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【映画レビュー】1999年の女学生ジャスティス 3部作

(前回までのあらすじ)この映画は実在しません。ローカルコトダマ空間(4DX)でのみ上映しています。

この作品はこの記事の影響をたぶんに受けています。
(いつもありがとうございます)


「Y2K/ジャスティス・ビギニング」

1999年 名門シマカタ家の子女ムナミは法正義の理想に燃える女学生だったがY2Kによる政治空白ポールシフトによる干ばつによって発生した略奪者らによって屋敷を焼き討ちされて全てを奪われる。誇り高き父は闇米を拒否して餓死。彼女も静かに正義に殉じた死を選ぼうとした際に父の旧友ダイザキという男が訪ねてくる。

父の旧友に保護されたムナミはダイザキの屋敷へ移り住む。ダイザキの非の打ちどころのない慈善家の姿に逆にムナミは疑惑を向け、ある夜に暴力による治安活動を行うメフィストフェレスの姿を目撃してしまう。ムナミは法に背く正義の存在を知り揺れ動くが、ダイザキに説得され一味に加わる。

「ムナミ君……鷲の一族が動き出した」

一方その頃、静岡県のハイスクールに二人の少年の姿があった。ケンカに明け暮れる無口なリュウとイアイドー部のエースのケン。彼らは砕けながら天から下り駿河湾に落ちた流星を見て確信する。王の帰還だ。彼らはある一族に伝える最後のハタモトであり家宝の豹頭兜と面頬を装着し現場に急行する。

ダイザキは宇宙世紀の崩壊による鷲の一族の絶滅を確信していたがその不死性には一定の警戒を払っていた、再び鷲が羽ばたくことがないようにハタモトを監視下に置いており、リュウとケンより一足早く現場海域へ到着していた。沈没寸前の人工衛星の探索、ハタモトとの遭遇戦、自動迎撃装置ロボ<クロノス>を前にした共闘、そして謁見の間で冷凍衰弱死した「王」を発見したリュウとケンは意気消沈し運命を共にしようとするが、ムナミの説得もあり生きるために浮上する。

王を失いうなだれる若きハタモトを労うダイザキ。あわよくば彼らを取り込もうとするがにべもなく拒否され別れる。ムナミは世界の裏側で繰り広げられた来た正義の覇権争いを知り、己の正義を見極めるために戦うことを誓いコードネーム:ジャスティスを名乗る。

スタッフロール。夜の海。九十九里浜。宮殿からはがれ墜ちた破片の下から雷を帯びた腕が飛び出す。

「Y2K/リーグ オブ ジャスティス」

Y2Kの大混乱以降、日本国と独立を求めるキョート暫定政府との緊張感は極限にまで張りつめていた。ダイザキとジャスティスは総理襲撃の警戒を強めていたが一瞬の隙を突かれ総理暗殺を許してしまう。これをきっかけにキョート独立戦争が開戦してしまう。何食わぬ顔で総理官邸を後にする長身の男。下手人はニンジャをも殺すレジェンドヤクザであった。

静岡県。
いまやキョート独立戦争の最前線となった土地に二人の青年がいた。たくましく成長した鷲のハタモトである。自警団を組織した彼らは町内の平和を守る英雄であったが町に現れた不審なヤクザを問い詰めたところ軽くあしらわれてしまう。何故ヤクザが静岡県に?

一方ジャスティスは総理暗殺を図った一派の目的が独立戦争最前線での核爆弾の使用であることを突き止め静岡県へ向かう。戦争をエスカレートさせて軍需産業の需要を増大させる。それは日本とキョートの支配層を肥え太らせる陰謀であった。

レジェンドヤクザは土木工事を装いバンザイニュークを天然記念物フォッサマグナの群生地へ運び込んでいた。ここで強力な爆発を起こせば日本は真っ二つに割れてしまう!起爆準備に入るヤクザ。それを地元を守るため呉越同舟したハタモトとジャスティス、メフィストフェレスがインタラプトし格闘戦を開始する

レジェンドヤクザは非ニンジャながら近代兵器や非人道トラップでジャスティスらを圧倒する。しかし、その時!!工事現場からやや離れた場所でキノコ雲があがる。ヤクザの依頼人である軍産複合体はヤクザをおとりにして核爆発を強行したのだ。そして、用済みとなったヤクザを始末するべくヤクザ自身が運び込んだバンザイ・ニュークを遠隔起爆。全てを光が飲み込んだ。

彼らは生き残った。
爆発時に発生した閃熱をニンジャとして覚醒したジャスティスが吸収したためだ。蓄えた光を天に放ち力尽きたジャスティスを抱き上げ微笑むヤクザ。そこへ軍需産業の証拠抹消部隊が殺到し銃弾を浴びせるが一人で立ちはだかりジャスティスらを守るヤクザ。フォッサマグナの花弁が舞い散る中で(行け!)ヤクザのサムズアップ。

戦場から逃げ延びたダイザキとムナミはもはや世界に正義が存在しないことを悟る。しかし、シマカタ・ムナミは誓った。ニンジャの力を手に入れた今、己が正義の盾となる。白装束に身を包む正義のニンジャ「ジャスティス」の誕生である。

スタッフロール。軍産複合体の凄惨な社長室。マホガニーの机に刺さったドスダガーが光る。


「Y2K/スルガワン・リム」

深海9000m。駿河湾に沈んだはずの「宮殿」に光が灯る。

(集え…...集え......!!)

