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ドラゴンクエスト10を振り返っていく  15.ふくびきけんと魔法の迷宮

今回はver1内で、流行りに流行ったふくびきけんと魔法の迷宮について振り返ってみたいと思います。

ふくびきけんが大流行。

ふくびきけんとは、もともとはドラクエ2の中で実装されていたアイテムでした。薬草や毒消し草を購入したついでに、道具屋さんからもらえるお楽しみ券がふくびきけんであり、ふくびきを回せば、すごいアイテムがもらえるという仕様ですね。

スクリーンショット 2021-05-26 165053ドラクエ2。ふくびきけんの画面を用意できませんでした笑。1等は、ゴールドカード(購入するアイテムの値段が割引になる)、2等は、いのりのゆびわ。ドラクエ2において、この二つのアイテムの価値は相当なものだった。

ドラクエ10にも実装されたわけですが、ふくびきけんの景品が魅力的で、みんな一斉に、ふくびきけん回収に毎日奮闘することとなりました。ふくびきで得た景品は高く売れますからね。今でも、この金策は一つの簡単な有効手段です。

また、ver1.3から大陸ごとに景品が追加されたことで、より差別化され、プレーヤー自身でどの景品を狙うのかを決められるようになりました。

オーグリード→ボスコイン(魔法の迷宮で使用)
スクリーンショット 2021-05-26 161911ver5.5では、1等がムドーコイン、2等が魔犬レオパルドコイン、3等がドラゴンコインです。コインボスが追加されるたびに、更新されてます。
ウェナ→花やしぐさ書
スクリーンショット 2021-05-26 164529現状では、しぐさ書とレアカラーフラワーが景品になっていますね。正直、あんまり狙ったことがないのが、ウェナのふくびき。
アズラン→貴重な道具
スクリーンショット 2021-05-26 1645051等では、天地雷鳴士が召喚できるげんまのコスチュームを変えられますが、2等はせかいじゅのしずく、3等はけんじゃのせいすいと貴重なアイテムです。エルフの飲み薬がもらえた時は、利用してました。
プクランド→フィギュアや家具などのハウジング関係
スクリーンショット 2021-05-26 164618現在は、「ついてくん」という後ろからついてくる、かわいい動物やモンスターが1等の景品、2等3等がハウジング関係ですね。今度引いてみようかな。
ドワチャッカ→きんかいや金貨(ゴールドそのもの)
スクリーンショット 2021-05-26 164550ドワーフは金にもめざとい種族だけあって、きんかいがたくさんもらえます。ふくびきの景品を換金目的で狙うのであれば、こちらで引いた方が得になることもありますね。

各大陸ごと、貴重な景品ばかりで、当時を考えると目移りしますね笑。でも、誰もが欲しい、当てたいものだったので、コンテンツとしても大流行したのだと思います。

ですが、これはリアルラックであり、オンラインですので一切やり直しがききません。つまり、出たとこ勝負!ここがプレーヤーたちがもっとも熱中した部分だったように思います。プレイがうまいとか、要領が良いとかまったく関係なく、運の勝負ですからね。

スクリーンショット 2021-05-25 225934ver1.3当時のオーグリード大陸の景品です。ver1.2まではどこで引いてもすべて同じ景品でしたが、ver1.3からは大陸ごとに異なるようになりました。景品の変更は多々ありましたが、ボスコインが取れるオーグリード大陸は、今でも人気ですね。
~余談ですが~                            今ではザルのように手に入り、「スペシャルふくびきけん」も登場。各プレーヤーの所有枚数が多すぎるために、10枚、100枚一気に引くなんて、もう当たり前ですね。しかし何枚引こうが、景品が出る確率を変えれば、全プレーヤーに行き渡る景品の量は、同じにできます。長い目で見ても、寿命が長いコンテンツだと思います。

ふくびきけんを集める毎日が始まる。日課とまで言われたあの頃。

前述した通りで、ふくびきけん集めがプレーヤーたちにとって、必須となりました。まず、ふくびきけんを集めるために用意されたのは、5か所の町に設置された「借り物クエスト」。これらはクリアすれば、1日1枚ずつふくびきけんがもらえる形なので、当時は1日に回れるだけ回って、ふくびきけんを集めていたプレーヤーが多かったですね。

しかし、この借り物クエスト。自分だけじゃなく、パーティーにいる誰かが指定の条件に当てはまれば、クリアできてしまうという仕様でした。そのため、プレーヤーたちはチャットでこぞって「〇〇のしぐさ持っている人いたらお願いします!」とか、「〇〇職人でlv〇〇以上の方探してます」と叫んでいたり、逆に、親切な方は「〇〇のしぐさ持ってます」とか、「〇〇職人です」などと協力を惜しまないチャットを飛ばしている人もいたのです。

