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水煮さんの創作鑑定レポ──締切が近いのに恋の話が書けなさすぎてヘルプを頼んだ件

※本記事は、自サイトに投稿したレポを、ある程度あたりさわりなく剪定し、公開向けに整えたものです。
※本記事には、二次創作、BLの話題が含まれます。
※本記事には、具体的な作品名・キャラクター名、私の書いた作品などは出てきません。

ついに、水煮さん(@mizuni_can)の創作鑑定を受けてきました!

サービスの詳細はこちら → http://hoshican.jp/session

占星術を用いて、創作関係の鑑定を行っていただけます(創作以外の質問も受け付けていらっしゃいます)。
私は、目から鱗だったり、納得だったり、嬉しかったり、充実した1時間をいただきました。
これは私の記録と思考整理のための記事ですが、水煮さんの鑑定に興味がある方の参考になれば幸いです。

レポの前に、予告編。水煮さんの名言サマリーです。
レポの中には出てこない話も入っています。

鑑定における、水煮さんの名言サマリー

レポだけ読みたい方は、「鑑定レポ」からどうぞ。

鑑定までの経緯

去年の8月頃に創作鑑定を知り、抽選に応募を始めたのでした。私は占いが好き、人に創作物を見てもらって感想を教えてもらえるのが好き、ですからね。
月2回の抽選にほぼ毎回申し込んだのですが、累計20回を超える落選。それだけ人気なのですね。他の方のレポでは、30回以上申し込んで初めて当選したという方もお見かけしました。

そんなわけで、その時々に「これを占ってほしいなあ」と考えていたことは自力でなんとかし、本は6冊できてしまいました。

今回は、イベントに出したい新刊がなかなか書けないというピンチに。イベントまで3週間を切り、切羽詰まっていたので、初めて「時価」枠で申し込みました。
申込みから数日で鑑定していただけました。感謝……!

Skypeを使った鑑定で、チャットか通話が選べます。私は通話にしました。
事前に許可をいただき、録音させていただきました。Skypeの録音機能を使い、後でGoogleドキュメントを使って文字起こししました。メモから漏れていたことも多かったので、やはり録音させていただいてよかったです。

鑑定の事前準備

事前にメールでお送りしたこと。

  • 生年月日

  • 出生時刻

  • 出生地

  • 質問したいこと

  • 見てほしい創作物

生年月日~出生地の確認は、母子手帳が便利です。

質問したことは以下。

  1. 私に合っている作風について(特に、恋について)

  2. モチベーションについて(特に、今の原稿をやり抜くための)

  3. 同人界隈において、私に向いている交流のコツ

  4. お送りした作品へのご感想

それぞれの質問について、補足説明も添えてお送りしました。

鑑定レポ

1時間で質問4点にきっちり回答いただき、情報量に圧倒されました……!

印象深いフレーズをたくさんいただきました。特に書き残しておきたいことについて、以下に記録していきます。

鑑定は、二次創作の同人誌を作るときの名義「蔦子」で受けたので、水煮さんから「蔦子さん」と呼ばれています。

0. 人生のテーマについて

話がとっ散らからないようにということで、人生のテーマについて、最初に教えていただきました! 「創作のテーマ」と読み替えてもいいそうです。わくわく。

以下、★印は水煮さんの発言です。(多少編集しています。)

★ 概要:なんでも使って人生を思い通りにしていく(パワータイプ)
★根っこの欲求:人の言うことを聞きたくない
★ 自分にとって合理的な方法を使いたい
★ そのために、他人を利用し、状況を壊して変えていく
★ 強気でいる方が周りも安定する(実際強い)

わかる気がします。自分にとって合理的な方法を取ることによって、後進に対して、「そういうやり方もあるのか」っていう励みや参考になれたらいいなと思っている節があります。

1. 私に合っている作風について(特に、恋について)

