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図書館がたのしい。たのもしい。

近所の図書館で、なにやら面白い企画をやっている。
特集『ゾッとするほど面白い~熱帯夜をクールダウン~』コーナー。
普段から特集本を集めた一画なのだが、今回は特に“攻めて”いる。
黒いビニールシートを敷き詰めた上に、真っ赤なレースで毒々しく飾り立てられた本棚は手作り感満載で、日ごろ物静かで一見堅物そうにも見える司書さん達が喜々としてこれを設置したかと思うと、“ゾッ”というよりむしろ微笑ましくすらあるのだが、所蔵作品を活かした幅広いジャンルからのセレクト随所に“司書魂”が垣間見られ、表紙を眺めるだけでも楽しいコーナーに仕上がっている。
ホラー小説、妖怪、おばけに“水木しげる”はもちろんのこと、怪談噺の落語CD、映画DVDからは『犬神家の一族』や『キャスパー』、今は亡き歌丸さんのDVD『真景累ヶ淵』も揃っていることに大満足。カラフルな表紙がかえって不気味な『毒毒植物図鑑』にもそそられる。

こういった“特集コーナー”は大型書店などでもよく見かけるが、今ではあまり流通していないような書籍や視聴覚作品までが並ぶところに、図書館ならではのセレクトの妙や、掘り出し、深掘る楽しみがある・・・と私は思う。

ずらりと並んだおっかないタイトルのなかから、私としてはとりあえず、『不潔の歴史/図解』あるいは『知っておきたい魔法・魔具と魔術・召喚術』あたりを読んでおこうと思う。
いずれ何かの役に立つ、かもしれない。。。。


ちょっと調べてみたら、区内各地にある図書館それぞれに、異なるテーマの特集を展開しているようである。
ノンフィクションだけを集めた「NO! FICTION!」も面白そうだし、水に親しむ機会を多く提供するこの区ならではの「水の流れ」特集も興味深い。
・・かと思えば“スタッフ一個人の独断と偏見による100選”なんていう企画まであるではないか。100種も選ぶその心意気のなんと頼もしいことか。
“ちょっと足を延ばして図書館をハシゴ”というのも、なんか面白そうに思えてきた。



ついでに「私だったら・・・」と考えてみる。
この図書館にある所蔵作品のなかから“ゾッとするほど面白い”コーナーに私が置くとしたら・・・

DVD歌舞伎名作撰より
『女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)』
主演 片岡仁左衛門
(松竹/NHKエンタープライズ)

コレ↑↑↑しかない。
仁左衛門の破滅的な美しさと狂気。
眠れぬ熱帯夜に。是非に。

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