『滑らかな完全犯罪』「明暦大火異聞(二)」
江戸時代。
「感情こそが諸悪の根源である」という徳川家光の処断により江戸住民は感情を抑制されるようになった。その幕府方針に不満を持った由井正雪ら反幕組織は異郷の未来人と結託。幕府転覆を計画するが《感情奉行》の武力によりそれは未然に塞がれた。正雪らが遺した《時空ポータル》は幕府の管理下となり時空管理神社を管轄する《時社奉行》が置かれた。こうして江戸の三奉行である「勘定奉行」「時社奉行」「町奉行」が成立し、歴代将軍が治世する盤石の元禄時代が始まる……はずだった。
(前巻のおはな