新刊で「幸せな恋」や「恋したことを心から肯定する恋」の話に難儀したので、私に向いている恋について伺いました。

下のは私の過去の発言です。恋をさせると破滅させてしまいます。水煮さん、よろしくお願いいたします。

登場人物が激情または恋情を見せると(私が)動揺して(登場人物を)落命または殺害させがちなのなんとか克服したいと思っている、思ってはいるの

https://twitter.com/your_re/status/1476164839718686722

まずは、恋に限らず、合っている作風について。実際に読んでいただいた作品の感想も交えながら。

送った作品は3点。書きかけの恋の話1本と、これまでに書いた恋の話を2本です。合計50,000字程度。

1) 話の作り・読んでいる時の感覚について

★ここにあるものをありのまま描くというよりは、そこにあるべきものを、絶対に他の解釈をされないように管理・構築していく
★語り手が迷いなくどこかに向かっているのが伝わる。読みながら感情が揺さぶられても、きっとたどり着くところにはたどり着いてくれるという安心感がある
★ 余計なものは読ませない。でも必要な時間は全部よこせ

「あるもの」ではなく、「あるべきもの」を書いている……わかる……。
いわゆる「幻覚」(見えたもの)をそのまま書くのが苦手です。そもそもあまり幻覚が見えない。

『絶対に他の解釈をされないよう』について。私としては、読み手にどう解釈してもらってもありがたい、というスタンスだったつもりなのですが、確かに「ここぞというところは誤解されたくない」とも思っていました。

『安心して読んでいられる』とおっしゃっていただけるのは本当に嬉しいです。私は自分が思うより、話の構造にこだわっているのかもしれないと思いました。

『余計なものは読ませない』については、私は推敲の時にけっこう削るので、わかる……と思いました。『でも必要な時間は全部よこせ』、ドキッとしましたが、そうなんですよね……。無駄なものは全部削いでいるつもりなので、作品に残ったものは全部食べてもらえたら嬉しいです。残っているのは全員チャンピオンなので……。

2) 負の感情と地雷

★ 読者の感情をひたすら苛烈に揺さぶる
★ 負の感情一択。負の感情の運用がすごく上手い
★ 「せっかくこんな恨みを抱いたなら、吐き出して気持ちよくなった方が得だ」と思いがち
★ 心の膿んでいた部分を、地雷を踏まれるように刺激されたときの、痛み・怒り・恐怖に特化しまくっている
★ あえて地雷を踏まれて爆発し、その火力で全てめちゃくちゃにする

改めて書き出すと本当にやばい奴ですね。ところで、私は、「私怨作文」というジャンルを持っています。私怨を作文として吐き出して、心を慰めているのです。水煮さんのおっしゃるとおりです。

あと、もう一つ面白かったキーワードは、『地雷』ですね。私が作文するときに大事なキーワードで、ドキッとしました。
登場人物の地雷が何か考えて、それを作中で地雷を踏ませて、傷つけて、さあ君はどうするんだい? って反応を見ています。その人にとって最も大切なものが損なわれたときにこそ、本質が出ると思っているんですね。怖いですね。

3) 恋の話

お待ちかね! 恋の話です。

★ 基本的に破壊一択タイプ。恋を書こうとすると、破滅が免れない
★ 恋する二人組を守るには、彼らを爆心地にして世界を滅ぼす
★ 仲間全員は守れない。腕の中にいるたった一人しか守れない
★ 穏やかな恋はとても難しい

恋が苦手すぎる!

確かに、「そもそも幸せで穏やかな恋なんてものがあるのか」という根本的な疑念を持って生きています。どうして穏やかな恋が書けると思ったのか。

幸せな恋ってなんだよ、恋の幸せがあるだけじゃねえのか

https://twitter.com/your_re/status/1547585938985226240

そして。ここは特に印象的だったので、ほぼそのまま引用します。

水:恋はあくまでも関係性のきっかけに過ぎなくて。最初は恋だったものが、相手との関係性が構築されるにつれて、深まっていくにつれて、どんなものになってしまうのか、それをじっくりと観察したい。観察した上でダイナミックにドラマチックに描いていきたいという星回りにもなってるかなと。実際の作品と、すごく一致するんですよね。「全員ベストを尽くしたけど別れてしまう話」とか(注:事前にお送りしておいた話の一つです)。

目から鱗……!

恋は目的ではなく手段だったんですね!?

私、恋が恋である最中の恋らしさを書くのが、試してみたけれどやはりどうしても苦手でした。だけど、恋はバーナーであって、何を加熱してどういうものに変性させたいのか、という思考もできるのですね。「恋の後」について考えると、新しい展望が拓けるような気がしました! ありがとうございます!