つまり、ふくびきけんを求める行動が、結果的に他のプレーヤーと協力することになるのです。この時に味わった小さなつながりや感謝が、ドラクエ的なオンラインゲームの「やさしさ」であったように、今は思えますね。

グレン→しぐさクエスト
スクリーンショット 2021-05-26 151050指定のしぐさを要求されるクエストです。いろんなしぐさが飛び交う光景でもあったので、愉快な気持ちにもなれましたね。難易度は低めでした。
ジュレット→セット装備クエスト
スクリーンショット 2021-05-26 153727指定のセット装備を着ていればクリアでしたが、いろいろなセット装備があり、一筋縄ではとてもいかないクエストでした。その分ふくびきけんを多くもらえることはできたのですが、あまり人気ではなかったかな?難易度は激ムズで、運が良ければという感じでしたね。
アズラン→職業レベルクエスト
スクリーンショット 2021-05-26 151600「魔法使いlv50以上」などの指定でしたので、ガチプレーヤーほど達成しやすい条件でした。始めたばかりの人には苦しいクエストですね。
オルフェア→称号クエスト
スクリーンショット 2021-05-26 153230指定された称号を持っていればクリアというクエスト。称号の獲得条件も様々で、何をどうすれば獲得できるかどうかは、まだまだ理解していない部分がありました。そのため助けてくれる人も多かった印象です。難易度は中ぐらいでしたね。
ガタラ→職人レベルクエスト
スクリーンショット 2021-05-26 153452「木工職人lv20以上」というように、職人だけではなく、レベルまで指定くるために、自分だけでは達成が難しかったクエスト。協力を求める、もしくは助けるチャットもかなり飛び交っていましたね。
今なおも、これらのクエストは存在しているのですが、ふくびきけんの入手手段が増え、1つクリアごとに1枚ずつしかもらえない仕様から、ほとんど見向きもされない状況です。これ以上ふくびきけんを飽和させないためにも、放置されているのかもしれませんが、クエストの報酬であるふくびきけんの枚数を1回5枚まで増やして、1日2か所までしかクリアできないなどの制限があれば、彼らもまた輝くときがくるのかな?と思いました。初心者に優しいドラゴンクエスト10であるならば、検討してもらいたい発想です。

そして、魔法の迷宮でもふくびきけんがもらえるのですが、プレーヤーたちは魔法の迷宮の面白さにハマっていくのです。

魔法の迷宮の中毒性とは?オートマッチングの面白さ。

魔法の迷宮とは、ドラクエ10内における初のオートマッチングコンテンツでした。わかりやすく言えば、まったく知らないプレーヤーと自動でパーティーを組み、迷宮を攻略するというコンテンツです。

一見すると、知らない人といきなりパーティーを組むだなんて…と、抵抗を持ちがちなのですが、迷宮はシンプルな造りになっていて、目的はボスを倒すというわかりやすさ。何も言わなくても、全員が目指す目的は同じですから、特に何かを話し合う必要はないわけです。つまり、気楽に他のプレーヤーと遊ぶことが可能なので、力を合わせて戦う喜びを純粋に味わうことができたのです。

しかも当時は、ふくびきけんの報酬は2枚か3枚のランダムでしたので、3枚のふくびきけんをもらうまで、魔法の迷宮を回り続けるというプレーヤーも続出しました。強い敵が出て、全滅するときもあったんですけどね笑。

ふくびきけんをもらう目的で始めたはずだったのに、日替わりのプレーヤーと遊ぶことが楽しくなり、気が付けば魔法の迷宮そのものが楽しくなる。よく考えられた仕掛けだったと思います。

画像1魔法の迷宮も5種類存在しており、各種族の像がスタート位置で出迎えてくれます。迷宮のマップもランダムだったので、飽きさせない造りだったのです。

コイン投入の用途がメインになった魔法の迷宮

しかしここ数年どころか、ver2以降からドラクエ10を始めたプレーヤーは、当時の魔法の迷宮の過熱ぶりについて、あまり知らないのではないでしょうか。というのも魔法の迷宮は、コインボスやメタル系のモンスターコインを投入するコンテンツ、という印象に変化したと思います。では、なぜこのコンテンツが変化していったのでしょうか。

