まっしろつるつるぴかぴか

わたしの前を3人の女の子が並んで歩いている。
すぐそこに中学校があるから、そこの生徒かな。となんとなく思う。
同じ制服を着て、肩のあたりまで伸びた髪を下ろしていて、同じような大きさのリュックを背負っている。
背丈はばらばらだけど、3人ともスカートから伸びるふくらはぎが棒のように細かった。
筋肉も肉も感じられないような細さだった。
今はこういう身体の子が多いんだろうか。
なんだか、胸が、きゅっとなった。

YouTubeに上がっている、『毛穴の黒ずみとバイバイ!』といった動画は何百万回と再生されていて、多くの女性に支持されている。

お肌はまっしろでつるつる、脚は細ければ細いほどいい。
ネットには、これが一つの正解といった雰囲気がある。


新築のマンション、ぴかぴか光る白い床、整えられた空間。
清潔感はあっていいけど、
時にそれはある特定の人しか寄せ付けないような、厳しさを感じる。

先日、晴れた日に、古書店を訪ねた。
あまりの居心地の良さに、その包容力に、心から安堵して深呼吸を2回した。(古書店だからほこりは多いのかもしれない。)
そこには他を跳ね返す力はなかった。


できるだけ、誰かによく思われるように、ダイエットしなければ。
できるだけ、誰かによく思われるように、着飾っていなければ。
そうしないと、理想は手に入らない。
どんどん加速していく。

誰かの正解になるのは、気持ちがいい。
誰かに選ばれることは、救いである。

手触りの良いものは心地がいいけど、
その価値観を狭めていけばいくほど
いつかわたしはなにも受け入れられなくなってしまう気がして。
それが怖いのです。
怖いので、もうそこからは降りようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?