4) 作風・文体の話

このあたりで、思いがけず、文章の印象の話を伺えました! とっても嬉しくて面白かったので、会話形式で引用します(態度に出やすいぞ)。
水煮さんの表現力と、私の動転をお楽しみください。忙しい方は、太字を拾い読みしてください。

水:柔らかい恋では確かにあるんですけれども……いや、柔らかくないですね!
蔦:www
水:柔軟性はあるんですけれど、なにか、「優しくてふわっとして甘い」じゃないんですよね。
蔦:ああ……そうなんですね。
水:そう、味が濃い……。ずっと脳裏をよぎっている、色合いのイメージとして近いのが、ブラックオパールなんですよ。
蔦:あっ、かっこいい!
水:黒地の中に、赤とか青とか緑の、斑が光る。あの色合いですね。
蔦:めっちゃ嬉しいですが、確かに私が、こういうものを書きたいとぼんやり思っていた恋とは違いますね。あはは。
水:そうなんですよ。恋のキラキラをすごく意識している感じも、あるんですよね。恋に対する理想みたいなものが、確かに存在しているんですよ。特に書きかけの話ですね。
蔦:そうですね。
水:ただ、そことは乖離したところで、実際の関係性が、もっと地に近い部分、地に落ちた部分で転がってゆくので。花火のような恋を望んでいるけど、実際できたのはオパールのような火の川、そう、火の……川ですね。
蔦:火の……川……!? 地獄では……!?
水:そう、でも、触ってみると温度は冷たいんですよ。やっぱり難しいんですよね、例えが。
蔦:触ってみると冷たいんですか?
水:そう……何だろうな、触れたものを全部溶かしてしまうほど、そこまで乱暴ではない。んですけれども……いろんな粉を水に溶かして練って作る、液晶……見る角度によっていろんな色が出てくる、人工オパールみたいな。
蔦:検索しました。HPCでカラフル液晶作り、みたいな、瓶に入っているやつですね。
水:そうです、それです! あのきれいなやつ。
蔦:はい、きれいです。
水:あれ(虹色の液体)が、地面を流れている感じ。
蔦:怖!
水:やっぱり黒い紙とかの上に置いた時に、一番きれいに見える。白とかピンクが背景色じゃないんですよね。
蔦:黒い紙w
水:はい、焼け焦げた野原とか、血がいっぱい流れた戦場とかに、こういった潤いのあるきれいな感情を流すと、虹のような光、色を発する、みたいな。
蔦:最悪のマッドサイエンティストですけど、あの、好きだなと思います
水:うん。やっぱりこの、流れていく感じもすごくあって。どこに流れていくのかわからない、本人たちにもわからない、ただ高いところから低いところへ、ある意味自然に流れて行く、恋。恋というか、恋じゃないものもいっぱい取り込んでしまった、感情のタタリ神みたいな……
蔦:感情の……タタリ神……!
水:かつて恋だった何か……なのかなっていう印象がすごく強くあって。
蔦:「かつて恋だった何か」はめっちゃ分かる気がします。
水:でも、透明感もあるんですよ。
蔦:ああ、よかった!
水:光を放ってるから不透明のように見えるんですけども、手に取ってみると、思ったより透明、みたいな。透明……なんですけど、ドロッとしている、という。
蔦:ありがとうございます。

めちゃめちゃ面白いですね。私には軽やかな恋、上昇していくような恋が書けそうにありません! 得意な人に任せた!

過去の自ツイートから、自分の作風について、自分で言語化に苦慮している様子を見つけました。水煮さんが言葉を選びかねるのもむべなるかなと思いました。

私のはふかふかしてなくて……なんならちょっと湿ってて……ぽかぽかでもなくて冷たいから温いの間くらいで……まあ屈んで目を凝らせばきらきらしてなくもないかな……くらいな気がするんだけど……浅い湖の砂浜の水際みたいな……しかしそんな言葉がない……

https://twitter.com/your_re/status/1350786422840545281

湿り気があり、熱くはない、というところは共通していましたね。色味がブラックオパールのレインボーというのは初めて聞きましたが。

それと、文体の話もしていただきました! 嬉しい~。

★ 内容がドロッとしても、文体は繊細寄り
★ シャーペンのように、先の細いペン。しなやかな線を引くのに適している
★ 誇張表現も得意
★ どうでもいいシーンや、重くなりすぎて読み手を選びそうな部分は、さっくり省く(ミニ四駆のように)
★ 軽くしたところに、感情など、言葉にならないものがどんどん入り込んでしまう
★ 書き込まなくても、重さや雰囲気が伝わる。書き込みすぎない方が伝わるかも

