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18. 国際コーチング連盟(ICF)コンバージ

台湾人のリーと出会ったのは、オランダのAirbnbだった。
悪いけど、ホストは旅の中でも最悪クラスで、そもそもその家がどこにあるのかわからないし、電話も繋がらない。リーは「シャワーは5分で終わらせろ」と言われ、普通に喋っているだけで「うるさい」と言われる始末。
だけど、そんな共通の経験があったからか、僕らは仲良くなって、その後に小さい村へ一緒にドライブに行ったり、旅を終えてからも日本や台湾で何度か再会した。
旅での出会いの多くはそれっきりのものだけど、今でも関係が続いていることがとても嬉しい。
@オランダ、Giethoorn



先週の金土日は、約2年振りとなる日本での国際コーチング連盟(ICF)コンバージが行われた。
良いのか悪いのか、プロとして大活躍している方々が集まる場に、僕も少し背伸びして参加させていただいた。

国際コーチング連盟というのは、コーチングの価値を維持向上させるための世界最大の機関のようなところ。
ちなみに僕が学んでいるCTIは、このICFに世界で初めてプロコーチ養成プログラムとして認定されたコースを提供しているコーチングスクールなんです。

それから、聞きなれない言葉、コンバージ。
海外営業なんて仕事をしているのに、この言葉は知らなかった。
Weblioによると、Convergeというのは、”集中する、まとまる"と言った動詞らしい。(言い訳だけど、TOEIC950点以上レベルの単語らしい)

コーチングの流派問わず、一堂に会する。
そんな場となった3日間では、多くの学びと刺激が得られた。

3日間もの濃厚な時間だったので、全てを書き出すことは当然できないけど、特に印象に残った点を、いくつかNOTEでも書きたいと思う。


コーチとしての在り方

コーチングを学び始めようとする時、どうしても「どうやったらいいかな」「相手にどうなって欲しい」などと、表面的なことに意識が向いてしまうかもしれない。
それは当然だと思う。だって、具体的にどうやったらいいのかを知りたいのだし、相手にどうにかなって貰いたいから、きっとコーチングを学ぼうと思うのだろう。

だけど、何よりも大切なのは、コーチとしての在り方、倫理観。
ICFでは、倫理規定コア・バリューというものを定めている。
コーチとしてのスキルは当然のこと、こうしたコーチの内側の在り方がとても重要だという話が、一番最初の入り口だった。
きっと、何に置いても最も大切なことだということだろう。

誤解を恐れずに言うのであれば、スキルなんて一切なくても、信頼に足る素晴らしいコーチとしての在り方さえ持っていれば、その人はきっと素晴らしいコーチングを提供できる。
たまにいる「私ってよく人に相談されるタイプなの」という人は、自然とコーチ的な在り方を元々持っているのかもしれない。


コーチングの効果

コーチングの効果は多岐に亘るけど、ここでは「そうなんだ!」と思ったことを共有していきたい。
これは、岡山で大学の講師もされており、アカデミック・コーチング学会の監事も務められる佐藤典子先生が語られていたことなので、信憑性が高い。

・家族との関係が良くなる
コーチングを受ける目的の一つに、コミュニケーション能力の向上を掲げる人が一定数いるらしい。
プロの傾聴を体感し、自分の内側を深く知ることができるのだから、確かにそういった効果が得られるのも納得がいく。
佐藤先生が講師をしている大学では、学生に向けてコーチングも行っているとのことだったけど、そのフィードバックの中の一つに、「家族との関係が良くなった」というものがあったらしい。
ここまで行くと、最早「是非みんなコーチング受けようよ!」と言えるレベルかもしれない。だって、人の生はコミュニケーションの上に成り立っているから。

