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帆風千春という伝説

帆風千春が卒業した2/28のライブから早いもので1ヶ月が経とうとしている。帆風千春がいないナナニジにもようやく慣れてきたところだが、まだまだ帆風千春がの名前を目にすることがある。
卒業ライブとなった「僕が持ってるものなら」発売記念Liveは私が経験してきたライブの中で間違いなく最も泣けるライブとなった。アイドルのライブ自体は初心者であるが、アイドル以外であれば年間30程度のライブに行っている者として、あのライブの素晴らしさは特筆すべきものだったと思っている。
22/7というアイドルグループのパフォーマンスはさることながら、やはりリーダー・帆風千春の卒業というセンチメンタルな空気に包まれていたことが感動の要因であったことは間違いがない。
それだけ帆風千春という人が大きな存在であり愛されていたからこそ、あの空気が生まれ、感動的なライブとなったのだと感じている。
拙文であはるが、帆風千春という人物の魅力を自分なりに考察してみた。

帆風千春を知った日

私がナナニジのリアルメンバーで初めに顔と名前が一致するようになったのが帆風千春である。計算中を通してナナニジに興味を持ち始め、キャラクタのYoutubeチャンネルやナナニジの公式チャンネルを見るようになった。ちょうどそのころ、帆風千春のSHOWROOM配信の動画がおすすめされるようになった。サムネイルに表示されている帆風千春がとても美人で、ものすごく気になってしまった…。正直言って、めちゃくちゃタイプである。

動画見てみると、気さくで話が意外と面白い。それから帆風千春とは何者だ?となり調べてみたのだ。そうすると、どうやらナナニジのリーダーであること、佐藤麗華の声優だということ、グループの中で抜群の歌唱力を誇ることなどがわかってきた。そのころにはナナニジの歌を聴くようになってきていたのだが、自分は帆風千春の声が好きらしい。俄然、興味が湧いてきたのだ。
すぐに他のメンバーと一緒に配信している動画もおすすめされるようになった。そこには楽しそうで穏やかなメンバーと帆風千春がいた。あの西條和でさえもニコニコとよくしゃべる。また別の記事に書くつもりだが、最初は西條和が苦手だった。でも、帆風千春と楽しそうに話をしている西條和を見ていると、極端にシャイなだけで打ち解けるとかわいらしい女の子であることがわかってきた。なんだ、いい子じゃないか。すぐに苦手意識はなくなった。
帆風千春は威厳ではなく共感で皆をまとめるタイプのリーダーのようだ。それゆえ、メンバーからとても好かれている。帆風自身もメンバーに対して愛を持って接しているように見える。仲がいいグループだということが伝わってきて、コンテンツだけではなくグループ自体にも興味を持つようになってきた。とにかく平和な空気感で、見ていて癒されるのである。
私は帆風千春を通してナナニジのリアルメンバーの魅力を知ったのだ。彼女のやさしくてポジティブなオーラが、メンバーやグループ全体の魅力をうまく引き立ててくれていた。

帆風千春に見る現代的リーダー像

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帆風千春本人は自分は末っ子で甘えたがりで、本当はリーダー向きではないと言う。でも私はリーダーとしての資質が十分にあったと思う。
彼女はグループの中でもメンター的な要素がかなり強い。メンバーの精神的な支えとなっていたことはメンバーからの手紙によく表れている。不安を感じているメンバーにいつだって帆風千春の方から寄り添ってくれる。規模の大きなオーディションだったとはいえ、結成されたばかりでこの先どうなるかもわからず、アイドルの道を歩み始めたばかりの若いメンバーにとっては不安も多かったかもしれない。レッスンも厳しかったようである。そういう環境において、やさしい年上のお姉さんがいると安心だったのは想像に難くない。もしもっと厳しい人であったならば、グループに今のような和やかな空気感とは違うグループになっていたのではないだろうか。
現代のリーダーには共通のビジョンを掲げることを求められる。グループ全体の共通のビジョンというものは難しいかもしれないが、それぞれの思いや将来の夢がある中で、声優になりたいと公言し活動していた姿は迷いを持ったメンバーにとってもいい影響になったことだろう。このことは天城サリーもインタビュー記事の中で触れている。グループの中でメンバーと同じ視線でものを見て共感し、個人の夢を持ちながらも真面目にグループのために活動していた姿はまさに現代的なリーダーだったのではないだろうか。