『文体が繊細』は嬉しいです。パワーのある文体ができない、とも言いますが、自分の文体が読んでいて好きなので、いいのです。

どうでもいいシーン、省きがち……! 話の本筋に関係ない掛け合いとか、日常の描写とか、書いても読み返して「余分だな」と思って削ってしまいます。ミニ四駆だったんですね、私は。

そして、ここです! 『書き込まなくても、重さや雰囲気が伝わる』……!
心当たりがあったので、すごく嬉しかった言葉でした。
昔、こういうことを言っていたのです。

私あんまり感情書いてるつもりないけど感情書いてるよと言ってもらえるの、私の作文が成す半球には感情が入ってないけど、読んでくださる方が、読むことでその半球に光を当てると感情が浮かび上がってもう半分の半球になるのかなあと思うなどした。

https://twitter.com/your_re/status/1418139499754790914

後から思ったのですが、私、推敲において、
①地の文から感情を取り外して、
②解釈の余地の少ない客観的表現に書き直している
みたいでした。
つまり、感情について全く何もしていないのではなくて、一度入れた感情を取り外して、感情以外の何かで埋めているわけですね。それなので、「そこに元々書かれていた感情」が推測しやすいのかもしれません。

5) おすすめの感情

最後に、私が書くのが得意な感情を教えてもらいました。
先に答えを申し上げますと、「恋以外の感情は何だって大体得意」「清らかなものを書こうとしなければだいたいOK」だそうです。清い恋よ、さようなら。

おすすめの感情リスト。

★ 恐怖
★ 怒り、恨み、憎しみ
★ 嫉妬心
★ 愛憎(清濁併せ呑んでいるのがよい)
★ 後ろ暗さ、後悔
★ 無力感、「自分は全然力が及ばない」という絶望

嫉妬心について、鑑定中に「嫉妬心は書いたことがない」と申し上げたのですが、ありましたね。うっかり恋の嫉妬を思い浮かべて答えてしまったのですが、恋でない嫉妬はたぶん書いています。

愛憎、ピンと来なかったんですが、確かに「デキてるけど、互いに煩わしさや忌々しさ、憎らしさを感じている」カプ、好きです。これ、名前をつけたことがありませんでしたが、「愛憎」に入るのかもしれません。

後ろ暗さや後悔、も、好きですね。怒り、無力感、「自分は全然力が及ばない」という絶望も書いたことがあります。

全体を通じて。
私は、書くにあたって感情の名前はあまり意識していないことが、改めてわかりました。話の構造が先にある。その中で、登場人物には何かの感情が(勝手に)発生する。でも、作中で感情にクローズアップして描写をするわけじゃない。ただ、読み手の中には、その感情が勝手に立ち上ってくれる、みたいな。

2. モチベーションについて(特に、今の原稿をやり抜くための)

このあたりで、2つ目の質問、モチベーションについてお話ししていただきました。新刊を書き上げられる自信がなく、どうしたら自分で自分をやる気にしてやれるのか……という問題意識でした。

★ 基本的には、モチベーション自体はとても高い放っておいても勝手にやるタイプ
★ モチベーションが動かないことは、そもそも自分が価値を見出せないだけ

身も蓋もないが、わかる……! 本当にそう。勝手にやる。できないことは、心のどこかで、やる必要がないと思っているのだ……!

しかし、モチベーションアップのコツもちゃんと伺いました。

★ 強い動機になりやすいのは、怒り、恐怖
★ 腹が立った状態で原稿をすると、進む
★ 追い詰められる→恐怖心→モチベーションアップ
★ 内に込めるとダメになりやすい。自分で自分を傷つけて消耗する
★ 悶々として動けないときには、とりあえず吐き出す。書いていると感情が溢れてきて、スッキリする
★ 何も書けないときは、そもそも体力自体が枯渇している

『強い動機になりやすいのは怒り』『腹が立った状態で原稿をする』! やはり、私怨作文だ……!

