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【NJSLYR】 ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル【第二部感想#04】

日本人の遺伝子にはシンカンセンがテロリストによって大爆破される恐怖が刷り込まれておりそれが現実味を帯びるとSDBRS(シンカンセン大爆破リアリティショック)を発症し短期的に判断力と記憶力が失われます。

前説:チャンピオンRED誌上でのコミカライズ版「ニンジャスレイヤー:キョート・ヘル・オン・アース」開始を記念して、Twitter版の連載を再読したうえで感想を書きます。時系列順。文学的な人は得意な人がやってくれればいいので、キャラクター重点。第4部進行中の視点から書くのでネタバレも重点。それほど問題にはならないと思います。

(あらすじ)
フジキド
ジェノサイドユリコがキョートへ向かう。フジキドはキョートでニンジャを殺すために。ジェノサイドは訳も分からず連行されて。ユリコは何から逃れるために。しかし、車中にはニンジャ!ニンジャ!そしてニンジャ!さらにサイバーゴスやユウジョウサラリマンやザイバツグランドマスターとロード・オブ・ザイバツまでもが、むやみやたらと登場して、それぞれの目的で勝手気ままに行動をするので現場は大混乱だ! そして、知らなかったか? 運行中のシンカンセンからは逃げられない。オイオイオイオイ!この際キョートまで付き合ってやるぜ!

『劇場版ニンジャスレイヤー』とでも呼ぶべき属性てんこ盛りマシマシ大ボリュームの本作は一場面ごとに語ると収拾がつかなくなるので、登場人物紹介を中心に書きなぐっていきます。

シナリオ面についてはこちらの記事もどうぞ。

ザイバツ勢

彼らはポータルに投げ込まれた決死隊なのでキョート的な審美価値は低い。しかし、戦闘能力が低いわけではなく、一芸に秀でたバランスの良いパーティになっている。

グラディエイターはマスター寸前の古参ニンジャ。堅実なワザマエをもち指揮能力も高い。単体だとボーツカイより上の技量だろうか。マルノウチ抗争では屋上からの襲撃に参加。石像に擬態して待ち構えるガーゴイルあたりとやりあっていたと思われる。

サイクロプスは肉体の一部が巨大化すると知性を著しく低下させる典型的なビッグニンジャ。その状態でも最低限の働きをさせるために行動規範を刷り込み的にインプットしたレッドゴリラさんは実際良いメンター。

フォビアは貴重なシノビ・ニンジャ・クラン。生存能力の高さはかなりのものだがポータル行きにされたのはなんかシツレイがあったのだろう。(キンボシ独占を狙うところとか)

ヘッジホッグはかなりガッツのある有能な無線LANカラテの使い手でありシンカンセン自体が彼の武器となる。調子に乗ってシンカンセンを暴走させるなど隠れたキーパーソン。

ザイバツグランドマスターが観戦室で顔見せをする。小説なのに執拗に表情が暗くて見えなかったり絶妙に隠されていたりする奥ゆかしい演出にこうふんする。

ソウカイヤ残党

ラオモトの死後もシンカンセン襲撃任務を続行するラオモト狂信者達。ほとんどウォーボーイズ。かわいいね!

ホースバックは拳銃カラテの使い手でありジェノサイドと打ち合う実力があるなかなかのカラテ強者。ラオモトの死を信じずに郊外での経済任務を続行していた。彼のような地方派遣ニンジャはそれなりの数がいて、後にアマクダリへ合流していったようだ。

ヌーズマンはジェノサイドスヌーズ機能を持つ目覚まし時計。投げ縄カラテの使い手であり生存していたらそこそこかっこよさそう。ルックスもイケメンだ。

殺し屋と情婦

ジェノサイドはネオサイタマで捕獲され棺桶に押し込まれ目が覚めた時には途中下車不可能なシンカンセンに乗り込んでいた。これはまさに彼の人生のそのものであり、かりそめの死から目覚めた時にズンビーと化し途中下車不可能なゼツメツマシーンと化していた。シンカンセンが暴走して突き進めばキョートをニューク爆発でゼツメツさせる、彼がゼツメツ本能を解放させればシンカンセンから生存者はいなくりゼツメツされる。暴走シンカンセンとは彼そのものと同一であり彼がこのエピソードの主役になるのは必然であったのだ。そのサツバツなる運命から彼を解き放ったのは1人のオイランである。

ユリコは真の強さを持つ真のオイランだ。男どもを勇気付け世界を救った。二度とジェノサイドと交わることはないと暗示される末路が切ない。しかし、その豊満な胸に希望は残った。マッポーの世に希望を灯し続けることの重要性はこれまでも提示されてきた通りだ。

ニンジャスレイヤー

ザイバツニンジャに対して技量で上回るがコンビネーションによって後手に回らざるを得ない状況になる。この時期からチャドー暗殺拳のマスタリーとして様々な固有アクションが目立つようになる。ウケミ! チャドー! フーリンカザン!

彼らはザイバツやジェノサイドや新たな追手たちとカラテを交えキョートの闇へ消えていく。美しい「俺たちの戦いはこれからだ」エンディングだ。
止めて、引く。

初心者にもオススメ

読者がニンジャスレイヤーに求める要素をコレデモカ!と詰め込んだ超直球の意欲作なのでこのエピソードにハートキャッチされるニュービーも多いでしょう。第二部から抜擢される形で一足先にコミカライズもされており、鉄板の鉄道パニックアクションムービーです。その分、ボリュームも大きいので胃もたれ必至だ。

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