声優という夢の目指し方

そんなリーダーが自分の夢のために卒業という決断をした。私には知る由もないが相当に悩んだことだろう。声優という職業を目指すのであれば、ナナニジに残るのも選択肢の一つとしてあったはずである。むしろオトナの考え方をすれば、残ることの方が安全かもしれない。ナナニジにいれば声優以外の仕事の方が多いかもしれないが、芸能界で生きていくことはできたはずである。安全かもしれないが、遠回りかもしれないし行き先も別れている道だ。
ナナニジの卒業は夢に対してまっすぐに進む最短経路だ。険しいかもしれないが、到着地点がしっかりと見えたまっすぐな道だ。辿り着くには本人の努力と実力が必要になる。まっすぐかもしれないが、自分の力で歩まなければならない。
どちらの道を選んでも夢を叶えるのは大変なことだ。どちらの選択もとても重く、どちらも正解なのだ。道の選び方は人それぞれで、帆風千春は自分の力でまっすぐに夢に向かう道を選んだ。今まで歩んできた道から外れ、別の道を歩む決断をした。私は彼女よりもだいぶ年上ではあるが、その勇気ある決断を尊敬している。

私が知っている声優業界の話

直接の知り合いではないが、声優業界について話を聞いたことがある。今は役よりもずっと多くの声優がいることが知られている。その中でオーディションが行われ、役を勝ち取っていくのである。非常に厳しい世界だ。
そのため、まず初めに大切になるのが何でもいいから声優の仕事をするということだ。とにかく一つでもいいから実績を作るのが大切らしい。実績があるとないとでは、その後の仕事に大きな差が生まれるらしく、誰しも初めの一つの役を得るのに必死のようだ。
その点、帆風千春はすでに大きな一歩を踏み出しているのは間違いがない。ナナニジで佐藤麗華という役を全うし、キャラクタを魅力的に育て上げた。ナナニジ以外でも多くはないがアニメの声優をすることができた。少なくとも、この実績は新人声優とは全く違うものだ。
ナナニジを卒業してもこの事実はリセットされない。険しい道を選んではいるが、決して無謀ではない。
それにあれだけ皆から愛されていたのだ。その人徳は人生においてプラスに働く。だから帆風千春は大丈夫だと思っている。きっと私たちの目の前に素敵な笑顔でまた現れてくれる。

輝きを増しながらの卒業

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2021/2/28。「僕が持ってるものなら」発売記念ライブ夜公演。メンバーからの手紙には本当に泣かされた。別れを惜しみながらも華々しく送り出そうとしているメンバーやスタッフからの愛に満ちあふれた時間だった。
このライブは多くの告知があったはずのライブであった。昼公演ではその告知が行われていたのだが、夜公演では一切なかった。販売戦略を考えれば、告知はした方が良かったであろう。でも、夜公演では帆風千春の卒業公演として終始一貫していた。ここまで美しく華々しい花道を用意されたのは、スタッフにも愛されていたからだろう。
メンバーも最高のライブを作ろうと懸命にパフォーマンスを行った。暗い湿ったライブにならないように終始明るく楽しもうと全力だった。それでも、どうしても頭をよぎってしまう卒業という事実にメンバーも帆風千春もエモーショナルになってしまう瞬間がいくつもあった。明るく送り出してあげたいという気持ちと、どうしても隠し切れない寂しさがリアルにひしひしと伝わってくる。メンバーを愛し、メンバーから愛されたリーダーの卒業がどういうものなのか、一番よく表現していたのはナナニジが全員がパフォーマンスする姿だった。
メンバーとスタッフが作り上げた最高の空間で帆風千春は輝いて見せた。「優等生じゃつまらない」と「空のエメラルド」はまさしく集大成であり、聴衆の琴線に触れる心の叫びであった。未来への希望をもって自由に生きていく様を感動的に表現してくれた。まわりの助けも借りながら、最後の最後まで輝きを増しながらの卒業となった。これほど感動的な瞬間に巡り会うことは今後ないかもしれない。
帆風千春は最後の最後まで輝きを増しながら卒業した。

帆風千春が伝説になる日

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最高の感動をもたらした卒業ライブは今後ファンの中で語り継がれるであろう。私は少なくともこれまでに200以上のライブに行っているが、一番感動したライブだと断言できる。それほどに素晴らしかった。
彼女は近い将来、必ず表舞台に戻ってくるだろう。そしてナナニジのメンバーと共演を果たしたとき、彼女たちの物語の新章が始まる。お互いが切磋琢磨し活躍の場を広げたとき、2021/2/28は伝説のライブとなる。
私はその日が来ることを信じて待ちわびている。

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