『とりあえず吐き出す』については、怒りとか、負の感情で心が詰まって脳がぼやけるような時は、普段から日記で吐き出していますね。書き出すと頭が軽くなります。

怒りや恐怖動機の作文で言うと、二次創作だけじゃなくて、こういう短歌もそうですね。

怒りや恐怖、とまではいかなくても、「お前はいったい何なの?」という気持ちで作文をすることは多くあります。知的好奇心、でもあるけれど、ある種の苛立ちでもあるのかもしれませんね。

最後の『何も書けない時は体力がないとき』、わかります。肉を食べて寝よう。

ここまでは自分でやるモチベーションアップの話、でした。
人と関わることでモチベーションを上げるのもおすすめ、とのこと。

★ 表紙や下読みを依頼しておき、本気を出す
★ 誰かと作業し、無言で圧をかけ合う
★ 「羨ましい」気持ちを刺激すると、「じゃあ私も手に入れよう」と行動に移せる

確かに、表紙や校正を外部に依頼する時には、かなり頑張れますね。中身もちゃんと磨いて素敵な本にしたいからね。

作業通話、前に一回やらせてもらった時は捗りました。友達が必要……。

「羨ましい」の話はかなり面白かったです。誰かがやっているのを見て、いいなあと思って自分もやる、確かにそうです。憧れ、ですかね。私の言葉で言うと。

あと、愛の話が面白かったです。ここも会話形式で引用します。

水:多くの人に気に入ってもらえそうな話を書くことに、そもそも価値を覚えてないんじゃないかな、と。
蔦:それは、それは……そうです。
水:そもそも、広く愛されるよりも深く愛されたいみたいな感じがあるので。
蔦:ああ、そうですね。
水:さらに言うと、「愛されるよりも愛したい」感じが強いので。
蔦:あ、そうなんですね?
水:愛してほしい気持ちもあるけれども、自分と同じぐらいか、それよりも強く愛してくれないと嫌だみたいな。
蔦:わか……! る!
水:そうじゃないんだったら要らないぐらい、
蔦:わかるー!!(※水煮さんの発言の途中で上がる悲鳴)
水:多くの人に愛されたって、一人ひとりの愛が浅かったらあんまり意味ないな、って。だから、わざわざ私は(多くの人から愛されるために)動かなくてもいいやって、なっちゃってるのかなと。
蔦:そうですね。
水:モチベーションが、芽生えようが、ない。
蔦:とても納得できました。

こんなに面白いことがあるんですね?

狭く深いラブを友とする人間、そもそも万人受けしない。わはは。

https://twitter.com/your_re/status/1237381134746435584

自分で言ってた。

そもそも万人ウケする話を思いつくこともできねえよ(気づき)(アクセルを踏み込む絵文字)

https://twitter.com/your_re/status/1173561105215451136

これも本当にそう。

つまり、私のモチベーションは、

★ 「いいな、やりたいな」と思えたら、確実に手に入れる
★ 自分の怒りや恐怖、焦りなどをうまく使う
★ 万人に愛されようとしない(結局満足はできないので、私にとって意味がない)

こんな感じでしょうか。納得です。

3. 同人界隈において、私に向いている交流のコツ

私はあまり、SNSで界隈の方と交流していない方かと思います。
私に向いている交流、もしくは引きこもりのコツを伺いました。

まずは社交の傾向について。

★ 見栄っ張り。人付き合いにエネルギーを使いすぎて、消耗しやすい
★ 目的ありきの社交が得意
★ 楽しむだけの社交は、あまりやらない

私は毎日マメに挨拶するとかはあまり得意でないそうです(わかる)。
でも、仲良くなりたい人を探すための社交や、ある人の懐に飛び込んでいくための社交なら積極的になれる、ということでした。目的が明確だったり、私自身に野心があれば頑張れるわけですね。わかる気が……します……。

