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変化に対応し、顧客価値を最大化するためにGRITし続ける――Ubie Customer Science(UCS)マーケ担当者のプロセス改善とは

※必要最小限の時間で撮影しました。撮影の時のみマスクを外しております。

ヘルステックスタートアップのUbieには、運営方針やカルチャーが異なる2つの組織が存在しています。一つは事業開発に特化したUbie Discovery、もう一つが私たち、Ubie Customer Science(UCS)です。UCSは、Ubieのスケールとグロースを牽引する組織として、セールスやマーケティング、カスタマーサクセス等の領域を担っています。

UCSは顧客の価値を最大化させるために、「誠実さ」「GRIT」「当事者意識」「ラーニングプロフェッショナル(LP)」の4つの人材要件を設定しました。この4つはUCSメンバーの行動に結びつく価値観を言語化したものです。

今回は、マーケティングとインサイドセールスを担当している橋村(写真右)のGRIT(やり抜く力)を深堀りします。

お金とリソースが無限なら何ができる?

――橋村さんの経歴を教えてください。
橋村 「前職では、フィンテック系企業のマーケティング/インサイドセールスチームに所属していました。2020年6月からUCSにジョインし、以降はマーケティングとインサイドセールスを担当しています」

――前職とUCSではどんなところが異なりましたか?
橋村 「景色の違いを感じました。私が前職で所属していたインサイドセールスチームでは、すでにある程度の確立したオペレーションがありました。そのオペレーションからどれだけ価値を生み出すか、というところに焦点をあてていました。

一方、UCSはオペレーションありきではなく、顧客価値の最大化に向け常に変化が応じるため、そこから生じた課題に対して仮説と検証を繰り返し、オペレーションの改善と最適化を目指します。また、それを組織知として展開し、拡張していくためにオペレーションを再構築することも重要です」


――ジョインされた当時の印象深い出来事は?
橋村
「UCS代表の柴山から『もしもお金とリソースが無限にあったら何ができる?』と問われたことは印象的でした。自分の中で無意識に決めていた領域を取り払い、根本から見直す意識が必要だと感じました。

決められたオペレーションの中で最善を目指す方法では、いつか改善の効果に限界が生じます。既存のプロセスを理解したうえで疑い、プロセスそのものを改善するための仮説を立てなければ、と考えました」

セールスプロセスの仮説検証を繰り返す

――具体的にはどのプロセスの改善に取り組まれたのでしょうか?
橋村
「私が目を向けたのは、セールスプロセスです。入社した頃のUCSのセールス戦略は、アポ取得率と取得数をもとに成果を分析していました。しかし、それだけではどのアポが、どんな理由で有効だったのかまではわかりません」

――そこに疑問の目を向けた、ということですね。
橋村
「病院のセグメント、一人当たりの医師の見る患者数、規模、外部環境、商談相手の立場……。さまざまな要因がアポ取得や受注・失注の要因になっているはずだと考えました。仮説を立てたうえで異なる変数を取り入れ、一つひとつの商談の進捗に注目して検証を始めたんです。
とはいえ、最初からそのような視点で見れていたわけではありません。医療業界に関しての知見も少なく、最初はエリアや決裁者かどうかくらいの粒度で差異を見ようとしていましたが、病院は日本に約8,000しか存在しない狭き業界です。見ているセグメントの違いはあるにせよ、獲得できる商談数が少し前後することで、説明しきれないブレが発生していました。
そんな中、柴山と議論を進めながら区切る粒度を細分化し、検証を始めたという経緯です」

――その検証によって得られた成果は?
橋村
「仮説検証の結果、商談相手の条件が商談の確度に影響するということがわかっていきました。運営母体などの変数により、『商談相手は決裁者であるべき』というオペレーションは必ずしも最適ではない、という結論を導くことができました。

それまでのオペレーションでは決裁者、会社で言うところの社長に当たる人との商談を組むことができるのが正義だと考えていました。実際に受注率は商談が前に進むケースがが多かったです。

しかし事業の成長とともに外部の環境も変わってきます。直接顧客にインタビューを続ける中で、顧客からAI問診Ubieの認知のされかたが変わるのを感じました。実際に顧客と触れ合う中で生まれた仮説から、ある前提条件では、別のステークホルダーから攻略していくほうがいいのでは?と思い始めました。

前述したように、業界ならではの視点でしか見えてこない部分で、それまでは掛け合わせ過ぎて検証しきれず結局何が得られたのかわからない状況を作ってしまったり、と言った失敗も有りました。

そのような経験から、日々意識識していることとしては答えは0か1ではなく、グラデーションであるということです。今何がわかっておらず、何がわかると一番前に進むのか。という点ですね」

