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エッセイ

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#つれづれ

タイムライン上の朝顔

澄みきった写真を撮る人。水の流れる音、花の香り、屈折した光の切り取り方が絶妙。「おつかれ…

「不便」は楽しかった

宝箱を持っている。正確にいえば、持っていることを思い出した。 表面に花柄がぷくっと浮き出…

畦道で夏が呼ぶ

3ヶ月前、玄関を出たら雪の壁だった。白に白が重なって目がくらむほど、白。粉雪と氷の粒とが…

黄金色の芝を走るスーパーカー

「ようい、スタート」とピストルが鳴って走り出したその瞬間から、あっという間に見えなくなっ…

得たいものが、検索上位になかった

信じたいものや心地よいもののみの摂取をやめてみるのは、ときに大切だと思う。第一、世界が広…

こんな日に虹を撮る

今日は、朝から霧雨が降っていた。音もなく、風にさらさら流れてしまうような雨。傘を差す意味…

大人になった私は、言葉の宝石を見落としていた

“想いの熱量”。そのものさしとは、何だろう。 ◇ 娘と一番仲のよかった友達が、保育園を転園した。仲のよかった、というより、ほぼ一心同体。園へ送っていくと、その子がとびきりの笑顔で娘のそばに駆け寄って。そして必ず、手を握ってくれる。 お迎えへ行けば、「またあしたあおうね、ほいくえんくるよね?」キャッキャ言い合いながら、お互いをおんぶ、抱っこ。彼女たちの5年の人生のうち、そんな関係がもう3年もつづいていた。  私は事前にその子のお母さんから転園の話を聞いていて、娘にどう伝