あと、私が他の方に送る感想の話が面白かったです。

★ 作者に刺さる、一点ものの感想を書くのが得意な星回り
★ 手垢が付いた言い回しじゃない、蔦子さんご自身が考えて言葉にしてくれたんだなってわかる言葉遣いになりやすい
★ (蔦子に)自覚があるかないかは別として、その人がいちばん言われたいこと、価値を認められたい部分を突いてしまう
★ 相手の懐に飛び込んだ上に、いきなり相手の腸掴んでる、みたいな

感想暗器職人か?
製造も投擲もやります。よろしくお願いします。

表立った交流がマメにできなくても、その人にだけ見えるように感想を送って、ひっそりと付き合っていく、というやり方があるということでした。なるほど……。

※このあたり、あんまり大っぴらに言う話ではないかな……と思ったのですが、私と同じように「界隈ともっと関わった方がいいのではないか……?」ともやもやしている方がいらっしゃれば……と思って書きました。ご参考まで。

※実は私、「自分が個人的に送った感想が、衆目に晒される」のがあんまり得意ではありません(交流のある方におかれましては、「やめてくれ」ということではありませんので、ご安心ください。そうなってもいいときに、そうなる可能性がある方法でメッセージを送っています)。
また、「自分が個人的にいただいた感想を、誰もが見られる状態にする」ことも同様に、ちょっと苦手です(この記事に類似の話を書いています)。
昨今は感想と返信をセットで公開するのが主流に思えて、私のこの苦手意識はちょっとコンプレックスでした。でもそれは、根が感想暗器職人だったからなのだなと思えて、多少楽になりました。自分に合ったやり方でやっていこうと思います。

4. お送りした作品へのご感想

これが最後のパートです。お送りした作品への感想をいただきつつ、星回りのお話もうかがいました。めっちゃ嬉しい時間でした……! PCの前で照れておりました。

まず、話の構成と感情の話。

★ 感情と構成は通常トレードオフだが、蔦子さんの作品は感情の迫力を保ちつつ、構成力も高い
★ 根本に「美しい構造の話を作りたい」があり、感情は書こうとしなくても勝手に乗っかっていく
★ 構造がしっかりしているため、安心感を感じながら、感情にめちゃくちゃにされながら読める
★ 構成がまったく感情を阻害せず、逆に感情が構成を破壊していない

『構成がまったく感情を阻害しないですし、逆に感情が構成を破壊していない』とおっしゃっていただいて、めーっちゃ嬉しかったです。ありがとうございます。愛(感情)と知性(構造)を両方大切にしたいと思っています。

文体の話。

★ 激情でも、文章が繊細なので、柔らかな質感で心にフィットしながら読める
★ 柔らかな流れで読み手の心をじわじわと侵食していく
★ 侵食の形跡が、読後の喪失感として色濃く残る(「読み終えてしまった」感)
★ 日常を書くよりは、非日常的・激しくひらめく・動いているものを書くほうが得意。荒ぶる感情はハマる
★ 中毒性がありそうな味ではないのに、めちゃくちゃ中毒性がある

侵食……! 読み手の方、侵食、されているんですか? 大丈夫ですか?
読んでくださる方のことが心配になってしまいましたが、私の書いたものを読んで寂しくなってもらえたなら、こんなに嬉しいことはありませんね。

あと、ここがすごく好きでした。読み手の琴線の話。

★ 感情をぐちゃぐちゃにしてやろうという姿勢はないのに、読み手の心の琴線に触れてしまう
★ 全員に触れてしまうわけではないけれども、たまたまその物語で(私が)感情を爆発させたところに近い感情を持ってた人は、死ぬ

『近い感情を持っていた人は死ぬ』、嬉しすぎる……!(他人の死を喜ぶんじゃない)

とても心当たりがあります。東京心当<トウキョウココロアタリ>ですわ。
以下、noteからの引用です。

わざわざ小説にする理由は、

・メインの理由:考えたことをすぐ忘れるので記録しておきたい
・「わかった!」という嬉しい勢いのままに書いちゃう
もしも同じ疑問で悩んでいる人がいたら、その方のご参考になるかもしれない

などがあります。最後のについて、もしも、私の答えがあなたにピタッと嵌まってお気に召したなら、一つの説として採用していただけばいいと思います。まあ、全部が受け入れられることは稀だと思いますので、考え方の一部分など、どこか参考にできるところがあれば、というくらいの気持ちです。

https://note.com/u_u_c/n/n32b3caebad77

そうなの! 近い感情(疑問)を持っていた人を正確に吹っ飛ばせるなら、そんな嬉しいことはない。それがたとえ一人でもいいのです。大勝利です。ありがとうございます。

もしかして、だからこそ、私が推敲で感情描写を削っても、「感情がある」と読んでいただけるのかもしれませんね。私と近い感情を持ったあなたには、それが伝わるのです。

鑑定を終えて

と、このあたりでほぼぴったり1時間でした。すごいタイムキープパワー!