元静岡県。複数のニュークの爆発により原型を留めずに破壊されたそれはデスヴァレイ・オブ・センジンと呼ばれるキョートと日本国の国境となっていた。ニューク能が降り注いだ海は淡い燐光を発している。近頃、地域住民の間で不思議なうわさが立っていた。海岸線にカイジュウが現れて人を襲うのだという。

一方、ヤクザ事件以降の成り行きで東京へ出てきてしまったリュウとケンはそれなりに満ち足りた生活を送っていた。ダイザキのおかげで衣食住に困らず「仕事」のおかげで緊張感にも不足はない。しかし、ハタモトしての使命を失った彼らを何かピリッとした感覚がさいなむのであった。

噂のカイジュウが徐々に東京へ近づいていることに気が付いたジャスティスは海岸線へ迎撃に向かう。そこに出現したのは雷で生成されたカイジュウ、ライジュウであった。ジャスティスはカラテを繰り出し順調に追い詰めるが、カイシャクの寸前に2体目のライジュウが出現。その豹頭ライジュウはジャスティスを電撃で打ち倒すとトドメを指さずに北上していった。

ジャスティスが倒されたためリュウとケンは現場へ急行。江の島でライジュウに遭遇する。しかし、ライジュウの姿を一目見た二人は雷に打たれたように直立し……滂沱の涙を流した。

「王の帰還……!!」

ジャスティスがたおれ、リュウとケンが姿を消した。
そして、経済的にも暗黒メガコーポの成長著しくダイザキの思うとおりに世界は動いていない。うまくない。そんな中、監視システムに報告が入る。失踪した鷲のハタモトが駿河湾に向かったと。ダイザキは気まぐれを起こす。そうだ、この面白くない世界に『鷲』をよみがえらせてやろうか。

彼の所有する自家用潜水艦で駿河湾へ向かったジャスティスとダイザキはハタモトと合流し始まりの地へ潜航する。そこで待っていたのは雷神の如きニンジャであり、大破壊を生き延びた「鷲の王」であった。彼は宮殿に残されたハタモトデータベースを参照して彼らの似姿を生み出し世界中のハタモトへ向けて(集え……集え!)集合を発信していたのだ。

皮肉にも唯一生き残ったハタモトはワカモノでありニンジャですらない。
しかし、雷神(ゴッドゼウス)は初めで出会った同胞に笑みを浮かべ彼らを迎え入れた。その時、潜水艦の警報装置が鳴り響いた。

「東京タワーに超巨大ライジュウ出現ドスエ!!」

雷神はアルカイックな笑みを浮かべたまま言った。
そういえば、さっき超巨大ニンジャハタモトを探しに行かせたんだよ。と。

至急、迎撃のためジャスティスとダイザキは東京へ戻ることになった。
急を要するため開発中の飛行ユニットを装着したジャスティスは大天使形態となり飛翔する。

上陸地点では雷が荒れ狂い東京タワーはへし折れ周囲は廃虚となっていた。
ライジュウは発電ジェネレータを襲い給電してはハタモトを探すというアルゴリズムで動いている。ならばライジュウが向かうのは日本最大のジェネレータが存在するカスミガセキ・ジグラットである。彼女はそこで巨大ライジュウを待ちかまえた。

決戦開始。ジャスティスはウィングで飛び回り翻弄する敵はあまりにも巨大で圧倒されてしまう。ジャスティスは倒壊するビルの下敷き寸前の少女(芦田愛菜)を救うがライジュウの一撃を回避し損ねる。

「シマッタ」

壁にめり込む大天使。ゆっくりとカイシャクのために接近する巨大ライジュウが拳を振り上げ......振り下ろした、その瞬間、巨大ライジュウは真上方向に跳ね飛ばされ壁に激突して吹き飛び放電しつくして消滅した。

ジャスティスの前には救った少女(芦田愛菜)の姿。カイジュウを殴りつけた拳をぶらぶらとさせながら。

「お姉ちゃん助けてくれてありがとう!!^0^」

薄れゆく意識の中、少女(芦田愛菜)はどこかへ去っていった。

スタッフロール。アルカイックな笑みを崩さぬニンジャに集う若きニンジャたち。鼻歌の巨漢、悪魔じみた老人、潔癖症じみた女性。「行くぞ!ラオモト・チバを救出する!!」


解説

1999年から始まる日本の混乱期を舞台に1人の女学生の葛藤と成長を描いたY2Kシリーズは一部のコアで少数のニッチなファンに熱狂的に迎えられた。2037年時点のアマクダリ政府の要職をモデルにした役柄が多く現政権のプロパガンダではないかと噂されている。


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