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完全菜食麻婆豆腐

素人に毛が生えたレベルですが、極力わかりやすいように記載していきます。
後半に解説パートを入れますので、読んでくれる方はお付き合いください。

レシピ

材料(一人前)

【食材】
・長ネギ    :1/4本 
・ニンニク   :1片   
・ニンニクの芽 :2本
・干し椎茸   :2個
・キクラゲ   :2傘程度
・豆腐     :1/4丁
・水溶き片栗粉 :片栗粉大さじ1杯+水大さじ5杯程度

【調味料】
・ごま油    :大さじ3杯
・豆板醤    :大さじ2杯
・甜麺醤    :大さじ1杯
・昆布茶    :小さじ1杯
・鷹の爪    :1本
・花山椒    :好みで

①下処理(火を使う数時間前から準備してね)

1.干し椎茸に50ml〜80ml程度の水をさして、出汁をとる。

2.豆腐をキッチンペーパーに包み、数時間水抜きをする。

3.ある程度豆腐が固まっているのを確認したら、サイコロ状に切って、豆腐を下茹でする。(いつも私は塩を3つまみ分くらい入れて下茹でをします。)

②調理
⒈長ネギ・ニンニク(私は余っていたミョウガを入れましたが、特に要らないと思います。)を大き目のみじん切りにする。

2.フライパンにごま油を入れ、程よく熱する。

3.みじん切りにした⒈の材料と、適度にカットした鷹の爪を弱火〜中火で炒め、油に香りを移す。

4.具材が焦げ始める直前で、干し椎茸を戻した時の水を入れる。

5.豆板醤・甜麺醤・昆布茶を入れ、強火で熱する。

6.豆腐とカットしたキクラゲ、ニンニクの芽を入れ、味を絡ませる

7.キクラゲ、ニンニクの芽に火が通ったら、水溶き片栗粉を加え、とろみを出す。

8.お皿に盛り付けて、好みで青ネギや花山椒を散らせば完成!


自分で言うのもなんですが、普通に美味しかったです。
と言うのも、ただの自画自賛ではなく、ヒトの舌が美味しいと感じるように作っているので、美味しくなるのは当然なんです。
それを解説していきます。

理屈っぽい解説

まず第一に、ヒトの味覚は何を美味しいと感じるかといえば、旨味です。ご存知の方も多いと思いますが、第五の味、なんて言われますね。

旨味成分には大体2つ、アミノ酸と核酸があります。
アミノ酸に代表されるのは、旨味を呈するグルタミン酸
核酸に代表されるのは、キノコに多く含まれるグアニル酸と、肉由来であるイノシン酸です。

Veganは多くの場合グアニル酸を摂取できないので(適正な手続きで化学合成をしたものは別ですが)基本的にVegan料理には用いられません。

ならばこそ、グルタミン酸とグアニル酸で舌を殴るしかないんです。
そこで、干し椎茸の戻し汁と、昆布茶が活きてきます。

家庭科の授業のようになりますが、旨味は単独で使うよりも、アミノ酸×核酸という異なる分子を掛け合わせる事で、より美味しいと感じる。これを旨味の相乗効果と呼びます。

故に、昆布茶というグルタミン酸の塊は、Vegan料理において、絶大な旨味向上を担います。
正直、豆板醤や甜麺醤にも旨味は含まれますが、辛さでわからなくなってしまうので、昆布茶と椎茸の戻し汁は必須かな、と思います…

話は変わりまして、長ネギとニンニクも非常に重要な食材です。
ネギやニンニクは独特な匂いから、五葷なんて呼ばれているらしいですね。(最近グリーンバーガーを食べにモスバーガーに行った時、初めて知った)
自然派や健康志向、宗教上の問題からVeganismを実践されている方には申し訳ありませんが、私は倫理的Veganに向けて発信しているので、私が五葷を使用することは認めてください!

実はあの匂いの正体、硫化アリルという物質なんです。
ニンニクの匂いが苦手な方もいると思いますが、食欲が唆られる、という方が多いと思います。実際、硫化アリルには消化液の分泌を補助し、食欲を増加させる効果があり、香りだけで美味しく感じさせることが可能です。

甜麺醤も重要な素材です。
美味しいものって大体茶色じゃないですか?
バカみたいなこと言ってますけど、大真面目です。

糖とタンパク質に熱が通ることにより、メイラード反応という現象が起こります。
化学的な説明は極力避けますが、熱すると茶色くなって、茶色いものは美味しく感じる。という感じです。

嫌な例えですが、一番わかりやすいのはステーキです。肉を焼いたら茶色になって、生よりも美味しく感じるのは、メイラード反応が起こっているからです。

メイラード反応というものは、何も火を通さなくても自然と起こります。発酵食品なんかは、発酵時に発熱を伴いますし、そもそも味噌は気温が高いとメイラード反応が進んだりしてしまいます。
甜麺醤も発酵食品なので、例に漏れずメイラード反応が起こっています。

メイラード反応が起こった食材は抜群に美味しくなります。
少し前のフレンチ料理界はいかにメイラード反応を効果的に起こすかの競い合いでした。ブームは去りましたが、それはスタンダードになっているということでもあります。

最後に、最も重要な要素。
それは塩です。
塩分が強ければ、その分美味しく感じやすいです。
人が美味しいと感じる塩分量は約0.9%と言われています。
料理のコクの正体、ほとんどが塩分だったりします。
煮込み料理で何かが足りないと感じた場合、塩を足して1日味を馴染ませてみると、完成度が高まるなんて経験はありませんか?
そのために、豆腐を水抜きし、濃いめの塩水で茹である程度の硬さを保ち、かつ味をつけて麻婆豆腐の豆腐として美味しくなるような処理が必要なんです。
麻婆豆腐に必ず必要な工程は、豆腐の水抜きと、下茹でであることは間違いないので、まずは下茹でだけでもやってみてください。

と、ここまで旨味を感じる要素を盛り込めば、そりゃあ美味しいと感じるでしょ。という感じですよね。
多分料理が苦手な方でも、似たような味にはなってくると思います。
もう一般的な麻婆豆腐は食べませんので、食べ比べてどう、という比較ができませんけど…
それでも、美味しいと感じるものを出していけば、当然美味しいと感じられるようになりますので、是非やってみてください!

最後に

料理は化学です。
塩梅というものがわからなくとも、理論に従い、期待する反応を広く起こし、再現性を保証するものがレシピだと私は思います。
当然の如く、''肉は使わない''という倫理に則り、最大限美味しいものが提供できれば、幸いです。

誰が必要としているかはわかりませんが、出来ることをひたすらやっていくのが、非倫理的な態度を取っていた私の義務だと思います。
気に入ってもらえたなら、また次の記事でお会いしましょう。

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