――ちなみに『商談相手=決裁者』というオペレーションの根拠は何だったのでしょうか?
橋村
「創業当初、商談相手が決裁者である場合とそうでない場合を比較したスコアは30倍ほどの差があったのです。しかしデータを見返してみると、直近ではこの差分が埋まりつつありました。

スコアに変化が生じた理由は、事業拡大と共に利用顧客が増え、顧客への認知が高まり商品への理解が深まったことが挙げられます。それに伴い利用顧客の幅が増えたからこそ、病院規模ごとのカスタマージャーニーを設計し直し、商談ごとに適切な相手に対してアプローチするという改善が必要だったわけです」

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過去の成功にとらわれず、新たな視点で改善を積み重ねる

――セールスプロセスの改善で、他に印象的なエピソードはありますか?
橋村
「まず、組織としてGRITするうえで重視しているのは『顧客にとってリターンが大きいアクションを見極め、優先順位をつけてやり抜くこと』です。いかに顧客への価値を最大化できるかにこだわり、取り組む優先順位をつけたうえで改善をかけていきます。

具体的なエピソードを挙げると、例えば失注へのアプローチにおいて次のように改善を計りました。プロダクトで解決できる部分、オペレーションで解決できる部分を整理しながら失注理由をまとめ、更にはオペレーション起因の失注理由に関して、セールスメンバー別に差分が出ていないかを確認しました。

失注理由別に商談を見ていくと、上手く進捗させられているセールスメンバーが数値で如実に浮かび上がってきます。失注する理由に個人差があったのです。具体的な例を上げると、失注理由の中に、「高齢の患者が多く現場での運用が回らない」=いわゆる「高齢者懸念での失注」が存在しました。

この「高齢者懸念」で理由で失注することが多いメンバーと、失注数が少ないメンバーに具体的な対応方法を確認しました。失注数が多いメンバーは高齢者でも問題なく使うことができるという実績を、データを用いて伝えていました。

失注数が少ないメンバーはデータを用いるだけでなく、ユビーを使った先の未来を伝えていました。(看護師さんの残業時間がX時間削減された。業務効率化されたことで患者さんと接する時間が増え、患者満足度が上がった)

この違いから、データを見せることも重要ではあるが、結局顧客にどういう価値を届けられるのかという点が明確になっていることが重要だとわかりました。すぐに伝え方や用いている事例などを言語化し、次の商談から使えるようにまで落とし込みました」

――マーケティングの領域ではどのような改善をされたのですか?

橋村「マーケティングの中でも壁にぶつかることが多々あります。SQL(Sales Qualified Lead)がある程度獲得できる施策でも限られた顧客数に向けて複数回アプローチしていく中で、ただ既存の改善だけでは伸びにくくなっていました。

これまでは院長と接点を持てているかどうかという軸で判断してしまっていたのですが、
一定層興味or 課題がある院長には接点を持ちきっているということが数字から判明し、別のメトリクスで見ていくことが必要でした。

それまではユビーの事例を様々な形で届けることで、一定興味関心の高い層には話ができていたのですが、低い層には接点を持つこともできていませんでした。

そこでカスタマージャーニーを新たに描き、興味関心のステップもメトリクスに落とし込みました。

その先で顕在層と潜在層に分けステップを作り、情報の届け方を整備していきました。
 -顕在層には業務効率化
 -潜在層には病院経営
のような形です。(※下記画像参照)

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――視点を変えて改善を繰り返していくのですね。
橋村
「はい。得られた成功体験を伸ばしていくだけでは、いつかその成果もまた頭打ちになるため、まずは既存のプロセスをやり切り、101%の改善を継続し続けることが重要となります。その上で改善されたプロセスの価値をさらに拡張するために、そのプロセスを再構築していかなければなりません」

――過去ではなく「現在、どこにボトルネックがあるか」を常に見つけて改善をやり抜くことが大切なのですね。
橋村
「今まではこうだった、ではなく、今起きていることの現地現物をみて改善を進めていくことが大切です。また、できていることとできていないことの差分を見出し、その差分を埋めるための仮説検証を止めないことも重要です。気付きや発見は、ときに小さなことかもしれませんがそれが大きなリターンに繋がる場合もあります。小さな改善を積み重ね、継続する力が、GRITの基礎基本になると考えています」

顧客への価値を高めるためのGRIT

GRIT(やり抜く力)とは、成功体験に囚われることなく、顧客への価値最大化に向け、課題をみつけ、それに対してどうアプローチするべきかを論理的に考え抜く力、そして実現するために仮説検証を繰り返しやり抜く力です。その積み重ねは、顧客の価値を最大化させるというUCSの使命を具現化していきます。UCSはシェアNo.1を目指し、今日も既存のプロセスを疑い、改善を続けます。

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