・叱るよりも褒める
あえてわかりやすい表現をしたんだと思うけど、「日本の女性が世界で一番褒められてない!」らしい。
でも一昔前は少なからぬ男尊女卑、亭主関白が当たり前のようにあったのだから、これは実際にそうなのかもしれない。
だけど、叱るよりも褒めるほうが行動に結びつきやすい。どちらを選ぶにしても、結局は相手に良くなって貰うのが目的なのだから、それなら行動に結びついた方がいい。

例えばの話。
野球少年がサードを守っている。彼のところの打球が飛んできて、それをキャッチする。ファーストに返球したが、暴投してしまった。
さて、この時何と言うか。
「何やってんだ、下手くそ!」 こんなことを言ったら、子どもは当然次の失敗が怖くなる。だから、(ボール飛んでこないで、、)と怯える。そんな状態で守備をしていても、むしろミスは増えてしまう。
一方で、褒める場合は何と言うか。
「今回は失敗しちゃったけど、君は守備もボールを投げるのも上手だからサードを任してるんだ。次はきっと上手くいくから頑張ろう!」 こんな風に認知して、失敗を責めずに応援することが出来たら、きっとその少年はもっと練習に励むし、そうじゃなくても「よし、ボール来い!」なんて気持ちでプレーに集中できる。

コーチングでも、定めたタスクをクライアントが達成できないことがある。
それでも、必ずクライアントの良い面を見て、味方でいる。
だから、クライアントは失敗を恐れずにまたチャレンジすることができる。


気付き:チャレンジについて

3日間の話の中でもあったけど、コーチングの目的の根底には「成長」がある。
ありのままを受け入れる系のふんわりしたコーチングもあるとは思うけど、僕はどちらかと言うと、砂利道でも裸足で突き進むような、そんな覚悟と力強さを持って、進むべき道に進んでいきたいと思ってるし、そういう覚悟や力強さを持ってもらえたらな、と思ってコーチングをしている。
もちろん、ありのままを受け入れてもらい、心理的安全が確保されることで初めて成長のスタートラインを切れる、という面はあるでしょう。

成長や変化を求めた時、そこにはある程度の勇気が必要。殻を破って行動するのだから、何か新しい気付きを得る代わりに、傷つくこともあるかもしれない。

3日間の中での気付きの一つは、こうしたチャレンジについて。
一つ言及しておくと、コーチングは心の病を持っている方には提供できない、となっている。
一方で、チャレンジをすることは心に負担をかけることでもある。負担を乗り越えたとしても、傷つくかもしれない。

だけど、成長にはこうしたチャレンジが必要。
これって、他のことでも例えることができる。

体力を付けたいからジョギングをする。
だけど、風邪気味の時にはまず体調を回復させなきゃいけない。だって、体調不良な時にジョギングしたら、体調は尚更悪化するし、体力向上どころではない。
だから、ジョギングをする為にはまず体調を回復させる。

鉄は熱いうちに打たれれば、より高度を増して名刀にもなっていく。
だけど、錆びてしまった冷たい鉄を一生懸命叩いても、凹んだり折れてしまうだけで、どこまでいっても名刀にはならないだろう。

コーチングも同じようなことが言えると思う。
だから、心の健康な人にしか提供できない。
それは、心に病のある人を諦めている訳ではなくて、まずはコーチングではない適切な対策を選び、心の健康を取り戻しましょう、ということ。
そして、コーチングはやはり成長を目的としていて、それには少なからず勇気が必要だったり痛みが伴うこともあるんだよ、ということなんだと思う。


おまけ

もっと書きたいことはあったけど、既にちょっと長くなり過ぎてしまった。
1,500文字くらいには抑えようと思っていたけど、倍の3,000文字を越えてしまった、、

他にも、CTIの尊敬するコーチ2名と同じブレイクアウトルーム(4名で議題について話す)に入って話せたり、同世代含め存じ上げなかった素晴らしいコーチ達と出会えたことは、僕にとって大きな財産になった。

僕は本当にまだまだこれからだと思う。
全力疾走を続けることはしないしできないと思うけど、これからも亀の歩みで実直に前に進んでいきたいと思う。

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