濃密で楽しい1時間でした……!
作品を読んだ上で鑑定してくださるので、緊張しながらもとっても嬉しかったです。

創作をしている人や、これから創作をしてみたい人にもおすすめのサービスです。水煮さんが圧倒的な語彙力をもってハイテンポで繰り出してくださる感想には、ちょっと他にないパワーがあります。ピンポイントに嬉しいところをピンヒールで踏まれる感じです。ドキドキするけど、気持ちよくて嬉しいし、ツボを押されて姿勢が良くなっちゃう。
関心がある方はぜひ。

水煮さん、ありがとうございました! また機会がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

それで、原稿は?

無事、脱稿しました~!

当初目指していたイベントには落としてしまったのですが、翌週のWebイベント合わせで発行することができました。水煮さん、本当にありがとうございました……!!

修正のモチベーションについて。

私には、清く明るい恋は難しい。鑑定でそれがよくわかりました。それで、新刊は諦めようかな、と思ったのです。でも、せっかく途中まで書いたのですから、ただお蔵入りさせるのはもったいない。がんばったし。

そこで、「供養本」を出そうか、と思いました。

「供養本」。これは、未完の話を切り貼りし、ダイジェスト的に再編集する、というアイデアです。「準備号」の死体版みたいなイメージです(「準備号」を作ったことも見たこともなく、想像で話しております。「新築の廃墟」とかの方がイメージがしやすいでしょうか?)

「供養」というキーワードが私の「破滅」的な性癖に合致したためか、そこからは手が動きました。そして、「やはり、幸せな恋の話として仕上げてみたい」という気持ちが湧いてきたのです。やったー!

書き直しの作業について。

改めて書きかけの恋の話を読み返すと、こんな問題が目につきました。

「幸せな恋の話」のストーリーラインに混ざり込む、私の性癖(後ろ暗さ、反目、破滅)や、「これが幸せな恋だと思うんだよ!」という唐突な願望も、ストーリーから浮いている……!

話の骨格は、幸せな恋の話になっていたと思います。
でも、私が手癖で盛る性癖の薄暗さや苛烈さが、ストーリーから浮いていました
さらに、「これがきっと幸せな恋!」という、願望まじりの描写(ex. 手繋ぎ、キス、頬染めetc)がいかにも取って付けたようで、全体的に破綻していたのです。

水煮さんからは、おすすめの感情として、「愛憎、恐怖、怒り」等々とご助言をいただいておりました。いずれも幸せな恋とは異なる路線です。ですので、私に合った修正軌道は、「性癖分量を増やし、ストーリーラインを変更する」、だったのでしょう。
しかし、今回は「幸せな恋の話に挑戦」したかったのです……! そこで、以下の処置を取りました。

  1. できる限り性癖を削る(後ろ暗さ、反目、破滅など)。

  2. 「これがきっと幸せな恋」という願望部分を削る。

これで、「幸せな恋の話」のストーリーラインだけが残るはずです。

何とか書き上がった話は、書きかけの頃よりも、ずいぶんスリムになりました。当初の破綻テイストよりかは、まだ食べられる、ものになったのではないかな……と思っております。

無事脱稿して、今は本が届くのを待っています。一時は、もう書き上げられないかもとまで思いましたが、なんとかここまで漕ぎ着けました……!
ひとえに、水煮さんに鑑定をいただき、自分の性癖や作文の癖を冷静に見直すことができたおかげです。

ピンチの状態で鑑定を受けると、より実のある時間を過ごせるように感じました。ありがとうございました。

そして今後は、改めて、性癖に忠実な恋の話も書いてみたいと思います。焦土を這う虹の川として💪🌈

ごきげんオタクライフに使わせていただきます🌱