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entry number.9-8『初恋の人からの手紙』

さて、手紙か。しかも「初恋の人からの手紙」ときたもんだ。んー、どうしよう。書きにくいな。……書こうか。匿名だし。

「初恋の人からの手紙」で思い当たる手紙はある。思い当たるというか、忘れられない手紙なんだ。10代の頃……

「手紙を書く」すばらしさを私に教えてくれた人で、はじめての恋人で、相手が年上だから私は頼りにしてて、なんでも話す友のようでもあった人。

私が本を読むようになった理由が、この人なんだ。今も呼ばれている私の呼び名○○も、この人が呼び始めたのです。

その人と恋人関係を解消するとき、最後にもらった手紙は今も覚えている。

「あなたとはもう付き合えません。これ以上、ライオンと檻の中にいるのは正直しんどいんです。不安なんだよ。檻の外から見ている分にはいいんだけど、いっしょには、いれません。好きなんだけど、好きだからこそ、しんどくなっちゃった」

言葉を含め暴力をふるっていたわけではないんです。断じて、ない。

ただ、心を傷つけてしまったのはたしかだ。そちらの方が罪は重いのかもしれない。

当時の私はバカだった。

恋人がいるにも関わらず遊びまわっていた。恋人ができた自信でモテ始めたのだ。

何を考えているのか、好きになってしまった異性の相談を、なんと恋人にしていたのだ。話す相手がいなかったとはいえ、やっぱりひどい。

目の前の人を笑顔にする。なんてさ、当時は口が裂けても言えやしない。似たようなことをしていたけれど、目の前の相手より自分が楽しむためだった。自分のためだけだった。

私たちはオタクでネクラだった。だから気が合ったし、二人だけの世界で完結できていたんだ。お互いが「あなただけいればいい」と思っていた。青春だね。

別れてからは少しの間友だち関係が続いたけど、やっぱりお互いに辛くなるだけで。

いつのまにか連絡が来ることはなくなり、お互いの連絡先も変わってしまいました。

100ー0で私が悪かった。

悪いことをしました。調子にのっていた私を笑ってくれて、いつでも側にいてくれるものだと勘違いしていました。

今もしも再会したら本当に土下座するよ。

……久々に思い出したな。

同級生から結婚の噂を十数年前に聞いたときは嬉しかったよ。どうか今もどこかで、元気で、あの時の笑顔で、笑っていてくれますように。

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