そもそもの発端は、レベル上げの一助として、魔法の迷宮が機能し続けていることから、考えてみなければいけません。

レベル上げの用途としてはメタスラコイン(使えばメタルスライムが出る)が迷宮で多く使われていたのですが、このコインは、当時はふくびき以外の方法で入手することはできず、まだまだ貴重な価値を保っていました。しかし、メタスラコインを使用しても、魔法の迷宮をクリアするのに要する時間はショートカットすることはできません。当時魔法の迷宮は、1F・2Fはモンスターとの戦闘、間にアイテムを取るフロアがあり、3Fでボスとの戦闘をし、クリアすることで脱出する仕様だったのですが、このお決まりの迷宮巡りが、レベル上げの効率には邪魔になったのです。元気玉(経験値2倍になるアイテム)は、1回30分限定ですので、30分の中で少しでも早く回って、1回でも多くメタルスライムを倒すことが求められていったのです。

一方で、Vジャンプの購入特典でもらえたVロンコインや、季節イベントやコラボイベントでもらえたコインなどが、どんどんプレーヤーの手元に配布されたのですが、これらをショートカットコインとして使うプレーヤーがどんどん増えていきます。ショートカットを貴重なコインボスで代用するのには、あまりにもったいないですから、生み出されたプレーヤー側の知恵であったようにも思いますね。

画像1メタスラコイン使用時でしか、ドラクエ10ではたくさんのメタルスライムに会うことはできません(初心者用のイベントを除いて)。一気にレベル上げが可能になる夢のような瞬間が、ここにあったのです。

気が付くと、コインを投入し、レベル上げを達成するコンテンツという性格が強くなっていきました。また同時に、バージョンアップごとに、コインボスはどんどん増えていきます。アトラス、バズズ、ベリアルに始まり、3体まとめで出る悪霊の神々コイン、バラモス、ドラゴンガイア…今では一体どれだけコインボスがいるか、すぐに思い出せないほどにいますから、コインボスという存在が気軽になりました。実装された当初は強くても、時間がたてばたつほど、プレーヤーのレベルは上がっていきますから、簡単にコインボスが倒せるようになっていくのです。

画像1現在は、メタル迷宮招待券というアイテムを使うと、簡単にメタルキングに会うことも可能になりました。経験値上限も499999まで解放。1周回るのもわずか3分程度。何もかもが便利になりましたよね。

また、これはver2での実装ですが、王家の迷宮というコンテンツの報酬として、簡単にボスカードなるものが手に入るようになり、ますます魔法の迷宮はコインやカードの消費として、用いられるようになっていきました。そうなると、他のプレーヤーが承諾もなく、突然カードやコインを投入することが起こり、投入されたコインボスと戦いたくないプレーヤーが突然、パーティーから離脱する問題も多発。魔法の迷宮には、めんどくさいと思うような、ネガティブな印象がついていく事になります。

さらにふくびきけんも、色んな用途で気軽に手に入るようになったこともあり、ふくびきけんを求めるプレーヤーも減少。

以上のことから、本来のオートマッチング機能は鳴りを潜め、コインを投入するコンテンツへと変化していったのはこの為だと思います。

もちろん、開発側も対策を打っていないわけではありません。みちびきキャラなるトルネコやミネア、テリーなどのシリーズキャラが登場したことや、一人でもサポート仲間を連れて、コインボスと戦うこともできるようになりました。また、既にクリアしたプレーヤーにお手伝い報酬なるものを加えて、初心者が魔法の迷宮のコインボスに挑みやすくする仕様など、様々な工夫を施し続けているわけです。

画像1現在はモコモコハウスという、モンスター達が出迎えてくれるようになりました。ここから、魔法の迷宮へ向かう人がほとんどじゃないでしょうか。前までは、のざらし状態でかわいそうでしたね笑。

ですが話を戻すと、本来のオートマッチングコンテンツとしての役割は、まったく戻ることもなく、意味をなしていない状態だと思います。既に役割を終えたからいいのではないか、という意見もあるかもしれませんが、他のプレーヤーと気軽に遊べるコンテンツは、これ以降知りません。あの時、あれだけの人たちが熱狂して遊んでいたコンテンツだけに、当時を知る者としては寂しい気持ちになってしまいますね…

スクリーンショット 2021-05-26 161731たかが、ふくびきけん3枚のために…と今なら思いますが、当時は3枚ももらえる!という感覚でした。1000枚すら、誰もが持っている今から考えると、信じられないんですけどね。

ふくびきけんと魔法の迷宮の話だけで、こんなに長くなってしまいました。コインボスについても書きたかったのですが、それはアクセサリーと深い関りがありますから、アクセサリーの回で振り返ってみたいと思います!次回はヴェリナードのストーリー攻略です!お楽しみに。

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