信じる。そして親としては模範となるように行動し、背中で示す。
ここに安心感と信頼感が生まれる。
そして、子どもは適切にチャレンジして、自分らしく成長していくことができる。
(まだ子どもはいませんが、育児本にはこんなことが書いてあったと記憶してます)


クライアントを子ども扱いしているという訳ではなくて、大人であっても子どもであっても、そんな理想的な親のような存在がとても大切だということ。
そんな存在が心の支えになり、内側から自然と「頑張ろう!」という気持ちが生まれてくる。

クライアントにとってのコーチという存在。
それは、子どもにとっての理想的な親のような存在なのかもしれない。




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