『帰郷中に読む本が尽きると死ぬ男 vs 星間連絡船』 #1200文字のスペースオペラ
僕は故郷へ帰るために一人でノクターン号に揺られている。まるで流星のように行き交う灯りのひとつひとつが今や数十億の人口を抱える星系だという事実がいまだに信じられない。
星間連絡船ノクターン号(かつて品川と弘前を結んでいた夜行バスに由来する)は定刻通りにゲートウェイを出航した。予定航行時間は11時間。その間に読むべき本は用意してある。今回は身動きできない空間を利用して普段読まないジャンルにチャレンジするのだ。
青森県のキリストの墓が本物だと認定されてからは早かった。宇宙服着用