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問題行動(泣いた赤鬼と梅子さん)


泣いた赤鬼


重度発達障害の梅子さんは仕事を初めて今年7年目に突入。
今の仕事場に決まったとき、同期は1人もいなかった珍しい年。
(毎年5~7名くらいとってる)
なぜか最重度の梅子さん1人だけ新入として入れた。
正直、今の施設に入りたい方はすごく多く倍率も高かったので、驚いていた。
周りはすべて経験豊富な先輩であり、梅子さんは仕事のやり方やコミュニケーションを学ぶために必死に取り組んでいた。


仕事を初めて3年くらい経過した頃、梅子さんの口害の問題行動が施設で起こった。
梅子さんの後から入ってきた後輩の女性に仕事中も大きな声をかけてちょっかいかけ始めた。
女性は、音に対して感覚過敏だったので梅子さんの声が耳に響いてしまい、パニックを起こしてしまった。

女性にちょっかいをかける梅子さんに職員さんが幾度となく「静かに!」と注意してくださった。
他にも、一緒に過ごさないように仕事部屋まで変えてくれたりした。
しかし、女性を見るたび、ちょっかいをかけることが止まず、根本的な解決に至らなかった。

そこで梅子さんの日々の口害に対して、「どうしたら梅子さんに静かにしてもらえるでしょうか?」と私に相談がきたので話し合いの結果、その日の夕方から梅子さんと私が対決した。
私は、この時、職員さんの問題ではなく、私と梅子さんの問題のように思えたからだ。
まずは私の言葉の重みを伝えることにした。
言葉の重みを伝える方法として、「泣いた赤鬼」の本とノートを机の上に置いて梅子さんに絵本を読みながら、ノートに書き写しをしてもらった。

実際、梅子さんが使っている本

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