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自分の会社を、自分の仕事を好きになるには

今回はまた、だいぶ変わった話から始めていきます。

どこかで書いたような気もしますが、私は日頃からテレビ東京の経済番組を見ることにしています。
他のニュース番組よりコンパクトに知りたいことがまとまって報道されるし、どーでもいい(失礼!)コメンテーターではなく毎日それぞれの道の専門家が招かれ、意味のある見解が聞けるから。
たいして経済に興味があった訳ではないけれど、何年も聞き続けていると専門用語にも自然に耳が慣れ、なんとなく何を言っているのか分かってきたりします。

そんな中、それらの番組でたま~にゲストとして登場する、「ひふみ投信」でおなじみの藤野英人さんという方を招いての無料オンライン対談がある、ということを知り。
藤野さんという方はとても話が分かり易くて、一般人の感覚にも寄り添いながら社会的に高いビジョンを持っている経済人だなぁと感じてきたので、これもいいキッカケだと視聴してみることにしました。

【完全版】ひふみ投信 藤野英人さんに聞く 「コロナ後」の経済と投資(日経電子版マネーのまなび)

その中で、とても興味深いことを仰っていました。
日本は、自分の会社が嫌いだという人の比率が世界一、なのだそうです。
好き嫌いで物事を決めるのが悪いことだ、という考えが強く強く社会を縛っているせいで、どんなことがあっても会社を辞めない。
あるいは、どんなに会社が嫌いでも、辞めると損をすると思うから辞めない。
好き嫌いより、損得で人生の選択を決めがちなんですね。

翻って他の国では、欧米に限らず中国でさえ、その会社が嫌いなら辞めればいい、という感覚の方が強い。
人生の選択において、好き嫌いが大事。

…これで、結果的に社会がどうなるか。

日本では、そこの社員にすら嫌われる会社がそのまま残っていくんです。
本来ならみんなにソッポ向かれてしまうはずの会社が。
本来なら自ら変革していかなければならない会社が。

別に変わらなくとも人は採用できるし、そのまま(ブチブチ不平不満は言っていようとも)働いてくれるんだから、このままでもいいかと会社側は思ってしまう。
そして時とともに、そういう社員たちが会社の中枢になっていき、なにかを変革しなくちゃいけないという機運もアイディアもますます遠のく。
自分も我慢してきたしそれが常識だから、お前たちも当然我慢しろ…と。

そうして気が付くと、世界的に見て異様に生産性の低い日本の労働環境が維持されてしまっているのです。
どんなに長時間働いても大してお給料は上がらず、多くの人が何のために生きているのか分からなくなる。

こう辿っていくと、自分自身の気持ち、好き嫌いの感覚をきちんと把握できること、それに従って行動できることが実は社会的にもとても大事なことだというのが分かっていただけるんじゃないでしょうか。

こんなことを書くと、外側に起こっていることは自分自身の投影だから、自分の勤めている会社が嫌になったとして、そこから逃げても意味がないのではという意見が出てくるかもしれません。

それは、本当にその通りです。
ここで大事なのは、その嫌なことにどんな自分が投影されているかを認識するのが先、ということ。

まずは、自分の感覚、好き嫌いについて、表面的ではなく奥底にある本当の自分を把握し、癒すことが必要。
絶対に必要。
そうでないと、マインドに振り回されている好き嫌いが自分自身だと勘違いしたままだから。
逃げて別の環境に行ったとしても、同じような問題が目の前に現れて、「早く気付きなさいよ~」となる。

そして、目覚めた上で、どんな行動を取っていくか。
それは2段階目のステップですね。

そしてその行動は、ある意味まさに『変わり者』と見えてしまうかもしれませんね。

≪巻頭写真:Photo by Jack Anstey on Unsplash≫

長年の公私に渡る不調和を正面から受け入れ、それを越える決意をし、様々な探究を実践。縁を得て、不調和の原因となる人間のマインドを紐解き解放していく内観法を会得。人がどこで躓くのか、何を勘違いしてしまうのかを共に見出すとともに、叡智に満ちた重要なメッセージを共有する活動をしています。